酒場案内人の塩見なゆです。
ビールにあう料理は星の数ほどありますが、ビールと餃子の組み合わせは誰もが認める鉄板の組み合わせです。そこで本記事では、「ビールと相性の良さ」という視点でオススメしたい東京都内の名店10軒をご紹介します。酒場メディアらしく餃子専門店に留まらず、創業半世紀以上になる老舗の酒場の手造り餃子も掲載しています!
目次
1,浅草『餃子の王さま』
浅草で評判の大衆中華(町中華)といえばここ『餃子の王さま』。創業は1954年。餃子専門店のような店名ですが、やきそば(太麺)やチャーハンなど、麺類・飯類もあり、そちらも大人気。週末はお昼から行列ができますので、平日の16時が狙い目。
焼餃子はほぼ全員が頼む文字通り看板メニュー。一日に数千個を包み、包むそばから焼いていくというのだから驚きます。
餡はキャベツ、生姜、にら、ニンニクが材料で一日半寝かせたもの。作りおきや冷凍保管はせず、営業中も常に包み続けています。
ホクホクの餃子を頬張ったあとを追いかけるようにキンキンに冷えたサッポロ黒ラベルやアサヒ生ビール(マルエフ)を飲めば、浅草がもっと好きになります!
住所 | 東京都台東区浅草1-30-8 |
営業時間 | 11:15~14:00・16:00~20:00(火定休) |
開業年 | 1954年 |
2,上野『昇龍』
1957年創業の餃子屋「昇龍」。アメ横のガード下、大統領などがあるアメ横飲み屋街に店を構えています。鉄道高架の耐震工事に伴いガード下にあった同店は一度建て替えており、店は新しく若い世代も入りやすい雰囲気です。
『昇龍』の餃子は超巨大で12cmほどあります。焼き目はパリパリ、全体的には蒸し上げたように熱するのでモチモチです。にんにく不使用であっさりとした味ですが、豚肉の旨味とキャベツの甘さが印象的。
長年サッポロラガー(赤星)を扱ってきた店ですから、ここでは餃子と赤星がイチオシの組み合わせです。
住所 | 東京都台東区上野6-10-14 |
営業時間 | 11:30~21:30(日祝は20:00まで・月第2火定休) |
開業年 | 1957年 |
3,神田『鶴亀』
「安くて早くて美味しい」。神田駅前にある大衆酒場です。もともと1953年創業の中華料理の「中央軒」という店でしたが、1970年代に居酒屋へ業態を変え現在に至ります。
マグロぶつや焼鳥、イカ焼きなどの酒場メニューが中心ですが、名物は創業時からの人気料理「焼餃子」です。
炒め物などが400円台なのに対し、自家製餃子は660円とちょっぴり高級。その理由はこの大きさ!
しかも皮から自家製という大変なこだわり。具材も特徴があり、なんとインゲンが豚肉に練り込まれています。生姜とわずかなニンニクがアクセントになっており、サッポロ黒ラベルがぐんぐんと進みます。
またここの酎ハイは300円という安さながら果物が刺さっており、ビールの次は酎ハイをお試しいただきたいです。
住所 | 東京都千代田区内神田3-21-2 |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 16:00~22:00(フードL.O.21:15、ドリンクL.O.21:30) [土] 15:00~21:00(フードL.O.20:15、ドリンクL.O.20:30) 定休日 日曜日、祝日 |
開業年 | 1953年(中華料理中央亭として創業した年) |
4,立川『四つ角飯店』
創業から一世紀近い、昭和一桁開業の老舗中華『四つ角飯店』。4代目がまじめに店を守っています。以前は駅前にありましたが、再開発に伴い現在の場所へ移転しました。
ここは餃子一皿300円台と大変リーズナブルですが、さらに5がつく日は焼餃子が半額になります。また、毎週水曜日は水餃子が半額と、商売度外視のサービス価格になるのです。
安くても大きさ、カタチ、焼き具合ともに完璧です。キャベツとニラ、そして肉比率多めの餡は軽い印象ながら箸が止まらない美味しさ。
典型的な中華スープ味の水餃子もぜひ頼んで欲しいです。ラーメンなどに使うような丼ででてくるのでボリュームに驚きますが、こちらもペロリと食べられます。アサヒスーパードライの爽快さと餃子の旨味がベストマッチ!
お昼から通しでやっていますし、立川の昼飲みは餃子という選択もいいですね!
住所 | 東京都立川市曙町1-16-5 |
営業時間 | 営業時間 11:30~20:30(L.O.) 日曜営業 定休日 月曜日 |
開業年 | 1927年 |
5,立川『餃子天国』
立川には何軒か餃子が有名な店がありますが、最もディープなロケーションはここ『餃子天国』。
日本でもトップクラスの個性派餃子のお店です。エビ、チーズ、ホタテ、あさりなど選べる具材を詰めた餃子は、驚きの握りこぶしサイズ。種類が豊富なのでつい2皿くらい注文したくなりますが、この大きさは食べきれない可能性がありますのでご注意を。
海老餃子。皮に包まれた状態ではみんな同じに見え、開けば具材が溢れ出してきます。
こちらは冬季限定の牡蠣餃子です。1個の中に牡蠣1個かと思いきや、つなぎとなっている豚肉と同量かそれ以上にゴロゴロ牡蠣が入っています。
味が濃くおつまみになる餃子ばかり。キリンラガービールと相性ぴったりです。
住所 | 東京都立川市錦町1-5-12 サンパークビル 1F |
営業時間 | 17:30~22:00(日月定休) |
開業年 | 1971年 |
6,飯田橋『おけ以』
餃子マニアにも評判の店で、東京都心部を代表する餃子の名店です。ランチタイムは大行列です。
70年間変わらぬレシピで作り続けてきた餃子は、肉汁たっぷりで大変ジューシー。大きく頬張ってぎりぎり1口サイズでほんのり羽つきです。
皮から自家製で、職人技を感じるキレイなヒダが印象的です。ブタ、白菜、ニラ、そしてわずかな生姜の風味。香ばしいパリパリの焼き目も心地よく、サントリー ザ・プレミアムモルツがグンと進みます。
お酒を飲むなら、比較的落ち着いている夜がオススメ。
住所 | 東京都千代田区富士見2-12-16 |
営業時間 | 昼11:30~13:50L.O 夜17:00~20:40L.O(日祝第3月定休) |
開業年 | 1954年 |
7,馬喰横山『小伝馬』
小伝馬町の駅前で60余年営業を続けていた季節料理・海鮮を得意とする老舗酒場『小伝馬』。豊洲に仕入れに行く魚にこだわる居酒屋ですが、ここの夜メニューには特徴的な餃子があり、常連さんに大人気です。
マグロの希少部位や三枚にした真鯵のフライなど、美味しい魚メニューばかりの中にある、一際存在感がある焼餃子。
大皿からはみ出しそうなジャンボ餃子で、もちろん自家製です。蒸し上げたようなモチモチ食感の皮に包まれています。一口では食べられないサイズなので真ん中で噛むと、切り口から小籠包のように汁が滲み出てきます。
ビールはサッポロがオススメです!と語る三代目。明るく爽やかな三代目の人柄を反映した、誰もが入りやすく気軽に楽しめる素晴らしい居酒屋です。
住所 | 東京都中央区日本橋横山町3-15 |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 11:30~13:20 16:30~22:00L.O.21:00) [土] 15:00~21:00(L.O.20:30) ※土曜のみ貸切の場合あり 定休日 日曜・祝日 |
開業年 | 1960年創業・2016年1月5日に移転再オープン |
8,町屋『川ばた中華喫茶店』
喫茶店と中華という不思議な組み合わせの店。昭和から続く老舗で、1980年代のファミレスのような独特な雰囲気です。コーヒーやケーキを楽しむ人がいる横で、ラーメンを啜る人がいるおもしろい店ですが、実に居心地がいいです。
喫茶であり町中華であり、そして名物は餃子専門店かと思えるほど特徴的な巨大餃子。お皿からはみ出す大きさに、初めての人はきっと驚くはず。まるでバナナのようなサイズ感。
キャベツと豚を丁寧に練り込んだねっとりとした餡が詰まっており、箸で持ち上げるとずっしり重たい!
皮は薄く餡がすけています。
11時から夜21時まで通しで営業していますので、休日のお昼飲みから帰宅前の晩酌まで対応してくれます。芯まで冷えたサッポロラガー(赤星)が進むこと間違いなし。
住所 | 東京都荒川区町屋1-2-14 |
営業時間 | 11:00~21:00(木定休) |
開業年 | 半世紀前 |
9,清澄白河『桃太楼』
名物女将を中心にご家族で切り盛りする町中華『桃太楼』。創業は1980年代。三角屋根の平屋の店構えは、まるで漫画に出てくる中華屋さんのようです。
大衆中華の定番料理は一通り揃っていますが、大定番は特製餃子です。自家製のラー油ベースのタレが野菜たっぷりの餃子にコクを加え、これがビールを進ませます。クセになるモチモチの皮があとを引くので、気づけばペロリと完食でした。
ランチタイムを過ぎた14時から注文可能なおつまみ揚げワンタンも人気。町中華で飲むのがお好きな方にはぜひ一度訪ねて欲しい一軒です。
住所 | 東京都江東区三好1-8-13 |
営業時間 | 営業時間 [月・火・木~土] 11:00~20:00(L.O.19:50) 定休日 水曜・日曜・祝日 |
創業 | 1985年頃 |
10,下高井戸『たつみ本店』
50年以上前に甘味処として創業し、やがて酒場メニューが増えていき、気づけば200品近い料理を揃えるようになった下高井戸の酒場『たつみ本店』。甘味処だった名残でいまも鯛焼きが人気ですが、ここは餃子もこだわりあり。
居酒屋ながら、皮から手づくり。小ぶりで形が整った餃子で、皮はやや厚くモチモチです。揚げ物、刺身、洋食まで山ほどあるおつまみの中でも、特に餃子は人気のようで次々と餃子が運ばれていきます。
天ぷらや刺身と一緒につまめるから酒場の餃子は楽しい!サントリーザ・モルツと一緒にぜひ!
住所 | 東京都世田谷区赤堤5-31-1 |
営業時間 | 17:00~24:30(基本無休) |
開業年 | 1968年 |
気になるお店はありましたか
ラーメン店の餃子、町中華の餃子、専門店の餃子、そして大衆酒場の餃子。同じ餃子でもシチュエーション次第でもっと美味しく感じますよね。
焼たてパリパリの餃子にはチューハイやハイボールもよいですが、やっぱりおなじみ銘柄のビールが一番合うと思いませんか!
他にもこんなお店がビールとあう餃子を提供しています。
- 立石『餃子の店 蘭州』
- 赤坂『赤坂珉珉』
- 上野『珍々軒』
- 立川『丸山ぎょうざ会館』
- 学芸大学『二葉』
- 恵比寿『えびすの安兵衛(本店は高知安兵衛)』
- 八幡山『餃子館』
- 木場『来々軒』
- 高円寺『七面鳥』
- 錦糸町『菜来軒』
- ときわ台『鳥忠 総本店』
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)