神田『鶴亀』祝70周年！中華が揃う酒場。餃子と果実酎ハイが名物

2023年で創業70年を迎えた神田の『鶴亀』。現在店を仕切る三代目の祖母が「中央軒」という名の中華料理店として開業したのがはじまり。約半世紀前に大衆酒場となりましたが、名物は変わらぬ餃子です。チューハイを頼むとフルーツが刺さってくるので初めての人はみんな驚きます。

神田駅前の路地で、会社帰りの人々で賑わう大箱中華酒場

「安くて早くて美味しい」と評判の店『鶴亀』。東京都千代田区・神田駅からすぐの場所にありながら、いまだにチューハイ300円という安さを貫く大衆酒場です。細い裏路地にあるので、酒場好きでないと気づかないような店ですが、店内は広く二階席もあります。

1953年に「中央軒」という名の中華料理店として創業し、1970年代から庶民的な酒場に業態を変え、焼鳥や刺身などの酒場料理が加わりました。

店内は昔ながらの飴色の空間で、昭和の残り香がそこかしこから漂っています。

店を切り盛りするのは三代目大将で、お手伝いの若いスタッフの皆さんがサポートしています。大箱ながら調理場に向いた直線のカウンター席もあり、10名程度が利用可能。

近隣の会社に勤める人たちが先輩社員から教えられてやってくる、そんな雰囲気で、連日満席近い賑わいです。

樽生ビールの品質もよい店ですが、今日は瓶ビールの気分。周囲の人にあわせて、私もサッポロ黒ラベルを選びました。それでは乾杯！

献立の半分は「ラーメンのない町中華」のような顔ぶれです。ですが、中華料理店と違うのはその安さ。大衆酒場だからといえばそうなのですが、大抵の料理がワンコイン以下です。

ニラ玉は初代から受け継がれた味で、常連さんに人気の一品。

チューハイやレモンサワーを頼むと、なんと果物がささってきます。これで300円ですからみんな驚きます。果物はパイナップルの日もあれば、メロンの日もあります。

日本人好みの味付けの料理ばかり。キムチは辛さしっかりコク濃いめ。ビールやチューハイが進むこと間違いありません。

おまちどうさまでした。こちらが名物の自家製餃子。他の料理と比較すると割高ですが、気づいて欲しいのはその大きさ。

皮から自家製だと聞きます。豚肉だけでなく、なんとインゲンが練り込まれています。これが食感のアクセントです。生姜とわずかなニンニクで味が整えられています。

パリパリになった皮としっとり肉汁のある餡は、人気の中華料理店の餃子に負けないレベルだと思います。

餃子には、男梅サワーの甘じょっぱい味も好相性。

お酒で注目したいのは、日本酒の銘柄です。京都・伏見でつくられる名誉冠が定番のお酒なのです。都内では非常に珍しい。

長年扱い続けてきたそうで、名誉冠酒造が撤退後も変わらず扱ってきたと教えてくれました。現在は山本本家が製造元。伏見らしいふわっとしたお酒です。

「中央軒」の文字が残る皿に盛られてやってきたチャーハン。使い込まれた中華鍋でつくる本格的な一品。チャーハン飲みがはかどります。

町中華と大衆酒場のいいとこ取りをした店『鶴亀』。店の雰囲気的には一人よりもグループ利用のほうが楽しめると思います。お仕事帰りに、土曜日の昼飲み（15時開店）に立ち寄られてみてはいかがでしょう。

（取材・文・撮影／塩見なゆ）

店名	鶴亀
住所	東京都千代田区内神田3-21-2
営業時間	営業時間［月～金］ 16:00～22:00(フードL.O.21:15、ドリンクL.O.21:30) ［土］ 15:00～21:00(フードL.O.20:15、ドリンクL.O.20:30) 定休日日曜日、祝日
開業年	1953年（中華料理中央亭として創業した年）