丼の表面を覆い尽くすほどの大量のうずらの卵。その下にはとろみのあるカレー南蛮が潜み、さらに底からは、とろろがかかったご飯が現れます。一杯で蕎麦とおじやの両方を味わえる、進化系カレー南蛮。今回は、下北沢の老舗蕎麦店『広栄屋』の名物料理「Ojiyaカレーそば」をご紹介します。実は昼飲みとも相性がいいんです。
昭和の空気が流れる下北沢の老舗

若者文化や演劇の街として知られる下北沢。駅前は再開発でがらりと雰囲気が変わりましたが、少し歩けば商店街は昔のまま。
“シモキタ”って、古着屋やカフェ、ライブハウスのイメージがありますが、そういえば、カレー屋さんもそこら中にある。歩いているとふんわりとスパイスの香りが漂ってくるんですよね。今回訪ねる蕎麦屋さんもどことなくカレー香り。

駅前の喧騒から北口へ5分ほど歩いた先の一番街商店街に、1960年創業の「広栄屋(ひろえや)」は店を構えています。

商店街には若者向けのお店が並んでいますが、ここは昭和で時間が止まった空間。通し営業なので、平日の昼下がりから飲んでいる人の姿も。

のんびりテレビを眺めつつグラスを傾けるご隠居さんから、ギターケースを抱えた若者グループまで客層は様々です。

家族で切り盛りされている温かい雰囲気が心地良い。少しむかしの世田谷区って、だいたいこんな風情だったのに、いまは本当に貴重になりました。
蕎麦をつまみに名物「ギガたまOjiyaカレーそば」で昼飲み

まずは瓶ビール。キリンラガービールの小瓶をもらって乾杯。

今回注文したのは「ギガたまOjiyaカレーそば」(1600円)です。

下北沢カレーフェスティバルを盛り上げるために考案された名物メニューで、若者向けのイベントに老舗が参加しているのは珍しいですが、一緒に手を取り合っているのは嬉しいところ。

運ばれてきた丼の表面は、うずらの卵でびっしりと覆われています。なんと20個ものせられた豪快な一杯。
汁物でお酒を飲むと麺が伸びてしまうので、ラーメンや蕎麦はつまみにしづらいですが、カレー南蛮は別格です。とろみのあるカレーつゆを吸って、トロトロになった蕎麦が実にお酒に合います。もはやコシを語る段階ではなく、カレーの具材と化した蕎麦をつまみに飲むビールが進みます。

カレーを埋め尽くすように浮かんだうずらの卵も立派な酒の肴。これはビールだけでは足りません。

うずらをパクパクとつまみながら、ここで蕎麦焼酎の蕎麦湯割りを追加。焼酎は熊本・久多良木の蕎麦焼酎「白雲郷」ではありませんか。風味豊かで美味しいんですよね。

さらに食べ進めると、丼の底から驚きの仕掛けが登場します。

名前の「Ojiya」が示す通り、底にご飯が敷き詰められている構造。ご飯の上にはとろろが重なり、カレーつゆが早く染み込みすぎるのを防ぐ防壁の役割を果たしています。最後にとろろ、ご飯、カレーが混ざり合ったおじやを〆感覚でいただいて大満足。すっかり満腹になりました。
昼下がりの時間を忘れる憩いの場

昼食時が過ぎた頃に、時間を気にせずゆっくりと食事とお酒を楽しめる通し営業の存在は、お酒好きにとって本当にありがたいものです。あとから来るお客さんに席をあけなければ…というプレッシャーがないのは、だらっとした昼飲みをする上で大事な条件。

斬新なアイデアと確かな味が同居する広栄屋。あらゆる人を受け入れる下北沢のお蕎麦屋さんです。
お店の詳細


| 店名 | 廣栄屋(ひろえや) |
| 住所 | 東京都世田谷区北沢3丁目21−1 |
| 営業時間 | 11時30分~20時00分 木定休 |
| 創業 | 1960年 |
![Syupo [シュポ]](https://syupo.com/wp-content/uploads/2022/01/syupo-logo.png)
