2023年3月4日、桜木町駅前のぴおシティに立ち飲みチェーンの『晩杯屋』が開店しました。晩杯屋の特長は1人前サイズで200円程度の料理と、安くて量のあるお酒の数々。さらに近年は魚料理の提供方法に抜本的なテコ入れが行われ、「刺身の美味しい店」という新たな付加価値がつきました。
そんな晩杯屋の最新店舗の様子をご紹介します。
目次
晩杯屋、待望の横浜進出
『晩杯屋』の運営元・アクティブソースは今年で創業15周年になります。赤羽の老舗立ち飲み店「いこい」で修行した金子さんが、武蔵小山駅前でわずか4坪の小さな立ち飲み店『晩杯屋本店』を開いたことから始まります。縁日のようなムードと驚異的な安さは、現在ほど立ち飲みが一般的でなかった東京で一躍脚光を浴びました。
元祖・東京の立ち飲みチェーンと言われるまでに成長した晩杯屋。ただし、武蔵小山や大井町など数軒しかなっかった時代を知る人たちからは、急速な店舗拡大のために原価度外視の料理や属人的な接客が減り、個性が薄れてしまったという意見もありました。
それでも拡大は続きます。立ち飲みマニアだけでなく広く一般にまで浸透するようになり、2017年、丸亀製麺を運営するトリドール傘下になります。改めて「晩杯屋の強みとはなにか」、新体制となったことで検討されました。
こうして、少しずつ既存店のファンを増やし、再び拡大路線へ。2022年には関西にも上陸し「赤羽いこい流」の雰囲気は大阪でも評判になっています。
そんな晩杯屋ですが、実は横浜中心部にはなぜか出店していませんでした。いつ出店するのかと期待するファンもいましたが、関係者も長年桜木町・野毛界隈への進出を狙い続けていたのです。そして2023年3月4日、念願の横浜エリアに進出、しかも桜木町駅前のぴおシティに出店しました。
既存の立ち飲み店とともに、よりぴおシティの賑わいに繋がればよいですね!
実際に本オープン初日に飲んできました
本オープンの3月4日が土曜日ということもあり、開店直後から満員御礼状態の賑わいとなりました。
外観
晩杯屋のコンセプトは、創業時から「誰でも気軽に” 一杯目” が呑める店」を掲げており、一人で入りやすい店作りを続けてきました。
常連さん向けでハードルの高さを感じる赤羽『いこい』を、カジュアルにコンビニエンス化したのが晩杯屋であり、ミレニアル世代でも安心して暖簾がくぐれます。
内観
店は比較的小さく、厨房を囲むカウンターとわずかなテーブル席を配置しただけのシンプルな造りです。初日は立ち上げチームのメンバーが応援に入っているので、本オープン初日から提供は大変スムーズでした。
物件取得や内装工事の都合でだいぶ遅くなりましたが、無事オープンしました!と、アクティブソースさん。皆さんプライベートでも飲み歩く人たちで熱心な酒場好きなので、ぴおシティの重要性をよく理解されています。
品書き
それでは、気になる品揃えをみていきましょう。基本的には丸魚の料理以外、首都圏エリアの晩杯屋と共通メニューになっています。
お酒
- 生ビール キリン一番搾り:490円
- 馬ハイ(ホワイトホースハイボール):290円
- チューハイ:250円
- ゴールデンチュウハイ(赤羽いこいとお揃い):290円
- 緑茶ハイ(売上ナンバー1を記録することもある人気メニュー):330円
- トマト割り(卓上の味の素をかけて味変が楽しめる):330円
- 男梅チューハイ(サッポロ系を飲みたい人にオススメ):330円
- ハイサワーハイッピーセット(創業の地・武蔵小山つながり※博水社本社は武蔵小山):430円
- コーヒー牛乳ハイ(これのためだけにわざわざ牛乳を用意):440円
料理
ホワイトボードは魚河岸直送の丸魚等をつかった日替わり料理です。少量しかない端数を市場から仕入れるため、全店共通ではありません。売り切れ次第なくなっていきますので、入ったらまずこれをチェック。
- 鳥取イナダ:250円
- 高知ヘダイ:250円
- 山口真ゴチ:310円
- 神津島金目鯛:310円
- カキ酢:250円
- 煮込み(創業時から続く):150円
- アラ汁(丸魚を店で捌くからできる):110円
- マグロ刺し(創業時からの人気メニュー):310円
- 手仕込みロースかつ(超分厚い):350円
- レバフライ(長年の名物):190円
守ること、磨くことがしっかり整理されたことが人気のカギ
キリンラガービール(490円)
晩杯屋はチュウハイ(ベースは宝焼酎)が250円と大変リーズナブルですが、一杯目はやはりビールを選びたい!関西進出時も瓶ビールは置かず、生ビール1本です。銘柄は、中の人のこだわりで酒場に似合う「キリンラガービール」。
ジョッキサイズは都内の居酒屋チェーンの中で最も大きい(※中生サイズで)500mlです。量を考えたら、生ビールが490円はまだまだとってもオトクなのです!それでは乾杯!
イナダ刺し(250円)
トリドール傘下になった今も市場での水産物仕入れは社長が同行(関西は除く)するのが、晩杯屋の凄いところ。即決して仕入れ、その日のうちに店へ届けられます。店舗では、必ず丸魚を捌ける社員がおり、その場で刺身にして盛りつけ完了。素晴らしい企業努力の結果、境港でおなじみの鳥取のイナダが250円で食べられます。
真ゴチ刺し(310円)
感動したのは、真ゴチの刺身。これはかなりの上モノです。取材に同席された、外食で舌が肥えている酒類関係者も皆さんうなる美味しさでした。
鍛高譚ソーダ割(390円)
合同酒精の看板商品、今年で30周年を迎えた鍛高譚がなんと晩杯屋にも入っていました。しっかり濃い目、しその風味は魚と相性ぴったり。
アジフライ
刺身用の真鯵を3枚にせず、開きで揚げているフジフライ。
銀皿からはみ出す大きさに感動します。もちろん揚げたてで衣はザクザク。晩杯屋の魚介系フライはオリバーの出汁ソースをかけて食べるのがオススメ。
すももサワー(330円)
合同酒精がつくる「昔懐かしいすももサワー」をつかった赤いチューハイ。文字通り駄菓子の「すもも漬け」のシロップ風味です。バイスや男ウメサワーとお間違いなく。
ホタルイカ天(250円)
酒場の黒板メニューで感じる季節の移ろい。ホタルイカで春を感じます。
日本酒いろいろ
魚料理が多いと日本酒か欲しくなりますよね。晩杯屋のお酒は福徳長酒類(オエノン)です。本オープン日は合同酒精(オエノン)さんと一緒に福徳長酒類さんも駆けつけていました。
300mlの富久娘生貯蔵酒からお燗酒の菊源氏、そして1合瓶まで、用途によって選べる品揃えです。お燗酒は1杯250円と大変リーズナブル。
1合瓶は晩杯屋のロゴ入りです。すっきりとして飲み心地の良いお酒です。
肉シューマイ:220円
食べごたえのある大きなシューマイ。噛むと肉汁が溢れます。
チーズカリカリ(190円)
晩杯屋の創業者・金子さんの大好物でもあるチーズカリカリは、創業15周年でも現役です。物価高騰の現在でも100円台!
野菜天(150円)
長年の晩杯屋好きには馴染みのある巨大な野菜かき揚げ。オマケで竹輪が載っているところまで同じです。「寒い寒い」と言いながら、冬の武蔵小山で隙間風に吹かれて飲んでいた頃を思い出します。
晩杯屋は魚に強い!
安さ、入りやすさ、提供の早さはそのままに、水産物の仕入れ・提供方法の改善を重ね、「魚が美味しい店」のイメージを磨いてきたのが、トリドール傘下になった晩杯屋です。魚を扱う研修を徹底し、セントラルキッチンを廃止する。手間を増やして価値を高めています。
いまの晩杯屋の本部主要メンバーは、大手ビールメーカーや大手飲食企業から酒場好きで転職した人が中心で動いており、酒場愛がとても強いです。これからの進化を楽しみにしています。
近くの酒場
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/株式会社アクティブソース、株式会社アサヌマ、酒類メーカーの皆さん)
店名 | 立呑み晩杯屋 桜木町店 |
住所 | 神奈川県横浜市中区桜木町1丁目1 ぴおシティ 地下2階 |
営業時間 | 11:00~22:00(年中無休※ぴおシティ臨時休館日を除く) |
開業年 | 2023年3月4日 |
備考 | 完全禁煙になりました |