馬喰横山『小伝馬』60年の歴史に裏付けられた粋で質のいい肴

馬喰横山『小伝馬』60年の歴史に裏付けられた粋で質のいい肴

2016年6月25日

今回ご紹介する酒場は馬喰横山にある『大衆割烹小伝馬』です。小伝馬町の駅前で60余年営業を続けていた季節料理・海鮮を得意とする老舗酒場でしたが、今年、馬喰横山の新店舗に移転してリスタートしました。昔の雰囲気は変わらず、びしっと決まった藍色の暖簾と杉玉もかっこいい。

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町を代表する老舗海鮮居酒屋

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テーブル席と奥はカウンターというつくり。近所の職場のちょっとした飲み会利用が多いですが、ご近所の先輩たちの社交場としても愛されているようで、カウンターにはロマンスグレーが似合うお父さんたちで賑わいます。

品書き

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築地市場の魚屋さんとの長く太いお付き合いがわかる豊富な海鮮の品揃えにうっとり。

活ホッキにとり貝、貝類が最初にあるというのも素敵ですし、ホヤもかつおもハマチも、全部食べたくなってきます。こういう、真正面をみて正直商売していますというのが伝わってくるメニューいいですよね!これがすべて日替わりだというのだから驚きます。

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通常メニューもご覧のとおり。大衆つまみは300円台からとお財布に優しい価格設定。

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飲み物は酎ハイ380円、大びんは赤星で600円。日本酒は店先の看板にもある通り、太田道灌由来の「道灌」(400円)を置いています。東京の開祖 太田道灌の子孫がつくる太田酒造の日本酒ですから、この地にもぴったり。

ここにきたらマグロとサッポロビールを楽しむべし

生ビールはみんな大好き、昭和の正直サイズです。生小ですら、昨今の生中と同じ量。

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小伝馬の生はこだわりの生、というオリジナルのポスターの通り、ここのサッポロ黒ラベルは実に素晴らしい。せっかく飲むのならば一番大きいサイズにしちゃおう!1L入る筋トレジョッキで乾杯!

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みてください、この美しい生!泡とビールの間にモヤモヤと漂うフロスティミストがしっかり。飲んでも飲んでも、新しい泡が生まれてきてビールを蓋します。

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料理はどれもとても丁寧で、きっちりとした仕事が感じられます。

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名物はまぐろで、とくに希少部位の脳天は絶品。やはり仕入れ力って大事ですね!赤身、トロ、脳天の三種食べ比べで700円。どうですか、まぐろ好きの皆さま。酒場のお刺身の大定番のまぐろですが、ここで食べると新たな発見があること間違いなしです。

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アジフライ(480円)はお刺身にできる大きいサイズのもので、三枚におろしたものを使っています。一尾を開きにしたものよりもジューシー。ソースも良いけれど、こういう良いアジフライはぜひ醤油をつけて食べて欲しいです。

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自家製のジャンボ餃子も絶対食べたくなる一皿。もちもちとした食感、海鮮だけでなくちゃんと居酒屋的ラインナップなのも嬉しい小伝馬ですが、このあたりも手抜きが一切ないのが素敵です。

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合間にチューハイをはさみつつ、餃子をはふはふと食べていけば、今日も手軽に天国気分。

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せっかくですので、もうすぐ140年を向かえる日本最古のビールを合わせましょう。大衆的でちょっと粋な感じの酒場には赤星がとても良く似合います。フォルム、デザイン、商品が持つ歴史がにじみ出てくるようで、それが店全体の雰囲気を良くしてくれるように思います。

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最後にアラ汁をぜひとも頼んで欲しい。シメの一品でなんと100円。ちゃんと一度表面を炙って臭みをなくした隙身・骨が入る透き通ったおつゆは個々最近食べたアラ汁の中で一番。

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最後に三代目の笑顔を一枚。家族で守る街の味、これからもずっとずっと続いていくに違いありません。

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粋でちょっとカッコつけている、明るく人情味があり、清々しい。下町酒場が注目されがちですが、江戸の中心地の酒場はやはりいいものです。これこそ日本橋の酒場、ご近所の方だけでなく、都営新宿線や浅草線の途中下車でもぜひ飲みに行ってみてください。土曜は15時から営業なので、お昼酒にもおすすめ。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)

店名小伝馬
住所東京都中央区日本橋横山町3-15
営業時間営業時間
[月~金]
11:30~13:20
16:30~22:00L.O.21:00)
[土]
15:00~21:00(L.O.20:30)
※土曜のみ貸切の場合あり
定休日
日曜・祝日
開業年1960年創業・2016年1月5日に移転再オープン