クラフトビール花盛り。昔は地ビールと呼ばれていた国内各地のブルワリーに加え、飲食店の中にミニブルワリーを併設した最小規模のものから、ナショナルビールメーカー系が手がける規模の大きなものまで様々です。さらに昨今はブルックリンラガーを始めとした海外クラフトまで定番化しつつあります。
ビールのバラエティが増えることはそれだけ楽しさが広がるので大歓迎。ですが、酒場で乾杯はビール4社の定番銘柄が不動の地位。一番頻繁に飲むものだからこそ、その魅力をもっと知りたいのです。
アサヒスーパードライの奥深さを都心で手軽に体験できるお店が銀座にある「ピルゼンアレイ」。日本で一番飲まれているビール「アサヒスーパードライ」一本勝負で魅了する人気店です。
ピルスナービール発祥の地、チェコのピルゼンの名前を冠し、アレイは小路という意味を持ちます。
十数名も入れば満員となるコンパクトな立ち飲み。ドリンクはビールオンリーで滞在時間が短く回転の良いお店で、入れ代わり立ち代わりで駆けつけ1杯を飲んでいくビール好きで賑わいます。
ビールは注ぎ方別に3種類。番号順に3杯飲めば日常にあるスーパードライの違った表情に出会えます。
1杯700円。10杯分を購入すれば1杯お得になるチケットもあります。
店を開いた佐藤さんは新橋の人気店「ドライドック」の元店長。スーパードライを最高に美味しく注ぐカリスマとして知られている方です。ビールの里・チェコやオーストリアでの体験をもとにタップからグラスまで徹底的なこだわりが見られます。
No.1のシャープ注ぎから頂きましょう。乾杯!
ビール樽からそっと注ぎ入れキリッとした炭酸とクリーミーな泡が楽しめるまさにシャープな味です。
ドリンクがアサヒスーパードライのみなので、フードももちろんスーパードライに合うものだけが並んでいます。といっても、フードも必要最小限です。
チャージは300円で、フードを頼まずビールだけ飲んでいくことももちろんOK。簡単な乾きものがでてきますので、あとはチビチビ摘んでひたすらにスーパードライと向き合うというスタイル。
続いてサトウ注ぎ。シャープ注ぎよりややガスが抜けて刺激を抑えビールの味わいを楽しむ一杯。スーパードライは「洗練されたクリアな味」や日本初の辛口ビールというフレーズが使われていますが、サトウ注ぎからはそんなスーパードライのイメージを補完するうまさに出会えます。
グラスは氷水を満たした水冷方式。ビールの温度とグラスの温度を一致させるこだわりです。
チェコから直輸入のタップから丁寧の注がれます。ディスペンサーの回路の径までこだわったフルオーダーのここでしか飲めない設備はドラフトビール好きにはたまりません。
続いてNo.3のマツオ注ぎをお願いしました。新橋ビアホール名店“ビアライゼ’98”の松尾氏の注ぎ方です。
泡をたくさんたててガスを抜いてゆっくりと注いでいく方法。歴史あるビアホールにみられる注ぎ方です。
ふっくらした泡がグラスの上に盛り上がるのが特長。麦の味を強調した味で、喉越しドライのイメージがある方は、きっと考えが変わるはず。
飲んだ杯数はコースターに書いていくのは海外のビアホールでもみられるもの。
隅々まで想いがこもった空間。間口の狭さもあってビール好きのための秘密基地感も心地良いです。
ナショナルビールはいつもそこにあるビール。当たり前のビールだからこそ、磨いたその先を知るのが楽しいです。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
ピルゼンアレイ (PILSEN ALLEY)
050-5593-9813
東京都中央区銀座6-4-14 HAOビル 1F
16:00~23:00(土日祝は14:00~22:00・無休)
予算2,400円