築地『きつねや』戦後すぐから続くホルモン屋。早朝ビールで乾杯!

築地『きつねや』戦後すぐから続くホルモン屋。早朝ビールで乾杯!

2020年3月14日

長年にわたり東京の食を支えてきた築地市場。中央卸売市場は豊洲へ移転しましたが、旧築地市場周辺に広がる築地場外市場の賑わいは現在も変わりません。

世界一のフィッシュマーケットと言われてきた築地は、やはり海産物のイメージが強く、築地には多くの寿司屋が軒を連ねています。ですが、市場で働く人向けに営業してきたお店は意外かもしれませんが、肉料理が非常に充実。全国区の牛丼チェーンの一号店や、巨大なシュウマイが評判のラーメン店、チャーシューエッグが名物のとんかつ店など、働く人々のパワフル飯でいっぱいです。

場外のもんぜき通り(新大橋通り)で戦後すぐから営業している「きつねや」も、そんな市場で働く人を支えた肉料理のお店です。

築地場外市場を楽しならば、やっぱり朝。夜が明けきらないころの築地の空気は独特です。日中は観光客が集まるお店も、早朝は長靴姿のプロの姿が多く、飲食店の仕入れはまだまだ場外が活躍していることがわかります。

きつねやの開店は6時30分ごろ。もんぜき通りに味噌と牛肉のいい香りが漂い始めます。

大鍋で仕込む看板料理のホルモンは、長年継ぎ足し続けてきた変わらぬ味。もともと串打ちしたモツを鍋で煮て、その串を摘みながらお酒を楽しむ立ち飲み屋から始まった「きつねや」。現在は串には刺さっていませんが、その味はのんべえの心を鷲掴みする、酒好きの味。

深夜から早朝にかけて働いた市場の人は、朝が仕事終わりという人も。きつねやはそんな人々に飲みの場を提供してきたお店です。

春はあけぼの。朝焼けの中の星もよいものです。それでは乾杯!

お酒は日本酒(420円)とビール(中ビン650円)。ビールはアサヒスーパードライ、キリンラガー、サッポロ黒ラベルの3銘柄が用意されています。

牛丼とホルモン煮がきつねやの二枚看板。牛丼のあたまと肉豆腐は酒や醤油で甘く煮込み、ホルモン煮は八丁味噌で仕立てています。味の異なる二種類をどっちも楽しみたい!そんなときには、焼どうふ(250円)とホルモン煮(670円)という選択はいかがですか。肉どうふ(720円)はちょっと量が多いのですが、豆腐だけならばちょっとつまめる量なのでぴったり。

これこれ、まさに”きつね色”。中まで染み込んだ甘さと牛肉のコクがたまりません。

車道よりのスペースで立ち飲みされている、ジャンパー姿の市場のお父さんたちは、これをつまみに日本酒タイム。朝から飲む人たちが集まる雰囲気が最高です。

東京の煮込みは今は豚モツのほうが広まっていますが、下町の老舗は牛モツが定番。テッチャン、テッポウ、ヒモ、そしてフワを、崩れないぎりぎりまで煮込んだもの。脂は味噌にとけだして、フワ以外はどこの部位かわからないほど。

濃厚な旨味はごはんが進むという人が多いかもしれませんが、私は絶対に冬の燗酒、夏のビールが最高のパートナーだと思います。

大鍋から立ち上る湯気の香りを浴びながら、ビールと日本酒をささっと飲み干して、ごちそうさま。

長居するお店ではないので、ちゃちゃっと飲んで次のお店へ。築地の朝酒はきっと一日をちょっぴり豊かな気持ちで過ごさせてくれます。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名牛丼 ホルモン きつねや
住所東京都中央区築地4-9-12
営業時間営業時間
6:30~13:30頃(ご飯が無くなり次第終了)
定休日
水曜日、日曜日
創業1947年