都電が走る穏やかな住宅街に、開店前から行列ができる一軒の町中華があります。店の名は『中華飯店 一番』。昭和49年の創業以来、この地で愛され続けてきた名店です。熟練のご主人が作り出す、町中華の枠を超えた料理の数々。今回はその中でも海老炒飯の魅力をご紹介します。
住宅街に溶け込む、知る人ぞ知る名店

都電荒川線の東尾久三丁目電停から歩いて3分ほど。尾久本町通り沿いに、長年地元で親しまれてきたであろう、懐かしい佇まいの店が見えてきます。
しかし、その穏やかな雰囲気とは裏腹に、昼時ともなれば店の前には人だかりが。予約不可ということもあり、開店直後を狙って訪れる常連さんが多いです。私も、どうしても『中華飯店 一番』の海老炒飯が食べたくて、口開けの時間を狙って伺いました。5分前で3組目。。4人掛けテーブル3卓と2人掛けが2卓ほどのこぢんまりとした店内は、あっという間に活気で満たされていきます。

厨房で腕を振るうのは、熟練のご主人。膨大なメニューを次々と仕上げていきます。品数が多く、注文が集中する開店のタイミングでもそれほど待たせない。町中華の魅力のひとつですね!
ふっくらシュウマイとラガービールは最高の相棒

まずは、当然ビールから。キリンラガーの中瓶をもらい、手酌でグラスを満たします。では、乾杯!
ビールのおつまみに、名物のシュウマイをお願いしました。

湯気の立つ蒸籠で運ばれてきたシュウマイは、想像以上に大ぶり。箸を入れると、驚くほど柔らかく、ふんわりとしています。

餡は豚肉と玉ねぎがたっぷりで、噛みしめると肉の旨みと玉ねぎの自然な甘みが口いっぱいに広がります。この誠実な味わいは、ビールとの相性も抜群です。
いよいよ、この店を代表する一皿と向き合います。

運ばれてきた瞬間、思わず「わぁ」と声が漏れてしまいました。完璧なドーム状に盛られた炒飯の上には、ぷりっとした大ぶりの海老が6尾も!彩りのグリーンピースが、王道の炒飯のスタイルで嬉しいです。

米は一粒一粒が油でしっかりとコーティングされ、パラパラとほぐれるのに、口当たりは決してパサつかず、むしろ絶妙なしっとり感を保っています。味付けは驚くほど上品で、主役である海老の風味と甘みを邪魔しません。長年の経験に裏打ちされた、まさに職人技の一皿です。

もうひとつの名物、海鮮春巻きも外せません。パリッと小気味よく揚がった皮の中に詰まっているのは、一般的な春巻きの餡とは全くの別物。大ぶりの帆立や海老、柔らかなイカといった魚介が、そのものの形でゴロゴロと詰まっています。山椒が隠し味。おつまみの一品増やしたいときはぜひ!
ごちそうさま

半世紀にわたり磨き上げられたご主人の技術と、料理に対する実直な姿勢が感じられる料理ばかり。それは人気が続くわけです。
わざわざ都電に乗ってでも、また食べに行きたくなる名店。今度はどんな料理をお願いしてみようかな。
店舗詳細
品書き



店名 | 中華飯店 一番 |
住所 | 東京都荒川区東尾久2丁目17−14 |
営業時間 | 11時00分~15時00分 17時30分~22時00分 月曜日定休 |
創業 | 1974年 |