刺身の王様『マグロ』。東京の酒場でマグロ刺しを置いていないお店は滅多にありません。それだけ、身近で人気の食材です。スーパーや鮮魚店や寿司や酒場など、食べる機会が非常に多い分、美味しいマグロを見つけたときの感動は大きいものです。
ここでは、Syupoの取材の中でみつけた、東京都内でとびきり美味しいマグロを出す酒場をご紹介します。
目次
- 1.門前仲町「富水」 鮮魚店併設の食事処。魚好き必見の名店です。
- 2.八丁堀「いち」 一人飲みにも優しい料理とカウンター。絶品マグロに舌鼓をうつ。
- 3.とうきょうスカイツリー「上総屋」 1934年創業、地域に愛される下町割烹
- 4.人形町「京家」 割烹のカウンターが好きになる。街の歴史もおつまみです
- 5.東雲「菊水」 創業66年、埋立地の変化を見続けてきた大衆酒場
- 6.浜松町「座魚場 まるこ(2階)」 かつてこれほどまで、マグロに特化した酒場はあったでしょうか
- 7.菊川「みたかや酒場」 住宅街の飲み処はみんなの社交場。下町のあったか人情に浸る。
- 8.野方「大衆酒場フジヤ」 沼袋から移転。マグロ問屋との出会いが名物を生み出す
- 9.本郷三丁目「加賀屋 本郷店」 加賀屋の本元を訪ねる。抜群によい大箱酒場。
- 10.馬喰横山「小伝馬」 40年の歴史に裏付けられた粋で質のいい肴
1.門前仲町「富水」 鮮魚店併設の食事処。魚好き必見の名店です。
70年余つづく鮮魚店「富岡水産」の売り場奥に併設された居酒屋・食事処の「富水」です。食事処を併設したのは約50年前だそう。ここのお刺身は一度食べると忘れられない美味しさです。
スジのほとんどない、上等なまぐろ赤身。ゆっくり舌の上で溶け広がるねっとりとしたコクと酸味が大変に心地よいです。
2.八丁堀「いち」 一人飲みにも優しい料理とカウンター。絶品マグロに舌鼓をうつ。
八丁堀のオフィス街に暖簾を掲げる飲み屋の「いち」。現在の店主のお父さんが脱サラをして開業。
本命・本マグロ(半分・500円)。すじのない真っ赤な赤身も、とろっとろのトロも、たまらなく美味。高級な料理屋に出せるようなものを、気取らずにブツ盛りで。
忙しくともフレンドリーに話しかけてくれるご主人やお店を支える皆さんの明るさも魅力。笑顔で溢れるカウンターで、仕事終わりの晩酌をぜひ!
3.とうきょうスカイツリー「上総屋」 1934年創業、地域に愛される下町割烹
向島見番通りの入り口にある1934年(昭和9年)創業の「上総屋」は界隈きっての老舗の酒場です。
ほぼ全員が頼む一品目、名物のまぐろブツ刺は、なんとこれで500円。スジのすくない赤身、脂ののった中トロなどがごろごろと盛られています。長年続く酒場は市場の卸との関係も長いわけで、マグロはそんな仕入れ力を感じさせてくれる逸品です。
4.人形町「京家」 割烹のカウンターが好きになる。街の歴史もおつまみです
人形町で半世紀近く続く老舗「大衆割烹 京家」です。人形町周辺は料理屋や割烹が多く、歴史ある飲食店の密集地域。芳町花街として栄えた歴史を今に伝えています。
京家に来たら、サービス品のまぐろ中落ちはイチオシ。550円と手頃な値段ながら、立派な本マグロのきれいな中落ちがたっぷり盛られてきます。
5.東雲「菊水」 創業66年、埋立地の変化を見続けてきた大衆酒場
変貌を遂げた東雲で、66年間変わらず続いてきた大衆酒場があります。晴海通りから1本入った路地にある「菊水」です。
ぜひ食べて頂きたいのは、やはりまぐろ刺し(630円)。なんとも気前のいい盛りが嬉しいです。赤身かトロか値段は同じで選べるというのも魅力的。豊洲に近い立地でもあり、水産関係者も常連さんです。
6.浜松町「座魚場 まるこ(2階)」 かつてこれほどまで、マグロに特化した酒場はあったでしょうか
渋谷・道玄坂「まるこ」や、高円寺「じぃま」を展開するグループの新店となる「座魚場 まるこ」。ここのテーマはなんといっても、本マグロの一尾まるごと提供でしょう。
目の前で本マグロを解体し、その骨に残った身を丁寧に削り取った中落ちがまた絶品なのです。ねっとりとして濃厚、トロほどではないにもののコク深くビールが進みます。
7.菊川「みたかや酒場」 住宅街の飲み処はみんなの社交場。下町のあったか人情に浸る。
菊川駅と森下駅の中間、住宅街の中で暖簾を掲げて40余年の飲み処「みたかや酒場」。
名物はまぐろ刺しで600円。築地からだけど仕入れが特別なんだよ、と取材に対して笑顔で「企業秘密」。みるからに上物。すじが多少入っているものの大衆酒場にはこれくらいで十分。ノウテンを含む立派な生本まぐろです。
8.野方「大衆酒場フジヤ」 沼袋から移転。マグロ問屋との出会いが名物を生み出す
沼袋駅北口で2017年から営業していた「ヤキトリフジヤ」が、野方に移転オープン。名物は本マグロ刺し(780円)
常連さんにマグロ卸の方がいらっしゃったことがきっかけで、名物料理になったとのこと。お店はマグロでは利益を考えず、ぎりぎりの値段設定にすることが卸の条件なのだそう。行きつけの店を繁盛させたいという心意気がつまった一品です。
9.本郷三丁目「加賀屋 本郷店」 加賀屋の本元を訪ねる。抜群によい大箱酒場。
加賀屋の本店である、本郷三丁目の「加賀屋本郷本店」。東京を中心に暖簾分けで50店舗を展開するもつ焼き店の代表的なお店。その本店が本郷にあります。
もつ焼き店でありながら、加賀屋本郷本店のまぐろはかなりの上物。スジがなくねっとりとした食感と、程よい酸味が心地よい逸品です。
10.馬喰横山「小伝馬」 40年の歴史に裏付けられた粋で質のいい肴
小伝馬町の駅前で40余年営業を続けていた季節料理・海鮮を得意とする老舗酒場。名物はまぐろで、とくに希少部位の脳天は絶品。やはり仕入れ力って大事ですね!赤身、トロ、脳天の三種食べ比べで700円。ここで食べると新たな発見があること間違いなし。
日本酒「道灌」と相性抜群です。
(文/塩見 なゆ)