浜松町「座魚場 まるこ(2階)」 かつてこれほどまで、マグロに特化した酒場はあったでしょうか

浜松町「座魚場 まるこ(2階)」 かつてこれほどまで、マグロに特化した酒場はあったでしょうか

2019年7月11日

浜松町にオープンした「座魚場 まるこ」。前回はウェイティングバーのように立ち飲みで使える一階をご紹介しましたが、今回はいよいよ二階へあがります。

渋谷・道玄坂「まるこ」や、高円寺「じぃま」を展開するグループの新店となる「座魚場 まるこ」。ここのテーマはなんといっても、本マグロの一尾まるごと提供でしょう。

 

オープンキッチンに向いたコの字カウンターと、マグロ解体をおこなう”溜席”という配置で、いずれもカウンターのみのつくりです。

一人、二人でちょうどよい、大人数向けの飲み屋さんと異なるコンセプトであることを店の作りで表しています。ぷらっと飲みに行く人には、こういうお店の存在がとてもありがたいです。

 

マグロの解体は毎日ではないものの、こうして営業時間中におこなわれます。そんな様子を眺めつつ、まずはデュワーズハイボール(300円)で乾杯!

 

ビールは樽生がサッポロ黒ラベル(500円)、瓶ビールでサッポロラガー(650円)とハイネケン(550円)、ホッピー白黒(250円)、甲類は宝焼酎でトマトジュースやバイスなどの各種割材(200円)などで割ってお好きにどうぞ。

 

さぁ、いよいよマグロの解体が始まります。店先に置かれていた巨大なトロ箱はマグロが入っていたのですね。

 

それにしても、まるまる太ったマグロです。

 

日本刀のような専用の包丁を使わず、それでも手際よくおろしはじめています。大きくても鯵と同じですよ、と爽やかに話されていますが、いやいや、すごい技です。

 

解体で残った骨の隙間から、たっぷりの中落ちがとれます。「卸す腕が上達すると中落ちは減っちゃういますよー」と冗談を言いつつ、この日も容器いっぱいに中落ちが集まりました。その場にいたほとんどのお客さんがこの中落ちをオーダー。

焼鳥台や鉄板、花板さんがたつ板場を置くような居酒屋中央の見せ場にマグロが来るというのは、大箱居酒屋以外ではかなり珍しいです。このライブ感は同席されていたサッポロビールさんも私も「超楽しい」のひとこと。もっと、言葉で表現しなさいと叱られそう(笑)

 

そして、いざ食べてみると、二度目のびっくり。この中落ちがまた絶品なのです。ねっとりとして濃厚、トロほどではないにもののコク深いです。

その余韻に誘われ、一階の立ち飲みでしっかり飲んだビールに再び戻ります。

マグロと赤星、味のマッチはもちろん、色合いも似ていませんか。

 

本マグロ盛(1,200円)は絶妙な厚みで食べごたえと味わいのバランスがよいです。もられる部位は様々で味の違いも楽しめます。

 

ほかにもお手頃なおつまみいろいろ。この手元メニューのほかにも短冊にいろいろあるのでよく見回さないといけません。メニューはすべて売り切れ御免ということですから、その変動品の数にも驚きます。

 

こちらは炭火で炙る本気のチータラ(500円)。チーズを挟んだタラの乾物を炙っていただきます。これがダラダラ飲むのに最高のおつまみなんです。

 

まぐろの角煮やかま焼き(写真の料理・900円)など、マグロメニューが充実。これも先程のように店先で解体したマグロからとった部位で、そんなシチュエーションを知れば一層美味しく感じるもの。もともと本マグロのカマは脂がのって美味ですが、このしっとりとした味は格別お酒を進ませてくれるものです。

 

割材は氷水にドブ漬けされています。

 

看板料理もまぐろの確かにスペシャル。さらにそれを補完する料理の数々も期待したいものばかり。店員さんの「美味しいもの、つくりますよ!」という想いが伝わってきます。そんなパワフルなお店に、皆さまは最近出会えましたか。

ここは、若いパワーで美味しくもてなしてくれる素敵な酒場。お近くでしたら、一度くらい立ち寄って好きになるかどうかのご判断いただいてもよいかと思います。

ごちそうさま。

(参考)浜松町「座魚場 まるこ(1階)」 新しくて懐かしい、素敵なカウンターでちょいビール。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)

 

まるこ
03-6432-4474
東京都港区浜松町2-12-11
16:00~23:00(日定休)
予算3,500円