川崎は、24時間稼働する工場が多い京浜工業地帯の一角に位置し、昔から夜勤明けの人が飲みに来ることが多い街として知られています。そのため、チェーン店も早朝から営業しており、朝飲み・昼飲みを楽しむにはぴったりの街と言えます。本記事では、そんな川崎で老舗立ち飲み、角打ちから町中華、ビヤホールまで、酒場案内人が厳選した安心して利用できる飲食店を8軒+追加候補をご紹介します。
目次
1,『元祖立ち飲み屋』
『元祖立ち飲み屋』は、川崎を代表する老舗立ち飲みであり、低価格な酒場チェーンが増えた昨今でも、一周まわってお得感が素晴らしいと評判。創業は1970年で、当時は、国鉄川崎駅と京浜川崎駅の間にある細長い飲み屋街にあった「立ち飲み屋」という店が、現在の『元祖立ち飲み屋』の原点です。
2000年代に入り、再開発が行われ、現在は十五番館ビルの1階で営業しています。店内は比較的広いのですが、人気店のため入れないことも多々。開店時には店先に待機列ができるほど。カウンターに揃った黒帯のお客さんたちのほとんどが、一杯目からホッピーを注文するホッピーの圧倒的人気店としても知られています。
店の雰囲気、料理、価格がすべてよく、長年通うお父さんたちの気持ちがよくわかるという特徴があります。隣の立ち呑み酒場「フルミチ」も系列店です。
住所 | 神奈川県川崎市川崎区駅前本町15-5 十五番館1F |
営業時間 | 営業時間 [月~土] 15:00~20:30(L.O.20:00) 定休日 日曜日 |
開業時期 | 1970年 |
2,『丸大ホール本店』
川崎にある『丸大ホール本店』は、創業80余年の老舗酒場で朝から営業する食堂兼酒場。
献立は100品以上でボリューム満点、味もイイため、川崎で働く夜勤明けの人々が朝から大勢の飲みに集まります。定休日は土曜日で、日曜日は営業するという、一般的な店とは逆になっており、昼過ぎから相席が当たり前の満員状態となるほど賑やかになります。
同店の接客は明るくキビキビしていて清々しく、老舗ならではのムードがあります。食堂飲みのメニューの多さ、お昼酒の開放感、そして温かい雰囲気も楽しめる、川崎昼飲みの大定番の店です。
住所 | 神奈川県川崎市川崎区駅前本町14-5 |
営業時間 | 10:00~22:00(土定休) |
開業時期 | 1936年 |
3,『天龍 仲見世店』
川崎にある大衆中華『天龍』の仲見世店は、4・5人の宴会も可能で、予算2,000円台で楽しめる使い勝手の良いお店です。近くに系列店もある『天龍』ですが、その中でもとくに居心地が良く、居酒屋的な用途ならここを選ぶべきだと思います。テーブル席が多いのもポイント。
看板メニューの餃子は、一日5,000個を売り切るほどの圧倒的な人気で、軽くて箸が進む美味しさです。また、お得感のあるあるほろ酔いセット(1,265円※2022年の価格)は、お酒、餃子、そして主菜(結構大皿)を一皿選べてとってもオトク。
川崎の中心街には飲食店が多くありますが、日中から通しで営業している安心・お手頃の大衆中華は数を減らしています。『天龍』仲見世店はそんな中で貴重な一軒です。
住所 | 神奈川県川崎市川崎区砂子2丁目6-11 |
営業時間 | 11:00~22:00(月定休) |
開業年 | 1949年頃(天龍全体の創業) |
4,『久保田酒店』
川崎駅からは徒歩12分ほど。京急なら1駅。八丁畷駅前にある「久保田酒店」が、大幅なリニューアルを行い、角打ちコーナーを設置しました。
ビールサーバーは、復刻版の昭和のサーバー・スイングカランで注ぎ分けられており、店長の師匠である大船「ビールスタンドミナト」のマスター直伝の極上の注ぎ方が楽しめます。
ビールの銘柄はサッポロ生ビール黒ラベルのみ。平日は10L樽、週末は20L樽と変わるものの液種は同じ黒ラベルです。9種類ある注ぎ分けから、地名を冠した「畷注ぎ」を試しましたが、なるほど、確かにいつもの黒ラベルとは違った美味しさ!広く、空間を贅沢に使った角打ちコーナーで、注ぎ方にこだわる生ビールや日本酒、ワインなどを楽しむことができます。
住所 | 神奈川県川崎市川崎区池田1-13-9 |
営業時間 | 11:00~19:45ラストオーダー(火定休) |
開業年 | 1940年頃(角打ちは2021年4月24日) |
5,『島田屋』
精肉店に併設された「島田屋」は、半世紀以上愛され続けるもつ焼き店。戸建てが立ち並ぶ路地にポツンとあります。店の魅力は、2023年3月現在も1本60円の串や15時から営業という安さと営業時間。そしてなにより、ジューシーで軽快、新鮮さがよくわかるもつ焼きの美味しさです!
レバ、シロ、かしら、タン、ハツ、なんこつ、こぶくろの7種類の部位から3本より注文可能です。20品ほどの献立しか用意されていないものの、どれも美味しく常連さんが多いのも納得です。懐かしさを感じる空気に包まれた、心地よい雰囲気のお店。駅からバスでアクセスが便利なので、バス旅がてら足を運んでみてはいかがでしょうか。
住所 | 神奈川県川崎市川崎区境町11-3 |
営業時間 | 営業時間 [火~土] 15:00~20:00 定休日 月曜・日曜 |
6,『立ち飲み 天下』
人気の立ち飲み店「立ち飲み天下」です。常連さんが多く、いつもにぎわっています。L字型のカウンターには、作り置きの料理がずらりと並んでおり、そこから選ぶのも楽しいです!冬には湯豆腐を選ぶお客さんが多いようです。
お酒はホッピーが人気で、氷なし、焼酎濃いめのしっかりとしたもの。
数量限定ですが、まぐろの刺身もあります。切りおきですが上物がでてくることが多い印象です。
名物は鳥もつ煮で、必ずキンカンが入っています。注文を受けてから小鍋で調理してくれるので、熱々で提供されます。甘辛くて濃厚で、黒ホッピーが進む美味しさが特徴です。
キャッシュオンで手軽に楽しめ、さっと次の店へ移動することができます。お客さんが途切れない店なので混んできたら長居せずに場所を空けたいですね。
川崎の
住所 | 神奈川県川崎市川崎区宮本町2-4 ドルチェ宮本 |
営業時間 | 営業時間 14:00~22:00平日・土曜日 14:00~20:00日曜日・祝日 日曜営業 定休日 年中無休 |
7,『福来屋酒店』
川崎駅と八丁畷の中間にあり、チネチッタから徒歩で行ける角打ち営業をするお酒屋さんです。入り口は小売コーナーと別で、店横には細長い立ち飲みフロアが用意されています。
ご夫婦で切り盛りされており、手造りの料理がたくさん並んでいます。
お酒はビールや酎ハイはもちろん、酒屋さんならではのこだわりを感じる地酒も豊富。しかもどれもとっても良心価格なのです。
軽くつまみをもらって、ビールや日本酒をきゅっと飲む。500円くらいで楽しめる大人の止まり木です。
古い角打ちは入りにくいイメージがあるかもしれませんが、こちらは一見さん歓迎のお店なのでご安心を。
住所 | 神奈川県川崎市川崎区日進町18-2 RAMSESMER 1F |
営業時間 | 8:00~18:30(木定休) |
8,『銀座ライオン 川崎駅前店』
サッポログループのビヤホールとして有名な銀座ライオンも、2018年8月から川崎駅前に店を構えています。
比較的新しい同店は、一般的にはグループ利用が主流だった従来ビヤホールとは異なり、一人から家族連れ、若い世代のちょい飲みまで対応した業態を打ち出し、「パーソナライズ」化したビヤレストランという新しい形態になっています。
駅前のいい場所にあって、2階建ての建物すべてが銀座ライオンという贅沢なつくりです。
また、タップが見えるオープンタイプの空間にドラフトタワーが並ぶことも銀座ライオンの伝統となっています。一人からグループ利用まで、食事からビヤホールの楽しみ方まで用途色々で、ハード、ソフトともに好印象を受けました。
銀座ライオンはお昼からビールが飲みたくなった際には間違いのないチョイス。喫茶店感覚で買い物帰りに使う人も結構いらっしゃるそうです。
住所 | 神奈川県川崎市川崎区駅前本町4-24 |
営業時間 | 営業時間 平日・土 11:30~22:00 日・祝 11:30~21:00 日曜営業 無休 |
開業時期 | 2018年 |
気になるお店はありましたか?
数年前までは食堂などもっと選択肢がありましたが、だいぶ減ってしまったのは残念です。それでも、JR川崎駅の改札階(アトレ川崎内)に角打ちが誕生したり、仲見世通り沿いの一軒め酒場が大幅リニューアルしたりと嬉しいニュースもありました。
今回の8選以外にも、以下のようにお店がお昼から営業しています。
- キリンシティ 川崎アゼリア店 11:00~
- ヱビスバー 川崎アゼリア店 11:00~
- 神田屋 京急川崎店 平日14:00~、土日祝12:00~
- 養老乃瀧 京急川崎駅前店 8:00~
- 一軒め酒場 川崎仲見世通り店 24時間営業
- 晩杯屋 川崎店 平日15:00~、土日祝13:00~
- 四文屋 川崎ルフロン店 11:00~
- おさやん! 京急川崎本店 11:00~
- 中華料理 成喜 11:30〜
- 川崎市民食堂魚金-西 11:30~
- ふるまいや(アトレ川崎内の角打ち) 10:00~
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)