日本を代表する商業エリアである有楽町・銀座。都内に限らず、日本全国、そして海外からの観光客も集まる観光地です。ハイクラスなアパレルや飲食店、ショールームが集まる「高級な街」のイメージが強いで銀座界隈ですが、歴史ある街だけあって老舗の飲食店も豊富。意外とオフィスも多いので働く人々が日常的に使う店が多いのも特長です。
今回はそんな銀座で1970年代以前から続く、誰もが認める日常使いの老舗の中華をご紹介します。もちろん、お酒が飲めるお店ばかりです。
1,『銀座亭』
銀座で人気の中華といえば銀座亭。平日の昼食時は店先に行列ができます。利用者の多くは近隣のオフィスやサービス業に携わる人々。昭和50年の開業以来、長年銀座を支える人の胃袋を支えてきました。
恵比寿へ移転するまでは銀座亭のすぐ側にサッポロビールの本社があったことから、サッポロ関係者の中にも銀座亭ファンは多いと聞きます。
人気の麻婆春雨丼やチャーハン、餃子が有名ですが、筆者のおすすめはソース焼きそば。濃い味で黒ラベルが進みます。
ビールはサッポロ黒ラベルとサントリーザ・プレミアム・モルツ。
住所 | 東京都中央区銀座7-11-10 |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 11:30~15:00 17:00~翌1:30(L.O.) 定休日 土曜・日曜 |
開業時期 | 1975年 |
2,『菊凰』
昭和通り沿いで半世紀以上続くアットホームな店『菊凰』。店頭のショールームには料理サンプルが並ぶレトロな店構え。親切なお店の皆さんが迎えてくれます。近隣には出前もおこなっているなど、銀座では最も町中華らしい雰囲気です。
海老がたっぷりのったチャーハンや、海老、焼豚、イカ、かまぼこ、だし巻き卵、豚肉、キャベツ、きくらげ、卵が載った大変具だくさんな五目焼きそばがオススメ。どれもビールや紹興酒を進ませる味です。
ビールはアサヒスーパードライとキリン一番搾り。
住所 | 東京都中央区銀座1-19-12 |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 11:00~15:00 17:00~21:00 [土] 11:00~14:00 定休日 日曜、祝日 |
開業年 | 1968年 |
3,『萬福』
1929年から続く、銀座エリアでは現存する最古の中華料理店。当時は萬福のある地域は銀座ではなく木挽町と言われていた時代です。
名物は「これぞ東京の中華そば」と評される醤油味の中華そばですが、いわゆるケチャップライスである「ポークライス」やチャーハンなども特徴があってオススメ。広くゆとりがあるつくりで、なおかつ22時まで営業しているため、夜営業では居酒屋利用するお客さんが多いです。
ビールはヱビスビールとサッポロラガー。
住所 | 東京都中央区銀座2-13-13 |
営業時間 | 営業時間 [月〜土] 11:00〜15:00 17:00〜22:00 定休日 日曜日 |
開業時期 | 大正時代(昭和4年から店舗になる) |
4,『東興楼』
銀座の電通通り(西銀座通り)沿いで70年以上続く中国料理店。看板に北京料理とあるように、ここは「町中華」カテゴリーとはやや外れますが、昭和で時間がとまったような店舗は、町中華好きならきっと嬉しい雰囲気。値段もリーズナブルで、ランチは1,000円以下ですし、夜、お酒を飲んでも3,000円程度で利用できます。
銀座のこの立地で路面店として営業していることは今の時代、奇跡ではないでしょうか。
名物は餃子。銀座にはほかにも巨大餃子の有名店がありますが、そちらと並べても引けを取らないボリューム。大きさだけではありません。皮から手作りする餃子は餡がパンパンに詰まっていて、噛むと肉汁が大量に染み出てきます。ビールが進むこと間違いなし、ここもまた長年親しまれてきた銀座の味です。
ビールはサッポロ黒ラベル。
住所 | 東京都中央区銀座7-4-13 |
営業時間 | 営業時間 11:30~15:00 17:00~22:00 定休日 日曜日・祝日(土曜日不定休) |
開業時期 | 1947年頃 |
5,『ヤンヤン』
銀座の中心、銀座5丁目交差点近くの三越の脇で45年続く老舗の中国料理店。近隣のサービス業や酒類関係者にファンが多いと聞きます。ここは日本式中華ではなく、本場大陸の手打ち麺などを出す「中国料理店」ですが、昨今ブームの日本人向けアレンジをしていない”マジ中華”とは違い、食べ慣れている味付けです。
手打ち麺が看板料理ですが、大皿料理やお酒のおつまみになる手頃な冷菜も豊富なことから、夜は飲み屋として人気があります。同店から数十メートルの距離に白鶴酒造東京支社ビルがあるので、日本酒はもちろん白鶴です。
ビールはサッポロ黒ラベル。
住所 | 東京都中央区銀座4-10-12 |
営業時間 | 営業時間 11:00〜15:00 17:00〜23:00(L.O22:30) 31日から2日まで休業させて頂きます。 3日から営業致します。 日曜営業 定休日 無休 |
開業時期 | 1979年頃 |
6,『中園亭』
利用したことがなくても、有楽町駅を利用する人ならだれもが知っている店『中園亭』。JR有楽町駅銀座口の真正面にある一等地のレトロ中華です。
1950年頃に創業し、記念すべき創業70周年となるころ、飲食店の営業制限がかかり、『中園亭』は長期間の休業を余儀なくされました。店先には工事用の囲いもでき、一時は閉業説もでましたが、無事に営業を再開しました。
二階席からは大きな窓から有楽町を行き交う人々を眺めて飲めるのですが、これが実に情緒があって素晴らしいです。まるで映画のワンシーンに入り込んだような気分。
人気のあんかけ焼きそばや、ツルツル食感の餃子を肴にキリンラガービールが進みます。
ビールはアサヒスーパードライとキリン一番搾りとキリンラガー。
住所 | 東京都千代田区有楽町2-8-4 |
営業時間 | 営業時間 日曜日 11:00〜16:00 火曜日〜金曜日 17:30〜21:30 土曜日 11:00〜16:00 17:30〜21:30 日曜営業 定休日 月曜日 |
開業時期 | 1950年頃 |
7,『宝龍』
同じく有楽町駅一帯のレトロ飲食店群の中にある『宝龍』も半世紀以上続く老舗の中華です。新幹線が走る高架下にあり、毎日会社員で賑わっています。最近は若い人の姿も増え、時代の変化を感じる店でもあります。
カウンターの向う側にある調理場には料理人さんが横一列に並び、勢いよく中華鍋を振っている大変活気のある雰囲気。夜は終電頃まで営業しており梯子酒を楽しむ人々が「〆の中華飲み」にと集まってきます。
ビールはアサヒスーパードライ。
住所 | 東京都千代田区有楽町2-9-16 |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 11:00~23:50 [土・日・祝] 11:00~21:30 日曜営業 定休日 無休 |
開業時期 | 1960年代 |
ほかにもこんな老舗中華があります
今回は銀座・有楽町で長年営業する大衆的な町中華・中国料理の”路面店”を全店舗ご紹介しました。気になるお店はありましたか。
このほかに、商業施設内などいくつか老舗がありますのでご紹介します。
- 遊楽(東京交通会館内)
- 北京(銀座インズ内、1975年創業)
- 東生園(1968年創業)
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)