毎月29日は「肉の日」。11月29日はさらに「いい肉の日」です。記念日にあわせて、ここでは肉屋や肉卸が直営する飲食店や店頭の立ち飲みコーナーをご紹介します。
酒屋の店頭でお酒を飲むことを「角打ち」と呼びますが、同じように販売店の店頭で楽しむスタイルは、鮮魚店、八百屋さんなどでも見られます。今回はお肉屋さん特集。店頭でお酒を飲める店は、探すと結構あります。
目次
東京都
1,石川台「鯰屋(鳥岡商店)」
大田区で複数の鶏肉屋を営んでいた鳥岡商店。現在は石川台に一店舗。ご主人はプロの和楽器奏者という一面も持っています。
石川台希望が丘商店街にあり、店頭では焼鳥や唐揚げを惣菜として販売するほか、店の横にある隙間を入れば、ビールやホッピーを並べたイートインコーナーがあり、焼き立て、揚げたての鶏料理を楽しむことができます。
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2,成増「肉の宝屋」(閉業)
精肉店に併設さていた食堂が、リニューアルで拡大されて外観は食堂のようになっています。東武成増駅から5分以上歩く住宅街にあるものの、17時の開店とともにどっとお客さんが集まり、早い時間から満席になるほど賑わいます。
肉のプロならではの、鶏、豚、牛をつかった肉料理が40種類以上あります。ワンコインでたっぷり盛られてくるローストビーフや、合鴨のステーキ(上の写真)、鶏のたたきなどが名物です。
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3,武蔵小山「鳥勇本店」
縁日の屋台で焼鳥を買うような楽しみがある、ここは品川区の商店街、武蔵小山商店街PALMの焼鳥専門店「鳥勇本店」。ほとんどのお客さんは自宅用の焼鳥を買っていくテイクアウトの店ですが、店頭のカウンターで飲むことも可能。缶ビールも売っています。
並んでいる串から好きなものを選び、食べた串の数で精算するというもの。昭和のはじめに精肉店としてはじまったお店がベースになっています。その名残に、肉の様々な部位の端物を集めた「ミックス」という串があり、様々な部位を1本で楽しめると常連さんの間で評判です。
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4,大井町「肉のまえかわ」
大井町の横丁で昔から飲兵衛が集まる、肉屋の立ち飲み。外観は街のお肉屋さんなのに、夕方を過ぎるとなにやら人が集まっています。みなさんの手元には発泡酒や缶チューハイ。
コロッケやメンチ、串カツに鳥刺しと肉屋のおつまみのオンパレード。雑多でカオスな雰囲気ですが、立ち飲み好きは一度入るとその雰囲気の虜になるかも。
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5,上野「肉の大山」
上野の「肉の大山」は昭和7年創業の老舗食肉業務用卸。卸売部門は江戸川区平井に移るも、創業の地では卸直営のテイクアウトコーナーとレストランを経営しています。
店頭で売られる揚げたてのコロッケやメンチは、上野の立ち飲みが並ぶこの界隈を飲み歩く人々にとってお馴染みの名物料理。周辺の店の顔ぶれは変わっても、肉の大山の肉料理は変わりません。
肉屋の店頭のちょっとしたスペースで飲むのですが、ちんと生ビールやバイスサワーも用意されており、ちょっとした立ち飲み店感覚で利用しています。
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6,茅場町「宮川」
築地の「宮川食鳥鶏卵」の系譜にあって、1949年に茅場町に店を開いた鶏肉卸「宮川商店」。その直営店が、茅場町の「宮川」です。肉屋という雰囲気はありませんが、50年続く名門焼鳥の同店は、いぶし銀の酒場を愛する人々で連日満席になる賑わいです。
看板料理は焼鳥ですが、鶏専門だけあって、煮込みなどのサイドメニューも鶏料理が勢揃い。焼鳥も美味しいですが、「一番好きなのはきくらげ入りの鶏肉をつかった手作りしゅうまい」という声も聞きます。
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7,京成立石「大東商店 鳥房」(休業中)
立石駅通り商店会の鶏肉店「大東商店 鳥房」は、いまは少なくなった街に密着した鶏肉専門店です。店の歴史は80年以上。
商店街に面した店頭で肉類を販売するほか、脇道の奥にある入り口側には、ちょっとした居酒屋コーナーが設けられています。
名物は鶏の若鶏唐揚。まるごとでてくる名物メニューです。値段は時価と書かれていて、店員さんがその日の値段を教えてくれます。酒場ファンにはおなじみ、立石の名物酒場です。うまく開くことができれば、あなたもきっと立石ツウ。
なお、他店で飲んできたお客さんは利用できません。
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神奈川県
8,大倉山「大倉山もつ肉店」
トタンをつかったレトロな建物が、東急沿線らしい整然としたベッドタウンに突然出現します。1965年創業、大倉山もつ肉店。もつ肉店という店名の通り、肉の中でももつ肉の惣菜を専門に扱うお店。
店頭で串打ちしたもつ肉や、芝浦から仕入れた新鮮なもつ肉を炒めた甘辛い惣菜を販売。店頭のでっぱり部分をカウンター的につかって飲酒も可能です。また、店の奥は数人分ながら椅子席も用意されています。
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9,尻手「尾原商店」
今回の特集の中でもひときわ「肉屋らしい」場所が、「尾原商店」。精肉を売るショーケースの前で缶ビール片手に乾杯!
焼鳥スペースから立ち上る煙に包まれながら、焼鳥を数本。早い時間に立ち飲み感覚で飲みに来る人が多く、串はつぎつぎと売り切れになっていきます。地元の皆さんのオアシスですが、ふらっと立ち寄りるはじめての人も、お店の方が優しく迎えてくれます。
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10,川崎「島田屋」
牛豚内蔵卸に併設されたもつ焼の「島田屋」。住宅街の中にぽつんとある島田商店の看板と、ちょっとした居酒屋風の入り口。小窓のスペースでは、テイクアウトのもつ焼きを販売しています。
駅からやや離れていますが、ここは串がなんと60円と今どき驚きの低価格。鮮度がよく、コブクロさしやミミさしも絶品です。早い時間から賑わう店内、ちょっぴり緊張する敷居の高い雰囲気ですが、「郷に入りては郷に従え」の精神でそっとお邪魔させてもらう気持ちで入れば楽しめるはず。
おすすめは、弾力と肉汁が段違いなタン焼きです。
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11,京急川崎「酒道場 陣屋 仲見世店(株式会社まつみ食品)」
同じく川崎から、もう1軒リーズナブルで鮮度の良いもつ焼きを食べさせてくれる、肉卸直営の店をご紹介します。「酒道場陣屋」は、京急川崎に近く、大人数でも利用しやすい大箱の酒場です。
串は大きく、そして1本80円ととっても安い。もつ焼き、焼鳥でお腹いっぱい食べて飲みたいときにぴったりの1軒。串焼き以外にも、牛もつ煮込みや、スタミナ大腸、牛ハラミタタキなど、肉屋らしい料理が充実しています。
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12,神奈川「サンオリーブ」
大正2年創業の精肉店「川窪牛豚肉店」の直営店。1階はとんかつ店、2階ではすき焼きやステーキを食べさせてくれます。旧東海道沿いの落ち着きのある商店街という、その立地も老舗の店らしさを感じます。
ロースカツ定食(1,000円)はまさに正統派。薄めの衣と、しっとりとした豚ロースのバランスが秀逸です。ビールは近くに醸造所があるキリンビール、お酒は珍しい秩父錦を置いています。ランチが15時までと長いので、お昼から飲む場所としてもおすすめしたい1軒。
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東北地方
13,郡山「和泉」
お肉屋さんの裏にある小さな「やき鳥・牛めし」の看板が目印。郡山西口の肉の和泉屋の直営店。
焼鳥を焼く大将を中心としたL字のカウンターとテーブル席というつくり。肉料理がほとんどで、加えて会津名物の馬肉が特色を加えています。お酒は福島のアサヒスーパードライと、榮川。土地の味を楽しむ、酒場ファンにも肉料理店好きにもおすすめしたい1軒です。
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14,米沢「ミートピア(肉の扇屋)」
全国的に知られる山形の名産、米沢牛を楽しむならば、精肉店直営食堂「ミートピア」がSyupoのおすすめ。1948年から続く牛肉卸と小売の店「扇屋牛肉店」が母体です。
一人牛鍋(2,980円)と、銘柄牛としては破格の安さ。ほかにも「肉納豆」など、肉料理のおつまみ、定食も多数用意されているので、ふらっと立ち寄り気軽にお昼酒や夜の居酒屋利用が楽しめます。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)