沖縄に行ったら、やっぱりオーシャンリゾート?それとも文化や歴史を学ぶ名所旧跡巡りでしょうか。私は空港から飲食店へ直行、お昼からオリオンビールや泡盛を飲みながら、穏やかな風土の中でのんびりとしたほろ酔い時間を楽しみたいです。
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今回は空港から直行で行けるような昼飲みスポットや、沖縄で最近流行りの「せんべろ店」、お酒も楽しめる老舗の大衆食堂をご紹介します。観光地へ行く前に、まずは一杯いかがでしょう!
目次
1,牧志『大衆酒場 足立屋』
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沖縄の「せんべろ」ブームの火付け役となった『足立屋』。創業者が東京・足立区で育ったことが店名の由来。現オーナーは二代目で、赤羽に暮らし東京の居酒屋で働いた経験を持つ方です。東京下町・城東エリア・赤羽に多い低価格立ち飲み居酒屋(いわゆるせんべろ店)のスタイルを那覇に持ち込み、約10年前に大成功しました。
沖縄本島だけでも6店舗以上を展開しており、なんと九州・鹿児島にも出店しています。そんな足立屋の成功1号店(創業の店ではない)が、牧志公設市場近くにある迷路のような路地「ちとせ商店街」にあります。
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人気の理由は、物価が上がったいまでも千円札一枚だけで楽しめる「千べろセット」の存在です。
全国に同様のセットはありますが、足立屋はなんとおつまみ1品にお酒が3杯もついてきます。オリオンドラフト生を3杯飲むもよし、泡盛の古酒久米仙ソーダを飲むもよし。しっかりしたサイズのジョッキででてきますから、千円札一枚だけでほろ酔いになれること間違いなし。
千べろセットで選べるお酒(一部)
- オリオンドラフト生
- ホッピーセット
- 電気ブラン
- コダマバイスセット
- ハイボールセット
- 足立サワー
- さんぴんハイ
- シークァーサーサワー
- 久米仙・菊之露・まさひろなどの泡盛
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おつまみは煮込み、酢ガツ、串揚げセットなどから選択可能。昼飲みならばおつまみ1品でも十分だと思います。
品書きには、電気ブランやホッピー、バイスなど、店の背景を反映した東京発のお酒も多く、瓶ビールは赤羽の立ち飲み酒場でもおなじみのサッポロラガー(赤星)を置いています。
住所 | 沖縄県那覇市松尾2-10-20 1F |
営業時間 | 営業時間 10:00~22:00 日曜営業 定休日 無休 |
創業 | 2014年10月 |
2,牧志『しもじ屋』
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足立屋の成功から、沖縄は那覇に限らず千円で3杯楽しめる「せんべろ店」が急増。離島・石垣島でもその賑わいを見ることが出来ます。(おそらく石垣島がせんべろ店最東端)
牧志市場界隈・平和通り周辺の路地にはいくつもの「せんべろ店」があり、店が増えたことで様々な個性が生まれています。座って落ち着いて過ごせる料理の品数豊富な店も登場。『しもじ屋』は「本当にこの先に店があるの?」と心配になる細い隙間を入った先にある、地元の人が集う店です。開店は14時。
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比較的観光客は少なめ。のんびりとした沖縄らしい時間が流れています。せんべろセットは値上げもあって、掲載時点で1,200円。お酒3杯と料理2品が選べますので、酒場が安い大阪よりもさらにリーズナブルな印象を受けます。
また、樽生がオリオンビール製品ではなく、沖縄では珍しいサッポロ(樽詰麦とホップ)を扱っているのも特長です。
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料理はメニューから好きなものを2品選べます。※単品は280円均一
ニンニクチップたっぷりの蒸し鶏ラー油が一番人気です。
住所 | 沖縄県那覇市牧志3-4-1 |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 15:00~23:00(L.O.22:30) [土・日] 15:00~23:30(L.O.23:00) 毎月最終月曜のみ21:00閉店 日曜営業 定休日 不定休 |
創業 | 2017年 |
3,牧志『エイクラ』
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船橋の人気大衆酒場「増やま」は、実は那覇にも進出しています。それが『エイクラ』(増やま系列9号店)。基本的に、「増やま」と内装や品揃えは共通で、レトロ調なコの字が広がっています。
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わざわざ茨城・取手にあるキリンの工場から運ばれてきたキリンハートランドを飲みながら、つまみに食べるのは島豆腐(別名沖縄豆腐)。地元で食材を調達している関係か、ところどころに沖縄らしさがあって、それを見つけるのが楽しいです。ポーク玉子やミミガーなど、沖縄料理もあります。
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沖縄では珍しい開放感のあるコの字カウンターで、のんびりとポテトサラダや肉豆腐をつまみに、キンミヤ焼酎のキイロ(下町酎ハイ的なエキス入り)を飲んで、首都圏発・沖縄で受け入れられた大衆酒場の雰囲気を楽しみませんか。2,000円で十分満足できます。
住所 | 沖縄県那覇市牧志3-5-20 |
営業時間 | 14:00~23:00(日祝は21:30まで・火定休) |
開業年 | 2022年3月1日 |
4,牧志『旬鮮居食屋 知花冷凍食品』
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足立屋やエイクラなどがある、牧志公設市場周辺の迷路のような路地に構える鮮魚系の大衆居酒屋です。まるで食品卸みたいな店名ですが、実は以前は市場周辺ならではの食材店でした。看板をそのままに、代替わりを機に店内をリノベーションし、2016年、居酒屋として再出発しました。
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せんべろが多い市場周辺ですが、こちらは座ってゆったり過ごせて2,000円台という居酒屋。板前さんが捌く生サバ、本マグロ、活車海老、シャコ貝などの刺身が楽しめます。
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しっかりとした料理が揃っており、遅めの昼食というよりは、少し早い夜の1軒目という用途向きです。賑やかな若い世代が多いせんべろ店以外の選択肢として重宝する方も多いのではないでしょうか。
住所 | 沖縄県那覇市松尾2-11-14 |
営業時間 | 15:00~22:00(水定休) |
開業年 | 2016年 |
5,牧志『節子鮮魚店』
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牧志公設市場近くの『節子鮮魚店』は魚屋さんのような店構えをした海鮮昼飲みスポット。もともと店名にもなっている節子さんという方が営業していた鮮魚店で、二代目が受け継いだいまは昼飲みメインの鮮魚スタンドとなっています。
店先に掲げられた「昼間から呑もっ!」の発泡スチロールに吸い寄せさられます。
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オシャレやキレイとは真逆の雰囲気ですが、まるで昔の海の家のような開放感があります。
オリオンビールや同社が発売している沖縄原料の酎ハイ「WATTA」などが缶のまま販売されており、氷漬けの中からセルフサービスで取り出していただきます。
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鮮魚店なので、刺身や海鮮丼、もずく、魚汁など、おつまみは魚介類オンリー。クイックに”一杯ひっかける”ような用途にぴったりです。
住所 | 沖縄県那覇市松尾2-8-44 |
営業時間 | 営業時間 12:00~21:00(ラストオーダー20:30) 予約が無い場合、19:30以降閉店あり 日曜営業 定休日 木曜日 |
創業 | 60年以上前 |
6,牧志『大衆食堂ミルク』
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沖縄は、食堂も風土が感じられる素敵な昼飲みスポットです。市場界隈で働く人が日常的に利用する『大衆食堂ミルク』は、40年以上続く地域密着の店。いぶし銀の店構えですが、店に入ると女将さんが明るく迎えてくれます。
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ローカル色のある料理が揃っていて、しかも大変リーズナブル。お酒はオリオンビール(500円)しかありませんが、午後に用事があるときは1本くらいで十分かも。
- イカスミ汁:1,000円
- ソーキ定食:900円
- ソーキ汁:650円
- エビフライ:750円
- カツ丼:650円
- やきそば:500円
- すき焼:600円
- オムライス:500円
- チャンポン:500円
- ヘチマ炒め:600円
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沖縄おでんのような山盛りの「てびち」が嬉しい!定食にオリオンビールを1本つけて、昼食がてらのご当地の味を楽しむお昼飲みはいかがでしょう。
住所 | 沖縄県那覇市松尾2-10-20 |
営業時間 | 10:00~19:30(日定休) |
開業年 | 1970年代後半 |
7,県庁前『みかど』
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昼飲み処が多い牧志を抜けまして、次にご紹介するのはゆいレール県庁前駅近く、オフィス街の那覇松山にある食堂『みかど』です。
50年以上続く店で、朝10時の開店にあわせてスーツ姿の会社員風の人々が続々とやってきます。ホテルをゆったりチェックアウトし、遅めの朝食を兼ねた一杯を楽しみ観光客の姿もちらほら。
中休みなく夜9時まで通し営業している貴重な食堂で、中途半端な時間に那覇空港に着いてしまった場合も、ゆいレールですぐに食べ(飲み)にいけます。
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食堂なので、お酒はオリオンビールの中瓶(600円)のみ。さくっとつまんで飲んで、目的の観光地へ行こうというときには丁度いいですね!
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一番人気は、沖縄ちゃんぽん(みかど風)。ちゃんぽんといっても、長崎ちゃんぽんとはまったくの別物で、コンビーフや野菜を卵で閉じて、平皿にしいたご飯の上に盛り付けるというもの。かつお出汁が効いていて優しい味。二日酔いでもぺろりと食べられそう!
住所 | 沖縄県那覇市松山1-3-18 |
営業時間 | 10:00~21:00 |
創業 | 1969年 |
8,『鮮魚 ふくむら』
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ゆいレールの旭橋駅下車すぐ。『ふくむら』は那覇港近くの港町にある小さな大衆食堂です。
なかなかの渋い店構えですが、地元では大変な有名店で、近所の運輸系インフラを支える人たちなど、多くの常連さんが集う店です。観光客の姿はほとんどありません。
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ちょっぴりハードルの高さを感じる入り口を開けると、寡黙なベテランの大将が迎えてくれます。
店の名物は海鮮丼。丼ぶりは二重・三重と刺身が盛り付けられていますが、さらに魚汁や魚の天ぷら、小鉢までついてきて、これで1,000円以下。びっくりするほど良心価格です。
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近海物の生マグロがたっぷり。新鮮な刺身をもりもりと頬張りたいときにオススメです。
住所 | 沖縄県那覇市東町15-16 |
営業時間 | 11:30~14:00 売り切れ次第閉店となることあり) 17:00~21:00(夜は完全予約制) 日定休 |
開業年 | 1989年 |
9,首里『しむじょう』
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ラフテーがのった沖縄そばも、ビールのおつまみになりますよね。
沖縄そばで飲むならば、首里にある『しむじょう』はいかがでしょう。登録有形文化財に指定された伝統的な沖縄の家屋で食事・お酒が楽しめます。
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1954年に建てられた民家をつかった食堂で、畳の広間で首里の風を感じながら瓶ビールをいただきます。
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濃厚な味の三枚肉がのった沖縄そばに、ローカルな炊き込みご飯「ジューシー」などがついたセットが店の人気メニュー。豚足とかつおの合わせ出汁のいい香りです。コーレーグースを入れてピリ辛にして食べれば、オリオンビールが進むこと間違いなし!
住所 | 沖縄県那覇市首里末吉町2-124-1 |
営業時間 | 11:00~15:00※売切れ次第終了(火水定休) |
開業年 | 建物は1954年築、食堂は2005年開業 |
気になるお店はありましたか?
せっかくの沖縄ですから、空港やモール内だけでなく、ローカルな飲食店でご当地の料理やお酒を楽しみたいですよね!
かつては自動車がないと移動しづらかった沖縄ですが、いまはゆいレール(沖縄モノレール)や、改良された路線バス網によって、本州の大都市同様の手軽な移動ができるようになりました。
今度の沖縄は、公共交通を利用して飲み屋・食堂巡りを楽しんでみてはいかがでしょう。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)