築年数約70年の古民家で、オリオンビールとともに沖縄そばで昼食を兼ねた昼飲みはいかがでしょう。首里の高台にある『しむじょう』は瓦屋根の伝統的な琉球家屋で食事ができる地元で評判の一軒です。濃厚な三枚肉やジューシーでビールを楽しんだあとは、沖縄そばで〆て大満足。店の風情も美味しさのエッセンスです。
首里末吉の高台から街を見渡すロケーション
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那覇の中心市街地は意外と起伏があり、街を一望できる場所がいくつもあります。首里末吉の高台からは、おもろまち、牧志が見渡せます。普段の那覇とは違った眺めを満喫しながら、お昼からオリオンビールを飲みながら昼食を楽しみたい!
ということで、絶好のロケーションに建つ沖縄そばの食堂『しむじょう』にやってきました。那覇中心部の県庁前や牧志からはモノレール「ゆいレール」に乗って市立病院前下車。そこから急斜面の坂道を歩いて7分ほど。眺めはよいのですが、その分傾斜を登らなければなりません。
登った甲斐はきっとある、眺めの良い店で冷えたオリオンの瓶ビールがまっています。
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一見してここが沖縄そばの店とはわからない、歴史的価値のありそうな石垣の階段が店の入口です。
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店の看板よりも目立つのは、文化庁が用意した登録有形文化財のプレートです。そう、なんと『しむじょう』は文化財指定の建物で食事ができるのです。
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石垣の入り口からはいると、そこはまるで別世界。様々な沖縄特有の樹木が無数に植えられた庭園のようになっていて、その先に赤瓦の木造の母屋がみえてきます。店内にある扇風機以外、現代を感じるさせるものは皆無で、昭和の沖縄に迷い込んでしまったような雰囲気すらあります。
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敷地内には本州ではみかけない様々な設備や飾り、植物が所狭しと並んでいます。立派な椿は樹齢100年以上のものだといいます。
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眺めのいい場所にはテラス席が用意されています。過ごしやすい気候ならば、ここでのんびりとビールを飲みながら、穏やかな那覇の街並みをぼーっと眺めるのも良さそうです。取材時は梅雨時で気温・湿度が高く蚊もいたので、諦めて店内で飲むことにしました。
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シーサーが迎える玄関から靴を脱いで店に上がり、畳敷きの広間へと通されます。もともと民家だった建物で、1954年(昭和29年)に建てられたものだそうです。沖縄そばの食堂にの食堂として改装したのは2005年。屋敷の屋号から『しむじょう』を店名にして現在に至ります。
週末になると評判を聞いた観光客が車でやってきて店の駐車場はいっぱいになると聞きますが、筆者が訪ねた平日は近隣で働く人々や家族連れなど、ご近所さんがほとんどのようでした。
品書き
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お酒はオリオンビール中瓶:550円のみ。料理はてびちの煮付:350円、本ソーキそば:900円など。人気はセットメニューの三枚肉中:1,100円や、ゆし豆腐定食:900円だそう。
エアコンがなくても涼しい!トロトロの三枚肉をつまみに瓶ビール
オリオンビール中瓶(550円)
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軽い登山の先にまっていた最高の一杯!キンキンに冷えたオリオン ザ・ドラフトで乾杯!
セットメニュー三枚肉 中(1,100円)
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多くのお客さんが注文するセットメニュー。三枚肉の沖縄そば、沖縄の炊き込みご飯“ジューシー”、日替わりの小鉢2皿、手作りじーまーみ豆腐という内容で、なかなか豪華です。写真のとおり、中サイズでも量はたっぷりありました。
また、膳のなかには沖縄そばのアクセントとして手作りのしょうががついてくるので、これをこーれーぐすとあわせて沖縄そばの“味変”が楽しめます。
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トロトロで深い旨味がぎゅっとつくった三枚肉は、この一口でオリオンビールが何杯でも飲めてしまいます。瓶ビールをもう一本追加して、しばらくは左手にビール、右手に三枚肉で、交互に口に運び続けたいくらい。多少麺が伸びることは諦めて。
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沖縄そばとしてはやや細いタイプではないでしょうか。コシがあり心地よい喉越しが楽しめます。
塩味ではなく旨味で美味しさを感じるスープもなかなか。出汁はカツオと豚足のポピュラーなものですが、クサミは皆無。途中で島とうがらしの泡盛漬け「こーれーぐす」(かなり辛い)を数滴入れてピリ辛味を楽しみました。
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豚や海産物で出汁をとり根菜など一緒に炊き込んだ沖縄の郷土料理、ジューシー。この店に限ったことではありませんが、ジューシーのコクのある味はオリオンビールと相性がよいです。
平日のランチ時なのであまり飲んでいるグループはいませんでしたが、このロケーションで飲まないのはもったいないです。ご旅行などで飲酒が許される状況でしたらオリオンで乾杯を。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 沖縄そばの店 しむじょう |
住所 | 沖縄県那覇市首里末吉町2-124-1 |
営業時間 | 11:00~15:00※売切れ次第終了(火水定休) |
開業年 | 建物は1954年築、食堂は2005年開業 |