日本随一のホップ生産地として知られる岩手県遠野市で、恒例の「遠野ホップ収穫祭2025」が8月23日(土)から24日(日)までの2日間にわたり開催されます。今年は初の試みとして22日には前夜祭が実施されるほか、春に開業した新規ブルワリーも本格参加し、例年以上の盛り上がりが期待されます。
当サイトを運営している私・塩見なゆも毎年飲みに行っています。今年も現地で見かけましたらお気軽にお声がけください。
レッツホッピング、乾杯しましょう!

JRでアクセスしやすい毎年恒例 蔵の道ひろば

遠野ホップ収穫祭実行委員会がこのほど発表した概要によりますと、会場は例年同様、JR遠野駅から徒歩3分の「蔵の道ひろば」です。
2025年は初めて金曜の夜に「前夜祭」を設け、8月22日17時にスタートします。本祭は23日(土)が10時30分から20時まで、24日(日)は10時30分から18時までとなります。
遠野市は「ビールの里」構想を掲げ、ホップ産業と観光を組み合わせた地域振興を進めており、本イベントはその中核を担うものと位置づけられています。
■新規ブルワリーも参加、限定ビールに注目

会場では、市内のブルワリーによる多彩なビールが提供されます。遠野ホップと関係が深いキリンビール各種銘柄をはじめ、1789年創業の酒蔵を母体とする「上閉伊酒造(ズモナビール)」、2017年設立の「遠野醸造」に加え、2025年春に醸造を開始した「GOOD HOPS」が初めて本格的に出店します。
これら地元3社は、本イベントでしか味わえない収穫祭限定ビールをそれぞれ発売する予定で、ビールファンからの関心を集めそうです。

フードブースも多数出店し、遠野名物のジンギスカンなど、ビールに合う地元食材を活かした料理が並ぶ予定とのこと。
人気の「ホップ畑体験会」や多彩なステージも

イベントの目玉企画である「ホップ畑体験会」も実施されます。これは、バスで市内のホップ畑を訪れ、生産者のガイド付きで見学できるツアーで、生育したホップが「緑のカーテン」のように広がる光景を間近で見ることができます。
参加チケットは、確実な参加が可能な事前ネット販売(Peatix 1,500円)と、当日会場での抽選販売(1,000円)の2種類が用意されます。

また、会場の特設ステージでは、ジャズやファンクなど、様々なジャンルの音楽ライブが開催されます。「富永寛之バンド」や「鈴木牧子トリオ」などの出演が決定しているほか、ドイツ民謡楽団や、地元の郷土芸能「平倉神楽」も披露され、祭りを盛り上げます。
臨時列車も運行、アクセス利便性向上へ

開催期間中、JR東日本盛岡支社は臨時列車「遠野ホップ収穫祭号」および観光列車「ひなび(陽旅)」を盛岡・一ノ関方面から運行予定。
なお、今年もすでに「遠野ホップ収穫祭号」の指定席はほぼ満席(掲載時点)となっています。
遠野とホップと麒麟について

岩手県遠野市は、1963年から半世紀以上にわたりホップ栽培を続ける日本随一の産地です。冷涼な盆地気候と昼夜の寒暖差が、ビールに華やかな香りをもたらす上質なホップを育みます。生産されているホップは、元キリンのホップ技術者「村上敦司」が育種した希少な日本産「MURAKAMI SEVEN」や、キリンの主力銘柄で広く使われる「IBUKI」。「MURAKAMI SEVEN」は「みかん」や「イチジク」を思わせる爽やかな香りが特徴、「IBUKI」は柑橘や花を思わせる上品な香りです。
かつては生産者減少の危機に直面しましたが、キリンビールの「一番搾り とれたてホップ生ビール」の誕生を機に、遠野産ホップの価値が再認識されました。現在では遠野市や農協、キリンビールなどが官民一体で「ホップの里からビールの里へ」を合言葉に、就農支援やブルワリーの誘致など、ホップを軸とした持続可能なまちづくりに取り組んでいます。