牧志『知花冷凍食品』食品店から酒場に変身!板前料理を手頃な価格で

牧志『知花冷凍食品』食品店から酒場に変身!板前料理を手頃な価格で

2022年9月5日

冷凍食品の販売店?いえ、居酒屋です。牧志公設市場近くにある『知花冷凍食品』は、店主の両親が営んでいた食材店から看板をそのままに鮮魚居酒屋に大変身。主に沖縄の鮮魚を使った本格的な魚介料理が名物です。近隣のセンベロ業態ほどではありませんが、お酒はとってもリーズナブル。

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入り組んだマーケットの奥にある、知る人ぞ知る店

戦後のマーケット由来の牧志のマチグヮー(那覇市中心商店街)。あらゆる方向に伸びる路地は、まるでマチグァーがひとつの生命体であるかのよう。復興の活力が生み出した自然発生的な空間には、本州のどんな都市開発よりもパワーが感じられます。二世、三世が家業を引き継ぐ第二の創業も、非常にパワフルです。

肉類・冷凍食品販売店「知花冷凍食品」の息子さんが第二の創業に選んだのは、海鮮酒場です。もともとホテル内レストランで和食の料理人として働かれていた方で、その腕は確か。2016年にオープンして以来、地元の人々が熱心に通う人気店となりました。

小さなお店なので、時間帯によっては満席になることもあります。テーブル数卓に、調理場に向いたカウンター席が4席。涼しい季節ならば店先の椅子も良さそうです。一人飲みでしたら間違いなくカウンターがおすすめ。店主さんの調理風景を眺めながら泡盛が進みます。

品書き

お酒

樽生ビールはオリオン ザ・ドラフト:350円。泡盛はおまかせ:350円。金宮ソーダ割り:350円、ガリガリ君ソーダ割り:400円、さんぴん茶割:350円、シークワーサーサワー:450円など。

料理

本日のお造り:1,800円、活車海老:500円、本鮪造り:750円、生鯖造り:600円、島らっきょう:400円、松茸土佐焼:400円、魚唐揚げ:400円、島豆腐と豚バラガーリック蒸し:600円、イカゲソと茄子のトマト煮:600円など。

いうなれば「沖縄版・大衆割烹」です

オリオン ザ・ドラフト(350円)

食材が元気に動き回る水槽の前。特等席のカウンターからオリオン ザ・ドラフトで乾杯!

この界隈は昨今「センベロ」を看板に掲げたお店が急増していますが、同店は一歩引いて、程よい価格の板前料理を提供するというスタイル。といっても、2,000円少々で楽しめる価格設定ですから充分にお得感があります。樽生ビールや泡盛は350円なので安心して飲み続けられますね。※お酒は適量で。

生鯖造り(600円)

主に地元の魚介類を揃えていて、新鮮な刺身が食べられると評判の同店。車海老やシャコガイ、クエ、アカマチ、島ダコ、生本鮪など、魚種は仕入れ次第。今回注文したのは、生鯖造りです。

ぷりっとした歯ごたえ、爽やかな甘味が楽しいです。

アラ汁(300円)

アラとはいえ、様々な魚介がたっぷりはいったアラ汁は、むしろ「マース煮」と呼びたいくらい。泡盛のロックをもらって、マーケットの路地を行き交う人々をぼーっと眺めれば、もうそれだけで沖縄が好きになるはず。

山原地鶏(450円)

刺身、焼物、煮物、蒸しものに天ぷらと、和食の基本が一通り揃っていて、どれもこれも食べたくなります。そんな中から選んだのは、山原地鶏の塩焼き。歯ざわりがよくキュッとした食感が楽しいです。

トマト割り(350円)

沖縄にも酎ハイがだいぶ広まりました。10年くらい前から宮崎本店がキンミヤを熱心に売り込んでいましたが、すっかり定着したように思います。ここではキンミヤベースのトマト割りをいただきました。うん、焼酎濃いめ。

三線をBGMにした本格的な沖縄郷土料理店で土地の味や旅情を味わうのとはまた違った沖縄の魅力を感じられた一軒です。

早い時間からやっていますので、「ホテルチェックイン前に一杯飲んでいく」なんて使い方も良さそう。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名旬鮮居食屋 知花冷凍食品(ちばなれいとうしょくひん)
住所沖縄県那覇市松尾2-11-14
営業時間15:00~22:00(水定休)
開業年2016年