牧志『エイクラ』増やまの新店は沖縄。ホイス・バイスもある下町酒場風

牧志『エイクラ』増やまの新店は沖縄。ホイス・バイスもある下町酒場風

2022年6月16日

船橋発の大衆酒場『増やま』系列の8店舗目は、関東を抜け出し、なんと1,500km離れた沖縄の那覇市牧志に『エイクラ』としてオープン。品揃えは船橋と変わらず、店の雰囲気もそっくりです。お通しなし、200円台の料理と首都圏でお馴染みのチューハイ類が300円で並びます。

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復興で発展した、牧志のアーケード

戦後のヤミ市を起源とする牧志公設市場やその周辺に広がる商店街。地域に暮らす人々の息吹が感じられるエリアです。平和通り、市場本通りなど、何本かの商店街はアーケードが設置されており、これが複雑に分岐し入り組むように広がっています。

長い歴史の中で複雑に拡大してきただけに、内地(本土)の商業地域には見られない独特の味わいがあり、街を歩くだけでも楽しめます。

食品、アパレル、化粧品などが立ち並ぶ市民の台所的なこの界隈ですが、近年は飲食店、とくに居酒屋の出店が加速しており、いまでは200店もの飲食店があります。飲み屋街化し観光名所になりましたが、街に暮らす人々との共存も大切です。

公設市場周辺までが観光客が集まるエリアです。アーケードはそれより先へと伸びており、センチメンタルな空気が漂う素敵な街並みが広がっています。今回ご紹介する『エイクラ』は、そんなうりずん横町(平和通り商店街)に2022年3月1日にオープンしました。

アーケードにできた首都圏型の大衆酒場

外観

飾りは最小限で、大きく大衆酒場と書かれた暖簾。そして宮崎本店の焼酎のロゴ。これまでの沖縄の飲食店には見られなかった店構えです。

店は千葉県船橋市に1号店を構える『増やま』という大衆酒場の9番目となる支店。東京の城東エリアに多い、典型的な大衆酒場のスタイルを踏襲しています。

内観

船橋や本八幡、新小岩などにある増やま系列をご存じの方は、店内の雰囲気がそっくりなことに気がつくはずです。品書きの短冊やカウンターの造作まで、ほとんど変わっていません。

違いはといえば、ボトルキープが宮崎本店の甲類焼酎「キンミヤ焼酎」だけでなく、泡盛の菊之露があるということくらい。

品書き

お酒

樽生ビールはオリオンドラフト:300円。瓶ビールは大瓶(キリンハートランドサッポロラガー):500円。

注目は焼酎を割ってつくる酎ハイのバリエーションで、ほとんど船橋と変わりません。酎ハイ(ボール):250円、ホッピー:350円、黒ホッピー:350円、ホイス:280円、バイス:350円、キイロ(いわゆる色付きの焼酎ハイボール):280円、ガリ酎:280円、すっぱレモン:280円、梅割り:260円など。+50円でベースのキンミヤ焼酎を、シャーベット状にしたシャリキン®に変更できます。

ホイスや色付きの焼酎ハイボールは、おそらくここが日本最南端(Syupo調べ)です。

沖縄らしさがある酎ハイは、さんぴんハイ:280円、うっちんハイ:280円、シークワーサーサワー:380円など。

ホワイトボードメニュー

内容は日々変わります。この日は、まぐろ刺:450円、イカ刺:400円、炙り〆サバ:400円、ゴーヤの浅漬け:250円、自家製ポテトサラダ:250円、茶豆:300円、八宝春巻:250円、魚肉ソーセージ天ぷら:300円など。

料理

重ネ煮込み:300円、肉豆腐:200円を重ねたもの):480円、エレベーター(あつ揚げおろし):250円、メンチ:250円、キス天ぷら:250円、紅しょうがかき揚げ:300円、ガツ刺し:250円、さば味噌煮:250円、納豆オムレツ:300円、もずく天ぷら:300円、豚足:250円など。

増やま系列のみで使われているエレベーター(あげ おろしだから)という表記も健在!

首都圏風の酒場にアクセントとして沖縄要素あり

キリンハートランド(500円)

沖縄取材ではオリオンビールを飲むことが多いですが、ここにきて久しぶりのハートランドが嬉しい!取手で製造されたキリンらしくないキリンビール。トクトクと注いで、それでは乾杯!

冷奴(200円)

品書きを観る限り、ゴーヤチャンプルーのような目立つ沖縄テイストはほとんどありません。ですが、食材は沖縄で調達されているため、例えば冷奴も島豆腐(別名沖縄豆腐)なのです。ずっしりと重く、旨味が濃厚。食べごたえも十分。

ゴーヤの浅漬け(250円)

沖縄の大地と太陽の恵みがぎゅっとつまった本場のゴーヤ。苦味はビールを進ませます。

イカ天ぷら(250円ほど)

天つゆに大根おろしも入ったしっかりとした天ぷらも、200~300円台ととってもリーズナブル。

キイロ(280円)

キンミヤ焼酎にハイボール用のエキスを垂らした、増やま系列では「キイロ」と呼ばれる焼酎ハイボールです。

東京の下町、城東エリアの酒場ではお馴染みのご当地チューハイですが、ここにきて増やまの沖縄進出で、最南端は牧志になりました。(Syupo調べ・宝酒造のRTDを除く)

まさか、この味を沖縄で飲めるなんて。

せんべろセットはなくても、2,000円でお釣りが来ます

お通しなし、料理もお酒も安く、2,000円でお釣りが来る酒場です。まだ開店からそれほど経過していませんが、すでに地元の人の間では評判の一軒となっているようでした。観光で那覇を訪ねる方も、首都圏風の酒場が恋しくなったら、はしご酒の合間に立ち寄られてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名大衆酒場エイクラ
住所沖縄県那覇市牧志3-5-20
営業時間14:00~23:00(日祝は21:30まで・火定休)
開業年2022年3月1日