沖縄本島から南西に約290km。太平洋と東シナ海の境界に浮かぶ『宮古島』。290kmというと、東京から石川県金沢市までの距離とほぼ同じで、改めて沖縄県の島々の距離に驚きます。
年間を通して暖かく、常夏の島としてビーチリゾートで賑わう観光地。冬でもコートいらずで深夜も飲み歩くことが可能で、街は夜が深まるほどに賑わいを増します。
とはいえ、24時間営業のお店は珍しいもので、大手ハンバーガーチェーンとファミリーレストランが1軒ずつ、そして今回ご紹介する食堂・喫茶店「レオン」の3軒しかありません。
レオンは島内最大の商業地が広がる「平良」の中心にあり、宮古島を訪れたならば一度は店の前を通るはずです。
長年続く家族経営のお店で、あったかい接客が素敵。地元のお父さんたちが決まった席に、決まった新聞を開き、決まった料理を食べていく…そんな光景が広がっています。
昭和のまま時間がとまったような内装も、今となっては貴重です。ぬくもりある感じといいましょうか、でも、ほぼ通年、冷房が動いています。
なにはともあれ、今日もビールが美味しい。樽生のオリオン(500円以下税別)で乾杯!
アルコールは残念ながらビールしかありません。ですが、夜は皆さんこぞってビールを頼まれていて、雰囲気は食堂飲みそのものです。
スレオンステーキ(1,400円)とタコライス(700円)が店の看板料理。宮古そば(600円)、ポーク玉子定食(700円)、みそ汁(沖縄式の丼ぶりいっぱいの野菜玉子とじ汁・700円)、野菜炒め定食(チャンプルー味・750円)などがっつり系料理が充実しています。沖縄の古くからある食堂は、だいたいこんな顔ぶれですね。
目的はタコライス。ご飯を半分にしてもらえば、立派ヘルシーおつまみです。ホワイトスープがついてきます。
沖縄名物、タコライス。1980年代、沖縄本島金武町で誕生し、現在は県内全域に広まり沖縄県では定番のごはん料理です。メキシコ料理のタコミート(タコスの具材)をごはんに載せたのが始まり。レオンは宮古島でいち早くタコライスを取り入れたお店と聞きます。
レオンのタコライスは、とにかくタコミートが多い。チリソースの味だけではなくナツメグのような風味もあって、その独特な味はご飯料理であっても中生ビール1杯では到底間に合わないほどビールを誘います。
深夜0時から朝6時まではビールがでませんのでご注意を。”朝食をホテルでとらずに「レオン」でビール片手にモーニングオリオン”という使い方はいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
レオン
0980-72-7873
沖縄県宮古島市平良字西里224
24時間営業(基本無休)
予算1,500円