沖縄の人々が飲んだ後に食べる〆といえば、やはりステーキ。スタミナ&ハイカロリー料理を最後に食べるなんて不思議でしょ。でもこれが、実際に経験てみるとまた次回もやりたくなってしまう魅惑の梯子コースです。翌朝、お腹をさすってちょっぴり反省するけれどやめられません。
宮古島にある日本最南端のオーセンティックバーで飲んでいました。「このあとはやっぱりステーキ?」という話題になり、地元の料飲店事情に詳しいバーテンダーさんの紹介で向かったお店が「野咲屋」。地元の飲食店さんが仕事終わりに飲み食べに行く深夜営業の食堂です。営業開始は20時30分からと、沖縄時間で営業中。
ヤギ料理、宮古そば、ステーキ、定食の4つを掲げた看板。スナックのような扉が入り口で、事前情報がないとちょっぴり敷居が高いです。
数年前に移転をしており、昔は渋い食堂で、現在の店舗はスナック風。地元の”元気なおかあちゃん”達が切り盛りされていて、カウンター席に座れば自然と会話が始まります。
〆のステーキだからって、飲まないはずがありません。生ビール(オリオン)、酎ハイ、泡盛は500円均一。泡盛はボトルは菊之露、グラスでは宮古のお酒を数種類から選べます。
結構入るグラスに、水割りと見間違えるほど泡盛を入れてもらって、それでは乾杯!
ヤギ定食(1,300円)、中味定食やとんかつ定食は800円、宮古そば600円。ステーキ定食は一番の高級品で1,500円。先にスープがでてきます。
数分でステーキが出来上がります。ジュージューと鉄板皿の上で音をたててやってきます。店内に漂ういい香り。深夜にステーキを食べる罪悪感もまた美味しさのエッセンス。
沖縄の人が愛してやまないというステーキソースの「A1ソース」をたっぷりかけて。大根おろしソースと二種類選べますが、”おかあちゃん”こと、明るいお姉さんのイチオシはA1ソース。
イギリスBrand社製のソースで、本土ではなかなか見かけませんが、沖縄ならばどの飲食店にもあるような人気ソース。最初に酸味、それを追いかけるようにフルーツのような甘さとコクが追いかけてきます。バターのコクとも相性ばっちり。
ステーキは日本風の柔らかめに焼かれています。脂がのっていて口の中で旨味が広がります。A1ソースの味もあって、これで泡盛が進む・進む。※お酒は適量で。泡盛をたくさん飲むときは水割りで。
沖縄で酎ハイは珍しいのですが、頼んでみたところなんと出てきたのは宝酒造の焼酎ハイボール。でもちゃんと「沖縄シークァーサー」味。
ロックアイスをたっぷり使って、気温高めの南の島の夜にありがたい涼を感じます。
山羊汁も名物の老舗「野咲家」。昭和ムードたっぷりあるスナックなどが立ち並ぶ宮古のディープなエリアに灯る深夜の食堂です。白い砂浜とエメラルドカラーの海だけじゃもったいない、宮古島は夜にも個性的な魅力があります。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
野咲家
沖縄県宮古島市平良西里124
20:00~2:30