JR吉祥寺駅前から東武東上線の成増駅(成増町)行きの路線バス(西武バス吉60系統)があります。途中、上石神井や石神井公園を経由し、乗り通すと1時間もかかる長距離路線。ただ、上手に利用すると城西地区の南北方向での梯子酒にとっても便利。
そんな路線バスの車窓で気になる赤ちょうちん。成増駅から1キロほど離れた住宅街の中にぽつんと灯る昭和酒場です。今年で創業から39年を迎えるやきとんの店「丸徳」。
店先に掲げられたもつ焼き65円という驚きの安さと、暖色照明で照らされた縄暖簾越しにみるお客さんたちの笑顔に誘われます。
厨房に向いたカウンターと小上がりのテーブル席で、15人ほどでいっぱいになるコンパクトな店内。丸椅子も飲み屋らしくっていいですよね!お店の方との距離も近く、お仕事が落ち着いているときは簡単な雑談を含みつつ皆さんでワイワイと。
樽生ビールはサッポロ。定期的に回路をリフレッシュして生ビールの品質向上をはかる「セパレサーバー」を使用されています。
昔っからサッポロを扱うお店の証。赤星マークのジョッキが現役です。それでは乾杯!
生ビール(490円)、瓶ビール(大瓶500円)、酎ハイ(300円~)、どれも良心価格です。
瓶ビールはキリンラガー(RL)を取り扱い。ビアタンでちびりと飲みつつ、もつ焼きが焼けるのを待つ時間が素敵です。
続いて料理をご紹介。献立は店中に掲げられた短冊から決めていきます。店先の張り紙の通り、もつ焼きは牛串とつくねを除き、本当に65円均一。
サイドメニューも充実しています。ついつい頼んでしまうところてんやもづくも。昔から通っているという知り合いは「とり唐揚」推しとのこと。
きゅうりに梅肉をいれて紫蘇で巻いた「しそ巻き」。カクテルピックで綴じられてちょっぴりかわいい。
こちらは煮込み豆腐。どんぶりいっぱいに入っていながらも、なんと220円とお値打ちです。定番の味噌系煮込みの味で、ほろほろになったシロと豆腐は予想以上にあっさり。必ず頼んでおきたい定番の一品です。
カシラはタレで。アブラたっぷり。そして大変に大ぶり。平均よりやや甘めでさらっとしたタレと濃厚な豚の脂のコクは、ビールやホッピーを進ませること間違いなし。
こちらは、レバとナンコツ。こちらも食べごたえ十分。
コリッとした食感と、骨にくっついた肉からでる旨味がたまりません。
つくねも個性的。もちろん自家製でもちもちに固められています。重ね焼きをして焼き上げたことで、見るからに美味しそうな琥珀色の仕上がり。
同席された地元の方のおすすめ、ガツキムチ(230円)。キムチタレが揉み込まれたガツは、食感も味わいも楽しく、箸休めのおつまみに最適です。
料理もお酒もとってもリーズナブルな「丸徳」。だからこそ、すぐでるエシャレットなどの小皿や、女将さんや大将が「これ食べる?」とおすすめされたものはしっかり頂きたいですね。
駅前から離れたところにある酒場好きを魅了する店は、徒歩15分かけても行く価値は十分にあります。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ Special Thanks/こうめさん おいしい店・うまい店・安い店 http://www.hkoume.xyz/ )
丸徳
03-3976-0106
東京都練馬区旭町3丁目11-22 花月荘1F
16:00~22:30(水木定休)
予算2,000円