国際通りから一本入った場所にある『青島食堂』は、旅好きの大将が25年前に開業した水餃子の店です。営業時間は24時までと遅く、飲み歩いた末の〆に立ち寄るのにも向いています。看板料理の水餃子は、厚みのある耳たぶのようなモチモチとした皮が特徴です。
餃子激戦区、牧志
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那覇には餃子を看板に掲げる店が非常に多く、牧志だけでも20軒以上あります。しかもその多くは夜営業をメインとした「飲み屋使い」ができる店なのです。
沖縄の餃子専門店へ行くと、台湾との地理的近さを実感することになります。店の雰囲気、餃子の形状など、本土の餃子とは明らかに異なります。昔から文化交流・相互の観光が盛んだったことが関係しているのでしょうか。事実、2019年まで台湾からの旅行者は年間60万人以上を記録していました。
外観
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牧志で25年続く『青島食堂』も、そんな中華圏の餃子をメインにした食堂を彷彿とさせる一軒です。年季の入った平屋の店で、台湾の夜市などでよく見かける電照看板つきのワゴンが店の目印です。
内観
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大将がお一人で調理している小さなお店です。カウンターは5席ほど。中華圏の飾りに沖縄の食肉卸のカレンダー、その他、いろんなものが混ざり合っています。アジア各地を旅するのが趣味な大将が各地から持ち帰ってきたであろうモノが、混沌とした東南アジアのムードを演出しています。
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二人用のテーブル席が4卓あって、二人連れで利用も可能です。3人以上には向いていません。
先客は台湾からのカップル風の旅行者に、サンダル履きで近所から飲みに来たような一人客。あとから梯子酒で立ち寄ったような雰囲気の二人組もやってきました。
品書き
お酒
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樽生ビールはなく、瓶ビールでオリオンビール中瓶:600円、台湾ビール(350缶):600円、泡盛1合:700円、泡盛古酒1合:1,000円、紹興酒1合:1,000円、ワイン赤白:700円など。
料理
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看板料理の水餃子:600円、焼き餃子はありません。ほかには、人気のトマト卵炒め:700円や、エビチリソース:800円、焼きビーフン:700円、台湾ちまき:400円など。
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イカ団子:800円、大根餅:400円、春巻き:500円、金針菜(きんしんさい)スープ:400円、イカ団子スープ:400円など。
台湾好きのマスターが現地で食べた味を再現
オリオンビール(600円)
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なにはともあれ、ビールから。伊江島産の大麦を一部使用したオリオン ザ・ドラフトで乾杯!
餃子の提供まで10分以上かかりますので、沖縄らしくのんびとりビールのを飲みながらぼーっと過ごします。
水餃子(600円)
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なんと台湾から取り寄せたという専用の皮で包まれた水餃子。台湾に多い中央でしぼめた小籠包のような形状をしています。
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一口では食べきれないサイズの餃子が10個もはいっています。しかも皮は厚くモチモチとしているため、なかなか食べごたえのある一皿。
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ですが、一口食べてみるとその美味しさに驚きます。肉の旨みが強くあと引く美味しさです。オリオンビールを合間にはさみながら次々と口へ運んでしまいます。
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〆の一軒にちょっとした炭水化物系料理が欲しくなることがありますが、この餃子はそんな気分にぴったりです。
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野菜より豚肉の比率が多く、餡はまるで肉団子のようです。噛むほどに肉汁がでてきて、最初の「食べきれるかな」だった気持ちはどこへやら。唐辛子、ニンニク、酢の効いた台湾産醤油ベースのタレにちょんちょんとつけて頬張れば、ビールは中瓶1本では足りなくなりそうです。
ごちそうさま
台湾好きの大将が何度も足を運び、現地で食べきたものを再現しているのが『青島食堂』です。定番は餃子ですが、五香粉を効かせた料理など、本場の味付けをした料理の数々も評判の理由です。中華圏の間でも口コミで広がっているようで、お客さんには意外と中国語を話す人も多いです。
沖縄取材の合間に、小一時間だけですがしっかり台湾気分が味わえました。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 青島食堂 |
住所 | 沖縄県那覇市牧志3-9-9 |
営業時間 | 18:00~24:00(日定休) |
開業年 | 1997年7月30日 |