酒場案内人の塩見なゆです。新宿でお昼から飲むときのオススメは?と聞かれることがありますので、当記事にまとめておきたいと思います。
世界一のターミナル駅である新宿駅。駅徒歩10分の範囲内には、約2,000軒もの居酒屋・バーなどお酒を提供する飲食店が存在します。そのうち、お昼から営業するお店は約500軒。それでもまだ多すぎますので、「老舗」「他店にはない個性」「安心安定」「価格と体験のバランス」等、独自の理由で10軒を選びました。
目次
1.岐阜屋
思い出横丁にある、朝9時から終電頃まで休まず営業している町中華。創業は1947年(昭和22年)。ヤミ市がルーツの思い出横丁にあります。
町中華といえば、カウンターに加えテーブル席もあるイメージですが、ここは巨大な変形口の字型のカウンターだけで、お客さんがぐるりと厨房を囲んでいます。
岐阜屋の一番人気は「木耳玉子炒め」で、これを目当てに遠くから列車で食べに来る人もいるくらい。
お酒は圧倒的に瓶ビールのキリン一番搾りとラガーが売れています。また、同店はキリンビール社内にもファンが多いと聞いたことがあります。
住所 | 東京都新宿区西新宿1丁目2−14 |
営業時間 | 9:00~翌1:00(木金土は2時まで)年末年始含む年中無休 |
利用シーン | 一人飲み、2~3人の飲み会 |
予算 | 2,000円 |
2.鰻 カブト
岐阜屋と並ぶ思い出横丁の老舗。親族経営で受け継がれてきたウナギ串焼きの老舗です。創業は1948年(昭和23年)。
屋台風の店でカウンターのみしかなく、目の前ではウナギが炭火で焼かれているので、どの席もライブ感たっぷり。冬は寒く夏は熱く煙を浴びる環境ですが、この感覚が酒場好きにはたまりません。
鰻といえば、一般的に蒲焼で正肉を食べるものですが、ここはエリやしっぽまで、ウナギのモツ(アラ)まで楽しみます。もちろん正肉もあり、これらを「ひと通り」といって注文し、様々な部位を満喫するのがカブトの楽しさです。
住所 | 東京都新宿区西新宿1-2-11 思い出横丁 |
営業時間 | 13:00~20:00(日定休) |
利用シーン | 1~2人程度で。大人数では利用できません。 |
予算 | 2,300円 |
3.ビア&カフェBERG(ベルク)
JR新宿駅の東口改札から徒歩30秒の場所にあるベルク。1990年にカフェテリア方式の現在のスタイルで営業をはじめ、紆余曲折ありながらも、いまも変わらぬ雰囲気で続いています。ファンの多いことでも知られており、昼夜を問わず看板料理のホットドッグやビール、コーヒーを楽しむ人で満席になる賑わいです。
駅に直結する店ということもあり、新宿に来たらふらりと立ち寄りたくなるベルク。ビール一杯だけの利用も可能です。
ビールはサッポロ生ビール黒ラベルが315円と大変リーズナブル。エーデルピルスや、クラフトビール、ワインや日本酒も用意されています。
住所 | 東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿店 B1F |
営業時間 | 営業時間 07:00~23:00 (L.O.22:30) 定休日 無休 |
利用シーン | 買い物の休憩、一人飲み、カジュアルなデート、列車の発車時間までの寄り道 |
予算 | 1,000円 |
4.つるかめ食堂歌舞伎町店
歌舞伎町にある老舗大衆食堂です。1956年の創業で、歌舞伎町の飲食店の中でも歴史がある同店。ギラギラとしたネオンが照らす歌舞伎町にあるとは思えない落ち着きある雰囲気です。
さばの味噌煮や豚肉生姜炒め、アジフライなど、典型的な食堂メニューが揃っています。定食にビールをつけるチョイ飲み利用も良いですし、単品で注文し、居酒屋使いすることも問題なし。深夜までは営業していないものの、この界隈で一番「深夜食堂」的なメニュー構成のお店です。
ビールは昔からサッポロラガー大瓶です。
住所 | 東京都新宿区歌舞伎町1-15-8 白木ビル 1F |
営業時間 | 11:30~23:00(15:00〜17:00は中休みなのでご注意を)水定休 |
利用シーン | 一人飲み、買い物帰り、二人での食事、4人程度の飲み会 |
予算 | 1,500円 |
5.中華料理 五十番
かつて歌舞伎町が角筈一丁目と言われていた頃から続く大衆中華(町中華)『五十番』も、喧騒が渦巻く歌舞伎町にあって、落ち着いた雰囲気の店です。創業は1963年。
派手さはなく正統派の昭和な中華料理が楽しめる店ですが、むしろ新宿で求めているのはこういう店ではないかと思います。餃子や唐揚げをつまみに、キリンラガーや黒ラベルを傾ければ、きっと歌舞伎町のイメージが変わります。
住所 | 東京都新宿区歌舞伎町1-15-1 1F・2F |
営業時間 | 11:30~21:00(水定休) |
利用シーン | 一人飲み、中華屋巡り、少人数の会食 |
予算 | 1,500円 |
6.セントジェームス
歌舞伎町一番街にあるブリティッシュパブ。運営は1945年に新宿で創業した酒場を前身とした新宿メトログループです。新宿が生活圏だったことがある人ならば誰もが知っている1964年創業「珈琲西武」の運営元といえばわかる方は多いのではないでしょうか。
これほど本格的なパブが新宿にあり、しかもお昼から通しでやっているというのは非常に素晴らしいことです。待ち合わせのゼロ軒目や、飲み会帰りの〆の一杯など、幅広い用途で利用可能。最近はインバウンド効果でお客さんの1/3は外国人。
キャッシュオンデリバリーで、本場の輸入ビールや樽詰のドラフトギネスがクイックに楽しめます。おつまみはホットドッグやフィッシュアンドチップスが人気。
住所 | 東京都新宿区歌舞伎町1-23-14 第1メトロビル 1F(自社ビル) |
営業時間 | 営業時間 [月~木] 12:00~翌3:00 [金・土・祝前] 12:00~翌5:00 [日・祝] 12:00~24:00 日曜営業 定休日 無休 |
利用シーン | 待ち合わせ、一人昼飲み、飲み会のハシゴ先として、喫茶店感覚の利用 |
予算 | 2,000円 |
7.船橋屋本店
なにも老舗の酒場や食堂だけが昼飲みスポットではありません。明治19年創業の『天ぷら船橋屋 新宿本店』もお昼から夜まで飲み続けられる、飲める天ぷら店です。近くにある永遠のライバル的存在の「つな八」もお昼から飲めますが、船橋屋のほうが広くて落ち着いて飲める雰囲気です。
また天ぷらだけでなく刺身、酢の物などのおつまみが充実しており、リーズナブルな割烹感覚での利用も可能。遠方から新宿にお越しの方は、ぜひ新宿の老舗の味を楽しんで欲しいです。
住所 | 東京都新宿区新宿3-28-14 |
営業時間 | 営業時間 11:30~21:00(L.O. 20:30) 定休日 なし |
利用シーン | 2~6人程度の飲み会、年配の方との会食、デート、落ち着いた世代の同窓会 |
予算 | 3,800円 |
8.新宿ライオン会館
銀座に旗艦店を持つ、サッポロホールディングス傘下のビール会社系列店。新宿に限らず店舗は全国にありますが、新宿ライオン会館は特別な位置づけとなっています。
この場所への出店はなんと1937年(昭和12年)。当初は「ヱビスビヤガーデン」として青空営業ではじめ、やがて木造店舗のビヤホールへ。戦災で消失するも、1946年にはバラックのビヤホールとして復活。以来、成長を続ける新宿に、ビールで活力を与えてきた老舗です。
一階は典型的なドイツ様式のビヤホール、4階は札幌ビール園を彷彿させる本格ジンギスカンレストランなど、フロアごとにサッポロ系の飲食店が入っています。イチオシはやっぱり1階の伝統的なビヤホール。お昼から大ジョッキで乾杯!
住所 | 東京都新宿区新宿3-28-9 新宿ライオン会館 |
営業時間 | 営業時間※ビヤホール業態 【営業時間】 日~木 11:30~22:00(L.O.21:30) 金・土 11:30~22:30(L.O.22:00) 日曜営業 定休日 無休 |
利用シーン | 二人以上の飲み会、宴会、年配の方との会合、ビール好きの集まり※8/4は生ビール半額 |
予算 | 3,800円 |
9.沖縄料理 やんばる 新宿本店
1988年に新宿大ガード近くで創業した『やんばる』。コンセプトは東京で最安の沖縄料理店。沖縄直送の樽詰オリオンドラフトビールや、クースー(泡盛古酒)、甘酸っぱさがクセになるシークァーサーサワーなど、個性あるお酒かコンセプト通り大変お手頃価格で楽しめます。
沖縄のアーティストの楽曲が流れる店内は、どこか牧志の食堂で飲んでいるような気分。本店の隣にはクイックなラーメン屋のようなカウンターの店があるほか、渋谷や最近は有楽町交通会館ビルにも支店を出店しています。
飲酒メインでもよいですし、沖縄そばで〆る前に軽く泡盛を飲むブランチ的な利用もOK。幅広い用途でつかえる便利なお店です。
住所 | 東京都新宿区新宿3-22-1 |
営業時間 | 営業時間 11:00~24:00 日曜営業 定休日 無休 |
利用シーン | 一人飲み、カジュアルなデート、飲み会、沖縄好きの会合 |
予算 | 2,500円 |
10.天狗 新宿西口パレットビル店
池袋北口で創業し、全国に広がった老舗居酒屋チェーンの天狗ですが、旗艦店はなんと新宿にあります。店は新宿駅と思い出横丁に挟まれたユニクロがはいる「新宿パレットビル」の7階。
席数が非常に多いものの、土日はお昼からお客さんで賑わう人気店なのです。空中階で窓は大きく眺めは最高。「新宿昼飲み」というテーマで店を選ぶならばぜひ候補に入れておきたい一軒です。
地酒流通にこだわる元祖的存在の日本名門酒会系の日本酒が充実しており、なんと樽詰めの冷酒もあります。3月に旗艦店としてのブラッシュアップが予定されており、さらに魅力が増すと思います。
お昼からお手頃価格の店で宴会をするならば、一周回って天狗が安心です。
住所 | 東京都新宿区西新宿1-1-1 新宿パレットビル 7F |
営業時間 | 月~土曜日 11:30~23:00 日曜日・祝日 11:30~22:00 |
利用シーン | 2人以上、4人で会合、大人数の飲み会 |
予算 | 2,800円 |
気になる飲食店はありましたか
- 思い出横丁「養老乃瀧 新宿西口店」(10:00~)
- 磯丸水産各店(24時間営業)
- 山盛り海鮮酒場「タカマル鮮魚」(11:00~)
- 新宿の老舗トンカツ「にいむら本店」(10:30~)
- 老舗町中華「石の家」(11:30~)
- 小田急ハルク地下のビヤレストラン「ミユンヘン 新宿小田急ハルク店」(11:00~)
- 大庄のフラグシップ「お魚総本家」(11:30~)
- 伊勢丹裏にあるもつ焼きチェーン「四文屋新宿店」(土日のみ13:00~)
- 新宿三丁目の名店「どん底」(土日だけ11:30~)
- 日高屋各店(10:00~)
- 晩杯屋思い出横丁店(7:00~)
など挙げればまだまだあります。取材拒否のビール激安酒場など、もっとディープな店でも飲んできましたが、広くおすすめできるのはここでご紹介したお店です。お役に立てれば幸いです。
(取材・文・特記なき写真の撮影/塩見 なゆ)