【2023年版】上野昼飲み10選！酒場案内人が選ぶ老舗から激安立ち飲みまで

酒場が人を呼び、人が酒場を増やして、気がつけば上野アメ横エリアは東京を代表する昼飲み・せんべろエリアとなりました。

朝から営業している老舗もつ焼き店や、菰樽の樽酒を複数揃える老舗大衆割烹など、歴史ある店も多く魅力的なスポットです。新進気鋭も老舗もお昼から営業していることもあり、とりあえず上野に行けば何とかなる！なんて言われるようになりました。今回は大型チェーン店を除く、地元密着の居酒屋・立ち飲みを中心に、10軒のオススメ昼飲み店をご紹介します。

1,『もつ焼き 大統領』

上野を代表する老舗もつ焼き店。戦後すぐのアメ横に誕生し、独特な馬モツをつかった煮込みや、安くてスタミナがつく豚モツの串焼きを提供してきました。独特なクサミも酒の肴といえる煮込みには、予め温められている二級酒や電気ブランがよくあいます。

もつ焼きは断然タレがオススメ。

お昼から飲める店が多い上野でも、とくに営業開始が早く朝10時から楽しめます。東京でも有数のもつ焼きの人気店ですので、遠方から東京へお越しの方もぜひ一度食べてみてください。昔からあるガード下の本店は席数が少ないため、近くにある総席数130の支店へ案内されることもあります。

2,『全国銘酒たる松』

上野で日本酒を飲むならば『たる松』をまずは抑えておきたい。50年以上続く老舗酒場で、本店は上野東京ラインのガード下にあります。昔ながらの大衆割烹風の雰囲気で、ベテランのお姉さんたちが給仕されており、ごった返すアメ横エリアとは思えない落ち着きが魅力。

特長はなんといっても、樽酒をはじめとした日本酒の品揃えの豊富さです。樽酒は菊正宗、酔心、高清水の3銘柄。瓶詰めではなく、菰樽で仕入れているのもポイント。升で提供されますので、角に塩を乗せて一口。古き良き酒場の味に浸れます。

刺身や焼きたらこなどの和風の酒の肴が中心ですが、お好み焼き串や揚げ物も安定の美味しさ。ちなみに本店のほかに、すぐ近くに「上野店」があり、そちらも落ち着いた雰囲気。40代以上のお客さんが中心で、大人の昼飲み場所になっています。

3,『肉の大山』

戦前から続く老舗食肉卸・株式会社大山の直営店。精肉卸直営ならではの肉の安さや品質の高さが特長。東京ビーフなどのブランド肉をつかった料理も提供しています。

マルイ裏から大統領があるJR高架下までは、いまでこそ飲み屋街となっていますが、15年ほど前まではアパレルや電気店などもある至って普通の商店街でした。その頃から業態をずっと変えずに続けている肉の大山は、この界隈のパイオニア的存在です。

ステーキや各種肉料理、イタリアンまで提供するレストランと、その店先に併設する惣菜スタンドの2タイプで営業しており、店頭ではコロッケやメンチカツをつまみに飲むことができます。名物のやみつきメンチは分厚くて肉汁たっぷり。お昼から肉屋の惣菜でビールを飲めば、きっと楽しくなるはずです。

4,『やきとり 上野文楽』

昭和33年に国鉄のガード下で、味噌ニンニクや辛子味噌をつけた焼鳥で商売をはじめた文楽。土日は正午から、平日も14時から開店しますが、あっという間に満席になる人気店です。

近隣の串焼き店は豚モツなのに対し、こちらは国産銘柄鶏をつかっているのが特長。串のサイズも大きく食べごたえは十分。牛もつを使う塩煮込みもクセになる美味しさ。

低価格の勝負ではなく美味しさで席を埋める名店のひとつです。

5,『もつ焼 でん アメ横店』

新宿にて「もつ焼きウッチャン」を開業させた店主が独立し、水道橋で創業したもつ焼き「でん」。白味噌に紅生姜などをあわせた特製の味噌が味の決め手で、濃厚な味に若い世代から支持されてきました。

中目黒や蒲田にも支店を出すほか、創業者の故郷・新潟の佐渡にももつ焼き店を開いたことで話題になりました。アメ横のJR高架下への出店は2021年。あとひく美味しさと評判のコッテリとした濃い味もつ焼きを頬張る人々で連日賑わっています。

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6,『魚草』

アメ横は、昔から鮮魚店が多く立ち並び、年末になると正月食材を買いに来る人で賑わう様子がニュースになるようなエリアでした。最近は、鮮魚店が店頭でお酒とともに魚を食べさせるスタイルが広まっており、一大立ち飲みタウンの様相を呈しています。そのきっかけとなったのが、『魚草』の成功です。

アメ横の活気ある雰囲気を感じながら、立ち飲みで瓶ビールや日本酒を飲みつつ、蟹脚や生牡蠣などが楽しめます。モウカの星やエイの肝刺しなどの珍味も人気。料理は500円から。

7,『立飲みカドクラ』

昔から焼肉店の多い上野。その中でも有名な店のひとつ、昭和38年創業の「大昌園」は上野で3店舗の焼肉店を展開しています。そんな大昌園は、2009年に上野の立ち飲みブームをうけて「立飲みカドクラ」を開業。焼肉店の経営ということで肉の美味しさで一躍有名店になりました。

自家製のビーフジャーキーや焼肉に使うような上等な牛肉をつかった串焼きなどが評判です。また、店頭には巨大な鉄板があり、手頃な価格で鉄板料理を食べることができます。

そんなカドクラですが、名物となったのは手頃な価格でクイックな立ち飲み利用者も注文しやすいハムカツです。”ミルフィーユハムカツ”と呼ばれる複数枚をまとめて揚げるスタイルで、中にポテトサラダを挟むなどの創作ハムカツが話題になりました。

8,『立飲み たきおか』

赤羽の酒販店系立ち飲み「いこい」で修行した店主が創業した、上野で人気の低価格（せんべろ）立ち飲み店。現在も酒の仕入れは「いこい」の母体であるアサヌマから行われており、つながりがあります。

営業開始は朝7時と非常に早く、毎日終電近くまで休みなく営業しているのですから非常にパワフルです。ビールメーカーの値段改定があった現在でもアサヒスーパードライ大瓶が490円と非常に良心的。名物の煮込みはなんと160円です！

肉豆腐（350円）などの煮込み系や焼きとんがメインですが、マグロ刺し（240円）、キス天（280円）のような魚介類もあり、立ち飲み好きの人なら間違いなく楽しめます。しっかり飲んで食べても概ね2,000円未満です。

9,『やきとんまるわ』

浅草橋の老舗やきとん店「西口やきとん」の店長を務めたカズヤさんが独立開業した「やきとんまるわ」。名物皿ナンコツをはじめとしたボリューム満点、食べごたえ十分な豚モツ料理が揃います。店名はカズヤさんの名前の「和」からとって、「まるわ」。

皿ナンコツ（左）は豚の喉ナンコツを周囲の肉と一緒にトロトロになるまで煮込んだもの。脂たっぷりでプリップリのカシラなど、もつ焼きはどれも豪快。そのため20代～30代の若いお客さんが多い印象です。

ほかではあまり飲めないレモンハイボールは、ここで必ず頼みたいアルコール飲料のひとつ。

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10,『上野藪そば』

明治25年創業と、今回ご紹介する上野アメ横エリアで最も歴史がある飲食店、『上野藪そば』。かんだやぶそばからの暖簾分けです。4代目が守る伝統の味は、上野という場所柄もあり、比較的気軽に楽しむことができます。

職人が打つ二八の手打ちそばに非常に濃いつゆは絶品。酒の肴も充実しており、土日祝日は通し営業ということもあり、お昼から「蕎麦前」を楽しむ人が非常に多いです。

生ビールは珍しい白穂乃香、日本酒は東京の老舗蕎麦の基本・菊正宗です。おつまみは、板わさや卵焼き、天だねなど、標準的な品揃えですが非常に洗練された美味しさがあります。

気になるお店はありましたか

20代が集まるにぎやかな店が多い上野ですが、『たる松』や『上野薮そば』など、ベテランの方がゆっくり飲める店が続いているのは嬉しいですね！

今回はチェーン店を含まないように10軒ご紹介しましたが、チェーンも候補に入れたら下記のようなお店もオススメです。

• 神田っ子 上野店 11:00～（着席型の昔ながらの居酒屋）
• えんぱち 平日14:00～ 土日祝12:00～（昭和の大箱酒場）
• 吉池食堂 11:00～（老舗デパートの食堂、家族連れ向き）
• ほていちゃん・さんたろう各店（上野店は10:30～）
• 一軒め酒場 上野駅前店 11:00～
• 晩杯屋ファンデス上野店 平日15:00～ 土日祝は13:00～
• テング酒場 上野浅草口店 平日16:00～ 土日祝は15:00～
• 銀座ライオン 上野西郷会館店 平日12:00～ 土日祝は11:30～
• 蔵元居酒屋 清龍 上野店 15:00～
• かっちゃん (ドリンク4杯+おまかせ天ぷら盛り合わせ1,200円、若い人が多い立ち飲み) 11:00～

（取材・文・撮影／塩見 なゆ）