浅草橋の老舗やきとん店「西口やきとん」の店長を務めたカズヤさんが独立開業した「やきとんまるわ」。名物皿ナンコツをはじめとしたボリューム満点、食べごたえ十分な豚モツ料理を肴に、アメ横で一杯いかがですか。
目次
活気に満ちたアメ横で、パワフルなもつ焼きを頬張る
戦後の混乱期に賑わいをみせたヤミ市由来のアメ横は、こんな時代も力強い商売とそれを求める人々で活気に満ちています。まるで、土地が記憶し、人々を吸い寄せているかのように。
飲食店は撤退や出店、店舗の建て替えなど変化を続けています。やきとん店は、2017年12月に「西口やきとん」としてオープンしたお店に変化がありました。残念ながら閉店したものの、2020年10月には同店の姉妹店である「やきとん元気」として営業を再開。それもつかの間「やきとん元気」は2021年に撤退。
この場所に、居抜きながら装いも新たに「やきとんまるわ」がオープンです。まるわのご主人・カズヤさんは、16年間西口やきとんで修行していた方で、料理やお酒は随所に名残がみられます。取材時、「状況が落ち着いたら、オリジナルの料理を増やしたい」と話してくれました。
店名はカズヤさんの名前の「和」からとって、「まるわ」です。
概ね、内装や構造は以前の店舗とかわりません。1階だけでなく、2階、3階も客席があり、最大100名以上を吸い込みます。値段はかわりませんが、焼台近くの立ち飲みカウンターが人気です。
やきとんの香りに包まれると、ますます飲みたくなるのがビールです。なにはともあれ、樽生ビールを頂きましょう。銘柄はアサヒスーパードライ。オリジナルロゴ入りジョッキに注がれて登場です。それでは乾杯!
品書き
飲み物のメニュー
生樽はアサヒスーパードライ。中ジョッキはなく、小(385円)と大(603円)。写真の生ビールで大なので、中ジョッキ気分ならば、大がおすすめ。1Lジョッキのメガ(1,155円)もあります。
仕事関係や味の好みでキリンを選びたい人も安心。大瓶(603円)ではスーパードライのほか、キリンも選べます。
ホッピー(白・黒セット495円)やホイス、バイス(小・各330円)などの東京レトロ系割材完備。一番人気は、西口やきとんから続く「特製レモンハイ」(小330円)。
そのほか、個性的なサワーや、意外と手頃な獺祭純米大吟醸(660円)などが壁のPOPでおすすめされています。
黒板メニュー
日替わりの黒板メニューは要チェック。クジラの心臓刺(550円)や、やきとんの台で焼く鮭ハラス(220円)、ガリバタイカステーキ(165円)など、海鮮系も意外揃っています。
定番メニュー
いまの時代でも、串は1本100円(税込110円)。レバ、シロ、黒カシラ、カシラ、ナンコツ、ガツ、タン、ハツ。
希少部位は、ナンナンやタンスジ、ホホなど165円。串焼きのキノコやうずらが人気で、フランスパン(110円)は煮込み系の付け合せとして頼む人が多いです。
煮込み(330円)、煮玉子(165円)、そして名物の皿ナンコツ(330円)。らっきょやもやしなど、小皿は110円からととてもリーズナブルです。お通しはありません。
お一人様も、4人での利用も
塩ゆでそら豆(220円)
開け広げた開口部の大きい入口。広い店内。お客さんに干渉せず、素早く料理もお酒も出してくれる店員さん。一人でのんびりスマートフォンで新聞やブログ、SNSなどを読みながらのんびりしたいときに、「まるわ」の雰囲気はとてもいいです。
テーブル席が多く、いくらでも吸い込んでくれる大箱なので、グループで行くのも安心です。街全体が賑やかなので、静かにのんびり飲むならば平日がおすすめ。そら豆をちびりとつまみつつ、串が焼けるまでの時間を静かに過ごします。
皿ナンコツ(330円)
ノドナンコツを周囲の肉と一緒にトロトロになるまで煮込んでいます。肉じゃがととんこつを合わせたような味。濃厚な豚の旨味と甘い味付けが夢中にさせる逸品。
辛子をたっぷりつけピリリと味を引き締めていただきます。
やきとん(110円/本)
みてください、このぷりっとしたカシラ。塩焼きは味噌が添えられてきますので、これをぐりっと掬うように塗って頬張ります。熱々、歯ごたえ十分。噛むほどに肉汁がでてきます。
味噌テッポウ(220円)
豚モツらしい食感や独特な旨味を楽しむならば、味噌テッポウ。珍しい味噌焼きです。香ばしい風味とくきゅっとした食感。ビールがますます進みます。
氷なしの特製レモンハイの大をもらって、あとはひたすらモツに向き合うだけ。
立ち飲みで静かに飲むもよし、4人までのグループで、小声で宴会するもよし。今風のゆるふわっとした雰囲気と、老舗由来の味が融合しています。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | やきとんまるわ御徒町本店 |
住所 | 東京都台東区上野4-2-10 |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 12:00~23:00(L.O.22:30) [土・日・祝] 12:00~22:00(L.O.21:30) 日曜営業 定休日 不定休 |
開業年 | 2021年7月 |