成城学園前「さんたろう」自然体で楽しむ店。ほていちゃんの新業態

成城学園前「さんたろう」自然体で楽しむ店。ほていちゃんの新業態

2021年10月2日

首都圏で人気低価格居酒屋チェーン「ほていちゃん」を運営するフォートップスの新業態「さんたろう」の1号店が東京・世田谷区に誕生。住宅街向けに開発された新業態の魅力を探ります。

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センベロとネオ大衆の中間

小田急線の成城学園前駅から徒歩1分の駅前立地に、今風の酒場が誕生しました。同駅周辺には商業施設があるものの、急行停車駅ながら飲食店街は存在しません。駅からわずかで閑静なベッドタウンという街。この地を1号店に選んだ「街かど酒場 さんたろう」は、これまでターミナル立地に出店を続けてきた「ほていちゃん」の郊外向けの新業態です。

ほていちゃんはもともと出店数に上限を考えていたと話す、同社のブランド担当者。ここ五年間でJR線の利用者が多い駅を中心に20軒近く近く開店してきましたが、いよいよターミナル立地は出店できるエリアが残り限られてきたように思えます。そうした中での、初のベッドタウン向け業態の登場です。その特長を見ていきましょう。

店のコンセプトは「銭湯」。渋谷道玄坂店から内装デザインに携わっている松本能和氏が手掛けています。コンセプトは「銭湯」で、桶のオブジェクトと、青く清潔感のあるタイル貼りのカウンターが特徴的です。

「ほていちゃん」同様、店のコンセプトは「パブリックスペース」。銭湯も酒場も、誰もが平等に過ごせる癒やしの場というテーマが込められています。

さて、店の構造ですが、ベッドタウン立地ということもあり、4人向けのテーブル席が多めです。建物脇のスペースには安心して外飲みできるテラス席が用意されています。

入り口側に立ち飲みカウンターを置き、店の敷居を下げるつくりは従来のほていちゃんと変わりません。

コンセプト的にはネオ大衆酒場と呼ばれるカテゴリーの店同様、昭和の酒場を現代風にアレンジ・ブラッシュアップさせたものですが、いわゆる「映え」要素はかなり控えめです。「カッコつけない」、「気取らない」、というのが方針だと担当者は話します。

品書きを見ていく前に、とりあえず一杯。ほていちゃん同様に樽生ビールは、サッポロ黒ラベルです。冷凍庫で冷やしたジョッキに注がれます。それでは乾杯。

品書き

差し込みメニュー

さて、気になるのはメニューです。ほていちゃんとどこが違っているか見ていきます。まずは差し込みメニュー。価格は変わらずリーズナブルです。だいたい予算は2,000円台前半というところでしょうか。

料理の半分近くはほていちゃんと共通です。同店特有の料理は、例えば「酒場の生パスタ」(550円)。店内にパスタ専用の調理機器が導入されています。

ドリンクメニュー

飲み物メニューは一見すると従来同様ですが、左上が生ビールではなく、ワインサワーから始まっています。僅かな違いですが、これが店のコンセプトをベッドタウン向けにずらしているポイントのひとつです。

看板ドリンクは蒼龍葡萄酒など国産一升瓶ぶどう酒を使ったワインサワー(363円)。赤と白があり、それぞれにコクとキレの2種類があります。

果実酒系を充実させた内容で、茨城の明利酒類の梅香サワー(363円)や、まさかの天羽飲料のエキスをつかったいぶし銀のぶどう割うめ割(各363円)もあります。また、同店より甲類焼酎等に宝酒造の焼酎が使用される方向で調整されているほか、日本酒も上撰松竹梅 焙炒造り(429円)や白壁蔵生酛純米(グラス528円)と、宝酒造で揃えられました。上撰松竹梅 焙炒造りはなかなか通好みのチョイス。宝の業務用といえば松竹梅豪快がおなじみですが、ここであえてマニアックな銘柄を置いたのは中の人のこだわりです。

立ち飲みスペース限定で、サッポロラガービールの大瓶も提供があり、ほていちゃん同様に税込みで410円と安さをアピール。

定番メニュー

「店の看板には煮込みと書いているものの、あえてノーマルな煮込みを出さないのが『さんたろう』です」と担当者。チリコンカン(319円)にビーフシチュー(429円)など確かに煮込んだ料理。このチョイスが成城学園前周辺のお客さんにどう伝わるでしょう。

ほていちゃんの定番人気料理「本まぐろブツ」は、さんたろうでは「特本まぐろブツ」(539円)にレベルアップ。先述の通りパスタ専用厨房機器導入により、生パスタは定番で4種類(塩こんぶナポリタン豆乳カルボナーラなど、各550円)登場。食事がてら軽くお酒を飲むというシーンに最適です。

料理はトータルで「国産食材」と「肉類のパワーアップ」を行ったとのこと。

昔のほていちゃんと全然違う。進化し続ける同系列の最新料理

煮込み四天王その1・チリコンカン(319円)

冷めない工夫、ステンレスの断熱ボウルで提供されます。注文を受けてから温めるので、ホクホクの状態で運ばれてくるのが嬉しいポイント。食べやすい味付けでビールが進みます。

煮込み四天王その2・自慢のビーフシチュー(429円)

この価格とは思えないほど、ゴロゴロとブロック肉が入り、非常に満足度の高い一品。同社の仕入れ力を感じる一品です。

煮込み四天王その3・ラムグリーンカレー(450円)

カレー専門店がはじめるカレー酒場が巷に多数オープンし感度の高い人を中心に話題になっていますが、いよいよ大衆酒場にも近年カレーブーム到来。さんたろうではグリーンカレーというだけでなく、ラムの中落ちを使いより尖った料理になっています。しかも、写真の通りゴロゴロと大量のニンニクが入っています。

バケット(3枚90円)と一緒に食べてもよいですし、ごはんセット(209円)を追加しカレーライスにもできます。

煮込み四天王その4・鶏とセロリのトマト煮(396円)

銘柄鶏の健味どりを使用したトマト煮。煮込みの中では最もヘルシーそうに思えますが、ここにマヨネーズを落として一気にジャンクな感じにして楽しむのも良さそう。パクチー(90円)を載せてエスニック感を高めつつワインサワーを合わせれば、気分はすっかり今風のネオ大衆酒場です。

赤ワインサワー<コク>(363円)

近年、ますます注目されているワインのソーダ割り。さんたろうでは、店のコンセプトアイテムとして導入しています。飲み心地がよいのでスイスイと飲めます。※お酒は適量で

ぶどう割(363円)

しっかり飲みたい人は、こちら。甲類焼酎に天羽飲料製造製ぶどうシロップをたらしたぶどう割。飲み過ぎにご用心。

塩こんぶナポリタン(550円)

平打ちの生パスタを使用しつつ、塩昆布を乗せることでぐっと大衆酒場に寄せてきたおつまみ系ナポリタン。パルメザンチーズが1本でてきて気持ち多めに振りかけることもできるのが嬉しいポイントです。

富士高原豚使用 豚串カツ(209円)

ここからはぐっと酒場的な料理をご紹介。串カツはいままでほていちゃんでも”ありそうでなかった”料理。揚げたてでジューシー。食べごたえがあります。

鉄板豚肩ロースの塩レモン焼(396円)

塩レモン味の豚はお酒を誘います。

鉄板ソーセージ(200円)

値段とボリュームのバランスがおかしい!と笑ってしまいそうな、ソーセージ。6本で200円はスーパーのお惣菜よりもリーズナブルです。

デュワーズハイボール12年(473円)

そんな怒涛の肉料理たちに、ハイボールをあわせました。通常のホワイトラベルでも美味しいスコッチのデュワーズですが、ほていちゃんはワンランク上の12年を500円を切る値段で提供しています。しっかり濃いめです。

より和食的なチョイスも。バラのりやっこ(176円)

200円未満の料理がちょいちょいあるので、飲み方次第では千円前後で楽しめます。たっぷりとバラのりがもられた冷奴は、安くても期待どおりの盛り付けです。

訳あり特本まぐろブツ(539円)

大トロ刺しがでてくる、まぐろブツ。さっきまでのエスニックテイストゆ肉特集が夢だったかのような、お刺身や冷奴などが用意されています。

そうすると、お酒は上撰松竹梅 焙炒造り(トックリ429円)がいいですね。

使い方は利用する人次第で千差万別、気軽にふらっと立ち寄れる大人の公園のようなスペースです。

なお、さんたろうの由来は、海、山、里の料理が揃うことから、海=浦島太郎、山=金太郎、里=桃太郎で、さんたろうとのこと。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/株式会社フォートップス)

店名街かど酒場さんたろう
住所東京都世田谷区成城2丁目40−3
営業時間営業時間
[月~金]
16:00~23:15 (L.O.22:45)
[土・日・祝]
13:00~23:15 (L.O.22:45)
日曜営業
定休日
無休
開業年2021年