池袋から西武池袋線の急行で約10分。ベッドタウン・石神井公園。駅名の由来である石神井公園は、武蔵野三大湧水池のひとつで、広い敷地内にはボート場や水辺観察園、遊歩道などが整備されています。
公園を起点として石神井川ウォークを楽しむのもよいのですが、同じ水ならお酒がイイ!ということで、本日も酒場めぐりに流れましょう。
石神井公園は老舗食堂やもつ焼き店に加え新進気鋭の酒場が多く、いま注目のエリア。2019年2月にオープンした「兄兄酒場BELL」も、地元で人気の一軒。
魅力はなんと言っても、兄兄と書いてにぃにぃと呼ばれているマスターの人柄です。沖縄出身でそこ抜けに明るいマスターは、酒場なれした黒帯のんべえをはじめ近隣の飲食店の中の人にも親しまれています。
お店は駅北口を線路沿いに2分ほど歩いた先、飲食店ビルの地階にあります。地下にある新しいお店、事前情報がないとやや躊躇してしまいますが、いざ覗いてみましょう。
遅い時間になればなるほどにぎやかになる「BELL」。ここだけは飲みのスタートが遅い沖縄時間が流れています。
ちょっとしたテーブル席とカウンター席という配置。L字のカウンターに5名ほど、テーブル席は2組ほど。ちょうどいいコンパクトさで、兄兄と料理人さんで切り盛りされています。
はしご酒だとしても、一杯目にビールを飲めば気持ちはリセット。では乾杯!
樽生ビールはサッポロ黒ラベル。400型ディンプルジョッキで380円となかなかリーズナブル。お客さんの要望で入ったという赤星ことサッポロラガー(600円)と、キリンのハートランド(600円)、ふたつの瓶ビールもあります。
酎ハイ・サワー類は350円均一。炭酸系のサワーはサッポロビールの樽詰サワー、意外と隠れファンがいるホワイトブランデーベースの「氷彩」を使っています。
その他、焼酎、ウイスキー、ワインなどいろいろ。日本酒は兄兄のおすすめがあるので聞いてみましょう。
さて、おつまみはどうしましょう。兄兄は元ドミナント展開している飲食企業で働かれていた方。そして料理人さんも和食で修行経験がある飲食業界ペア。それもあってか料理の種類は箱(席数)の大きさと比べて非常に多いです。
最初は、スナックぽいな…と思っていた人も、手頃なアルコールメニューと和洋折衷なんでもござれな献立をみて、「おぉ、ここは飲み屋だ!」となるはず。ちなみに嬉しいことにチャージ・お通しはありません。
旬の魚介類や揚げ物だけでなく、串もんも充実。焼鳥だって片手間ではなく、ちゃんと焼鳥台で時間をかけて丁寧にやっています。
でも、兄兄の出身地、沖縄の料理はないんですよね。不思議。品書きの背景にある花も勝手にハイビスカスと思っていましたが、あ、これ椿ですよね?
キハダマグロ刺し(680円)から。ほかにも黒むつ刺し、赤海老刺し、天然真鯛刺しなど、580円からお刺身は常に数種類。
こちらは子持ちコンブ(680円・本写真は1月に撮影)。ボリューム満点です。
カウンターで一緒になったお隣に座るベテランの女性グループとBELLをはじめ近隣の飲み歩き情報の意見交換をしていると、BELLはちくわの磯辺揚げがよいとレコメンド。情報はありがたい!
青のりをさらに振りかけて食べるのがポイント。
夜でもサングラス!兄兄のおすすめ、秋田県八峰町にある山本合名会社がつくる純米「ど」。
お酒は半合300円からと手頃な価格でいろいろ飲めるのが嬉しいですね。発泡系の「ど」は、まさに米のハイボール。
また、別の日(秋)には島根県出雲市にある造り酒屋「冨士酒造」の出雲富士・秋雲をだしてくれました。季節感のある売切ごめんのお酒を楽しんでみてはいかがでしょう。
つくね、もも(各150円)。
おつまみチャーシュー(580円)。飲み屋好きの心をくすぐるおつまみばかり。楽しいトークとあれもこれも気になってしまう料理の数々、そして手頃な値段のお酒。夜11時過ぎにも関わらず満席な理由がわかります。
氷彩サワーを飲みながらワイワイ過ごしてすっかりほろ酔いです。危ない、そろそろ終電がなくなります。
兄兄酒場 BELLは西武線よりも遅い、29時まで営業。むしろ始発まで飲めるお店です。ノリは那覇の路地にある酒場兼スナックのよう。深夜になると、石神井公園で商売をされている居酒屋のオーナーさんたちが自店の暖簾をさげたあとに飲みに来る、夜業態の人々のオアシスになっているそうです。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材時期/2020年2月以前)
兄兄酒場 BELL
03-6913-2088
東京都練馬区石神井町2-7-5 ブルーストーン石神井 地下1階
19:00~29:00[翌朝5時](毎月22日定休)
予算2,500円