三軒茶屋「富士屋本店グリルバー三軒茶屋」 ワインを楽しむ”ツリボリ立ち飲み”が帰ってきた!


「美味しい料理を手軽な値段で。」

外食をする上で、このテーマは永遠です。「コスパ」という言葉が流行り始めるはるか以前から、日本では安く飲むために「立ち飲み」という外食文化が形成されてきました。

単純に安いだけでは誰かが疲弊する―。そこのバランスをとるため、一人あたりの専有面積を減らし、回転率を上げ、よりお店を利用する人の数を増やしてみんなで楽しむものが立ち飲みです。千円で飲める店だけでなく、質を高めたお店もよいものです。

 

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渋谷で「ノンベエの楽園」と愛されている老舗の富士屋本店は、いまの”コスパ”ブーム、”センベロ”ブーム以前から存在する「酒場遺産」。そんな富士屋本店は、系列で「センベロ」にこだわらない「美味しい料理を手軽な値段で。」型の立ち飲みを数軒開いています。

 

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渋谷から東急田園都市線で2駅、三軒茶屋駅前で2010年に開いた富士屋本店グリルバーは、立ち飲みでありながらソムリエが勧める質の高いワインや本格的な洋食を居酒屋価格で楽しませてくれるお店として大人気店になりました。

オープンから5年後…。再開発のため三軒茶屋の富士屋本店は多くのファンに惜しまつつ閉店となりました。そして、3年の沈黙のあと―。

 

三軒茶屋に富士屋本店が戻ってきました!

 

三軒茶屋といえば、三角地帯が一昔前で時が止まったようなディープな飲み屋街として知られていますが、歩いてみれば意外なほどに庶民的な商店街が縦横に伸びています。私鉄沿線らしい細い路地に賑わいがある光景は、ハイブランド路線・東急田園都市線でもいっしょです。

 

新しい富士屋本店は、元は駐車場などがあった場所に建設されたGEMS三軒茶屋。富士屋本店は3階に入りました。

 

外観は近未来的な斬新なデザインでも、一歩店内へ入ってみると、そこは嘘偽りなく「酒場の色」です。

 

かつての店舗を彷彿とするコの字カウンターが中央に配され、完全オープンキッチンを囲んでいます。非常に特徴的なつくりです。魅せる調理と、お客さん同士の一体感や空間共有の楽しさが感じられます。

もちろん、富士屋本店なのでメインは立ち飲みです。

 

テーブル席も同店では充実しています。4人テーブルや、ハイチェアの6人テーブルが並びます。しばらくは予約の取りにくい特等席になるでしょう。

 

コンパクトなテーブル席もオシャレです。他の店舗よりも通路に余裕があるので、窮屈感はなさそうです。天井も高く取られています。

 

富士屋本店は酒販店がルーツで、広い意味で「角打ち」(酒屋直営)でもあります。卸直送のお酒は、とくにワインの質の良さや手に届く価格帯で良いものを揃えているのが特長です。グラスワインも赤、白それぞれ7種類と充実しています。

ビールは渋谷の地階同様、サッポロ。バカルディラムハイやデュワーズのハイボールが400円台とリーズナブルです。

 

スパークリングワインで乾杯!もよいですが、ここは歴史に敬意を表して、一杯目はサッポロ黒ラベル。富士屋本店の文字入りのサッポロ脚付きグラスには、状態抜群の生。それでは乾杯。

 

レーシングがきれいにでる生ビールは、品質や洗浄を徹底している証。富士屋本店ワインバー(渋谷)や浜町店(中央区)があんなに調理をしていても厨房が新品同様にピカピカなのは、徹底した清掃のたまものでしょう。いい料理は、いい厨房環境がポイント。

 

富士屋本店は結構よいものを普段遣いできる価格で楽しめるグリルバー。品書きにも魅惑の料理がずらりと並びます。ポーションも結構多いものが多く、それは料理が来てから説明しましょう。

 

昔からの定番であるポテトサラダや香草ボンバー、グリルバーですから肉料理も豊富で、しっかりとした赤ワインにも負けない顔ぶれが揃います。

 

オリーブ(450円)や自家製ピクルス(450円)、奥は鮮魚と花のカルパッチョ。ちょっとつまむのに丁度いい。もちろん値段も手頃でよいですね。

 

ジャンボマッシュルームとブルーチーズ焼き(850円)も、チーズたっぷり。今日は数人でシェアしていますからあれこれ食べられていますが、一人ならばこれでフルボディの赤ワインがあれば大満足でしょう。

 

こだわりのワインの品揃え。さらに立ち飲みではまず使わないこだわりのグラスも惜しみ無くつかわれていて、常識を覆す質の良さに惹きつけられます。チョイスはもちろんソムリエや、ワインを勉強されたスタッフの皆さんによるもので、ラフに聞いてもいいものをオススメしてくれます。

 

乾杯は、スペインのカバ(バック・カバ・エクストリシモ ブリュット)。バランスの良い酸味とレモンのような香りが心地いいです。ビールに続いて、改めてスパークリングワインで乾杯。

 

合わせるフードは、まるでソフトクリームのような牛レバームース(1本300円)。炭のコーンに入り、その苦味がレバームースの味を引き締めます。

 

三茶のポテサラ(600円)。トッピングも美しく、ねっとりとしたコクのある味もワインと相性抜群。

 

農園サラダ(850円)は、ボリューム満点。ドレッシングの使用量は控えめですが、野菜の味が強く、しっかりとテーブルの上で主張ある一皿です。

 

ワインは渋谷の富士屋本店ワインバー同様に厚さ2センチメートル以上ある分厚いワインリストから選べ、もちろん料理にあわせて聞いてみるのもあり。ワインから料理を選ぶか、料理からワインを選ぶか、そんな時間もこういうお店ならではの楽しみです。

 

牛ハートの炙りと姫竹(950円)。厨房でつぎつぎと作り上げられる料理はどれも平凡ではなく、気になるものばかり。その日・その日で内容も変わるので、食いしん坊ならばまさに天国です。

 

イベリコ豚アバニコのグリル(1,300円)は、丁寧な仕事としっかり満足させようというボリュームある盛りが魅力。

 

フードでは一番の高級品、特選黒毛和牛のポワレ(2,200円)。ふっくらした食感とじんわり広がる美味しさ。本格レストランだとシェアできないですが、ここは立ち飲み。数人でシェアすれば美味しいステーキも手軽なおつまみです。でも、すごく美味しかったので今度は独り占めしたい(笑)

 

たっぷり飲みたい人なので、スコッチ・デュワーズのハイボールをメガサイズで。1Lほどのジョッキで700円で、立ち飲みらしいお祭り感覚はより盛り上がります。

 

さて、ここは実はテラス席があります。気候がよいときは、のんびり夜風を浴びてワイングラスを傾けるのも、三茶の幸せのひとつでしょう。道から離れているので恥ずかしくありませんから。

 

フルオープンキッチンを見渡すコの字カウンターは、ツリボリ跡を使っていた以前のお店を彷彿とさせます。

 

リーズナブルな料理から立ち飲みの域に収まらない高級食材まで、楽しさいっぱいのです。見せかけだけや、食材の名前や産地、等級で箔をつけずに、本質的な料理やお店のライブ感が人々を惹き付ける富士屋本店グリルバー。ちょっぴり”コスパ”系贅沢を楽しんでみては。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力:サッポロビール株式会社)

 

富士屋本店グリルバー
03-6450-7322
東京都世田谷区太子堂4丁目23−11GEMS三軒茶屋3階
17:00~24:00(土・日・祝日16:00~24:00・月定休)
予算4,000円



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