三軒茶屋「もつ焼きばん 三軒茶屋店」 田都線でもとんび豆腐とレモンサワーが楽しめます


中目黒で1958年(昭和33年)創業のもつ焼き「ばん」は、山の手を代表するもつ焼きの酒場です。もつ焼きのお供としてレモンサワーを日本で初めてメニューに加えたとされるお店としても知られています。

2004年に中目黒の創業時の店舗は惜しまれつつ閉業。その翌年、創業者のご親族が中目黒を継ぎ、祐天寺にて「もつ焼きばん」を開店。2006年には親戚の方が五反田にて「もつ焼きばん」を開き、「ばん」は現在ふたつの流れがあります。

五反田店の系譜である新店舗がこの春、三軒茶屋にオープンしました。長く、東横線ユーザーに愛されてきた暖簾が、60年の時を経てついに田園都市線で動き始めました。

 

もつ焼きばんと言えばレモンサワーの原点として知られ、中目黒の元祖「ばん」へ炭酸を納入していた目黒の割材メーカー・博水社の社長がばんのレモンサワーをヒントに、我輩のサワー「ハイサワー」を生み出し、それから日本中の酒場へレモンサワーが広まっていきました。

 

「ばん」と言えば、もちろん看板料理のもつ焼きがイチオシ。それだけでなく、「レバカツ」や豚のしっぽを使った煮込み「とんび豆腐」も、ばんの暖簾を半世紀以上支えてきた名物料理です。

 

ビルの完成とともにオープンした三軒茶屋のばんは、まっさらからつくったピカピカの店舗です。激渋・硬派な酒場好きにはちょっと物足りないかもしれませんが、煙対策やお手洗いなどで最新の設備は嬉しいもの。

 

平日の早い時間から満員状態の人気。お客さんは2000年代の酒場では考えられなかったほど若い人でいっぱい。平均年齢は私よりも低いかも。昔は最年少だったのに、すっかりいい歳に(笑)

 

ビールは生がサッポロ黒ラベル(480円)。瓶では赤星ことサッポロラガー(580円)。祐天寺、中目黒とサッポロ系で、三軒茶屋店も基本的に飲み物はいっしょ。

最初は生ビールから…と行きたいところですが、ここは酒場でレモンサワーを始めた元祖の暖簾に敬意を表してレモンサワー(サワー300円+レモン120円)スタート。

 

炭酸と甲類焼酎は別々に登場。星印のジョッキに結構たっぷりに甲類が入っているので、大衆酒場馴れしていない人にはきっとガツンと来る濃度でしょう。レモンは各自で好きな量で搾ります。贅沢に一個使うもよし、二杯目に残しておくもよし。中身(焼酎)は200円で継ぎ足せます。

 

割り用の炭酸はもちろん博水社のものです。そーっと注いで完成。では乾杯!

 

昔ながらの”ペライチ”のメニュー表。もつ焼きは1本単位で頼めて110円。きくあぶらやちゃんぽんなどあまり聞かない串もあります。なんやわ(はつもと)が私の好物。

一品メニューのしろもつ刺しやガツ刺しも人気です。

 

一品目は、ばんの名物・激辛とんび豆腐(450円)。似たもので激辛とんび汁豆腐(320円)がありますが、汁のほうはその名の通り、とんび(しっぽ)なしのもの。

 

激辛と書いてありますが、辛いものが大の苦手の私も毎回注文する程度の優しい味です。豆腐が中和してくれて、その余韻にはサワーが抜群にあいます。

 

豚尾と書いて「とんび」。濃厚な味ですが、けものっぽさはなく、コクがあってクセになる味です。ナンコツ周辺のとろとろをしゃぶるよう楽しみます。

 

煮込みやとんび豆腐で始めているうちに、そろそろもつ焼きが良き頃合い。モツは昔から変わっていなくて、お店による違いは串打ちの差くらい。

 

ちゃんぽんは、頭の赤身とアブラを交互に打ったもの。これの塩焼きで毎回、笑顔にさせてもらっています。

 

チキンボールやハラミ、タンもとなど、それぞれにファンがいます。

 

学生時代から「ばん」で飲んでいましたが、あの頃は炭酸を節約して飲んでいたっけ。いまは大人なので適量注いで、炭酸、焼酎、レモンとローテーション。

 

箸休めに「もろトマト」(280円)。ここでは冷やしトマトと呼びません。毎日の野菜補給は冷やしトマトです(笑)

冗談は別として、トマトとレモンサワーの組み合わせは爽やかすぎるほどで、梅雨を乗り切るにはぴったりです。

 

マカロニサラダ(280円)。酒場で食べるマカロニサラダって、不思議と箸が止まらないですよね。もつ焼きのタレをかけて食べるのも美味。そしてなにより、レモンサワーが進む、進む。一人飲みなのに、レモンが山積みになりそう。

焼酎(中身)おかわりするとヒヤタン(水用のコップ)に焼酎と氷が入ってきます。

 

野菜もしっかり入り、もちもちとした食感とジャンキーなマヨ味の美味しさ。あぁ、マカロニサラダだけあれば…いや、美味しいもつ焼きの後だから美味しく感じるのでしょうね。

お店の人もお客さんも若くて元気ある方ばかり。大衆酒場の若返りが始まっています。老舗暖簾とはいえ、ここならば酒場入門の方も安心です。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

もつ焼きばん 三軒茶屋店
03-6804-0688
東京都世田谷区太子堂4-23-9 Ordin三茶1stビル 1階
17:00〜28:00(土日祝は16:30~・無休)
予算2,300円



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