角打ちといえば酒屋の店内で飲めるお店の総称ですが、いくつかに分類分けをすることができます。
まずは、もっとも古典的な角打ち。酒屋の店内に飲酒スペースがあるだけで、缶詰や乾き物だけの提供。お手洗いもなく、保健所的にも飲食店という扱いではないスタイル。新宿の根本酒店や品川の大平屋酒店など。
そして、そこにお手洗いがついてちょっとした料理をだすタイプ。神田の藤田酒店や三ノ輪の鈴木酒販など。
さらに、酒屋と飲酒スペースの空間が完全に仕切られていて別のお店のようなタイプ。あとは、酒屋が経営している飲食店を角打ちということもありますね。
いずれにしてもお酒の安さと品揃え、そして店主の知識が角打ちの魅力にかわりありません。
角打ちの多い台東区ですが、入谷の付近ならばここ「村田屋酒店」。住所は松が谷。
駅の近くということもなく、落ち着いた住宅街のなかにそのお店はあります。
炭酸カゲツを取り出すご主人。お酒もずらり。
酒屋さんなのだけど、店内に椅子があって試飲できる。ここまでは普通なのですが、おつまみが試飲レベルの想像をはるかに上回るバリエーション。しかも手作りの料理がかなり豊富。缶詰で飲むという概念はここではまったく通用しません(笑)
お酒の種類も豊富で何を飲もうか迷うほど。ちょっとやそっとの居酒屋さんよりはるかにワクワクするこの感じ。
生ビール(アサヒ・320円)、樽ハイ倶楽部(170円)、酎ハイ(220円)、そして樽酒もあります。
笑ってしまうほど安く、何で儲けているのかわかりません。さすがです。
ご主人はとっても親切で気配りが上手な方。笑顔が素敵な方で、とてもよくしてもらいます。
お店は広く、家庭用の普通のテーブルやまるでテラス席のようにポップなテーブルが並び、その上にテーブルクロス。
手作り感満載、優しさいっぱいの空間は、たくさんの常連さんで溢れています。店内にはテレビもあるので、みんな情報番組に夢中。
おつまみが壁にずらりと書かれていますが、私の知る限り、酒屋さんの店内で食べられるお店で最多の品揃え。
寒いですからねー、煮奴(300円)でもいきましょうか。
甘めのおつゆにたっぷりのお豆腐と葱。注文が入ってから作り出し、ぐつぐつとした状態でだされるので、この時期とくに嬉しいです。
1合280円の樽酒をもらって煮奴と合わせれば、とにかくいい感じ。
それにしても、ラーメン(250円)やお好み焼き(300円)もあってご近所の方ならばこの村田屋さんにいけば晩酌と夕飯がいっぺんに済ませて、しかもご近所の旦那衆と情報交換できるから完璧なのでしょうね。
看板猫がここのアイドルで、とにかく人懐こい。酔っ払いたちといつもじゃれています。とてもおとなしい子で、私の膝の上でぐっすりおやすみモード。
可愛いですねー♪
ま、まさか、取材にきている私にあえて絡んできた?(笑)
そのわりに、カメラに視線を合わせてくれず大あくびの後はスースーと寝息をたてておりました。
猫好きの方も、お酒好きの方も、ぜひ一度はこの素敵な下町角打ちを体験しにきてください。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見なゆ)
村田屋酒店
03-3844-0812
東京都台東区松が谷3-11-14
17:00~22:00(日祝定休)
予算1,000円