田原町「やきとんたくちゃん」 雰囲気、立地、なにより味よしの新やきとん

田原町「やきとんたくちゃん」 雰囲気、立地、なにより味よしの新やきとん

2017年7月27日

2017年6月13日大安、浅草田原町に雰囲気よしのやきとん新店舗「たくちゃん」がオープン。御徒町のまーちゃんで修行されたタクちゃんが独立して誕生した酒場です。御徒町のまーちゃんは個性的な味つけの味噌タレのカシラやシロの炭焼きに、キンミヤホッピー、赤星など下町酒場系のお酒をあわせる店で大人気となった酒場で、中野区野方・秋元屋の流れをくむ1軒でもあります。

場所は雷門通りにも近い飲み屋がぽつりぽつりと点在し、小料理屋も小さくのれんを掲げる雷門1丁目。浅草の繁華街に近すぎず、それでも土地勘がある人には行きやすい、ちょうどいい立地。

国際通りから一本路地へ曲がり、さらに小さな電照看板を目印に小路に入るというのも、隠れ家的な雰囲気があり浅草の喧噪から離れ、浮世から隠れた感じ。

こういうところの赤ちょうちんに照らされて飲む瓶ビールやホッピーは最高なのです。

可愛いブタのマークは、たくちゃんの娘さんが描いたもの。どことなく、ご主人に似た愛嬌を感じます。

10人程度のL字カウンターとテーブルが3卓ほどの小箱な空間。いまの季節は開けっぴろげて、暑さ収まる夕暮れの風を感じながら、ビヤガーデン的な開放感を楽しみたい。

ビールは地元吾妻橋の会社・アサヒビールと、秋元屋・まーちゃんの流れ同様にサッポロラガー(赤星)が入ります。いずれも中びん530円、生樽はなし。焼酎はキンミヤ、酎ハイ類は380円から。天羽飲料のエキスを使った梅割り・ぶどう割りや焼酎ハイボールもあり。ホッピーはセットで420円。黒ホッピーもあります。

秋元屋の系譜をたどると蕨の喜よしにたどり着き、同店の近くにあったサッポロビール川口工場(現在は千葉に移転)でつくられる赤星とカシラの味噌焼きの組み合わせは、その頃からの伝統的なお付き合い。この漂う味噌の香ばしい香りに赤星がよく合います。乾杯!

さてさて、やきとんを注文したところで、焼けるまでの間はいつの季節でも煮込みと行きたいところ。すっきりした煮込みはまーちゃんの頃とほぼ一緒。丁寧な下ごしらえを感じ、旨味を吸った豆腐だけ(250円)でもその美味しさは十分に感じます。

150円のキャベツ味噌は、こってり系のもつの合間の箸休めにぴったり。リーズナブルですし、健康にも良いのでノンベエにぴったり。

赤星から焼酎ハイボールへ。氷なし、キッコーミヤ印の予め冷やされたグラスに強タンサン。美味しい一杯です。

福岡出身のたくちゃん。福岡の酒場の定番料理・酢もつ似なガツ酢で一献。よく使っていて酸味と甘味がお酒を進ませす。

キンミヤの豆乳割りも人気ドリンクです。取材中もキッコーマンの調整豆乳が売り切れてしまい、近所へ女将さんが買い足しにでられていました。お砂糖などは入っていないのに不思議とキンミヤ焼酎の甘さが引き立ち、余韻が爽やか。もつの脂も流してくれるような印象。

やきとんは1本単位で注文可能で130円から。キレイにみっちりと短冊状に串打ちされていて、新店舗とはいえ確かな腕とわかります。焼けた順に提供されるので、焼けた順にちょいちょいと出来たてを頬張りたい。

がつ芯や豚のぼんじりなど珍しい部位もあるので、やきとんがますます楽しくなります。

にんにく香るコクのある味噌タレを重ねて焼き上げるカシラは絶品。豚の脂がほどよく炭に落ちて、その際に立ち上がる煙に燻され香ばしい。

さらっとしていて甘さ・醤油のバランスがいいタレ。丁寧な下ごしらえがされた余分な脂を削ぎ落としたシロは、カリカリの仕上がり。タレとのバランスがぴったり。

やきとんと言えば、通常は塩か甘ダレですが、ここではぜひ味噌をお試しください。

腰を据えじっくり飲みましょうか。混雑時は2時間制ですが、まだオープンから1ヶ月程度でさほど知られていないからか比較的ゆったりと楽しめます。今後、きっと評判が広がるでしょうから、もつ焼好きの方はお早めに!

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

やきとん たくちゃん
03-3843-0670
東京都台東区雷門1-16-2
17:00〜24:00(土日祝は16:00~・月定休)
予算2,100円(席料100円)