北千住は名酒場が山ほどあり、飲兵衛ならば一度は訪れたい街。
築地とならぶ東京の魚河岸、足立市場が近くにあることからこの界隈は魚で飲ませてくれるお店が多いです。
駅の近くに山ほど飲み屋はありますが、今日は少し足を伸ばしてみましょう。
歩くこと10分。住宅街の中を進むため、こんなところに飲み屋なんてあるの?と不安になりますが、そこを進めば見えてきます「さかなや」の文字。
市場食堂というだけあって、ここは仲買人の直営店。毎日足立市場で働く仲買人ならではの感性で、旬の魚や「おっ」と思わせる種類が並ぶのが特長です。
お店はカウンター数席と小上がり、奥は宴会もできるお座敷があります。
まずは腰掛けて、本日のおすすめを見て行きましょう。
白えび唐揚げ、焼き空、車海老、おぉナメタもあるのですね。牡蠣も食べたいなぁ。
カウンターにはショウケースがあり、そこにはパンパンにまるままの魚が置かれています。これはクエ、これは真鯛、これはブリですね。
一杯目の瓶ビールはキリンラガー、苦味がきっりきしたエッジになっていて美味しいですね。乾杯。
飲みながら大将とお魚について軽くお話。今日は鯛がいいよ!ということで、まずはお刺身から始めましょう。
もっちり、ねっとりとした旨味。大きく来られているので一切れずつが食べごたえ十分。
日本酒は10種類ほど。純米から昨今話題の熟成酒まで幅広い。グラスいっぱい溢れるほど注がれるのはやはり気持ちが良いですね!水飲み鳥になりますが(笑)
揚豆腐のあおさ餡かけ。ボリュームがありますが、お豆腐はヘルシーですしあおさは無理せずにたくさん海藻を食べられるからいいですね!
だしがほど良く、日本酒の味と共存するすばらしき液体系おつまみ。
ナメタガレイはかなり大ぶりのようで、ぶつ切りにしたものがでてきました。
身の厚さは片面だけで2cmはあります。いやいや、これはさぞかし大物でしょう。もっちりとしていながらも、身離れは良くてこれはたまりません。
味付けはやや濃い目。となると私はビールへ戻ろうかな。
サッポロヱビスをもらって、カレイのえんがわに”むしゃぶり”ついていると、やってきました生牡蠣。
頼もうと思っていて忘れていたので、煮魚の後に来てしまいましたが、それでもぼやけないくっきりとした磯の香り。海水を飲んでいるかのような複雑な旨味。
その余韻を追いかけてヱビスをすっと。
至福の瞬間。これだから飲み歩きはやめられません。
最後はねぎま鍋を。カンカンに熱した土鍋の上で沸き立つつゆ。マグロとネギが踊っています。
思わず「へへっ♪」と声が漏れてしまいます。
今回はいただきませんでしたが、生うにやクエ、関アジなど、魚好きを悩ませてしまうような海鮮で溢れかえっているお店。
いつもの人気店も良いけれど、少し歩けばまだまだこういうお店が隠れているものです。北千住ってなんと素敵な街♪
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見なゆ)
市場食堂 さかなや
03-3881-4286
東京都足立区千住4-11-6
17:00~22:30(日定休)
予算3,500円