ご縁がありまして甑島(こしきじま)にご招待いただいた私。
そういえば、ここの話を書くまえにも甑(こしき)という文字をどこかで使ったことがあるなぁと考えてみると、日本酒の製造において、「甑取り」というものがあることを思い出しました。甑取りとは、大釜でお米を蒸す行程で、甑の底にあいた小さな穴を使って蒸気が上がりお米を蒸すというもの。いまはもう使われていませんが、清酒行程の精米の次に来るものです。
そんな甑という文字を使う甑島、ここにも銘酒「甑州」があります。今回の旅の目的は、この甑州を満喫すること。
さて、そんな甑島は、上陸してみたら凄い島でした!
海と山が迫っていて、複雑な地形、断崖絶壁があるなど今までの人生ではじめて見る景色がそこに広がっていました。
(取材協力/鹿児島県・九州旅客鉄道株式会社 東京支社)
東京育ち、毎日駅前の赤ちょうちんで飲んでいる私には、日常と完全に真逆の光景。
ただただ感動です。
甑島に広く自生するカノコユリは、この島を代表する植物です。
花よりお酒な人でも、このユリが道沿い大量に咲いている光景は感動することまちがいなし。とにかく群生しています。ちょうどお盆休みの頃が季節になりますので、甑島はこの季節が一番盛り上がるのだそう。
景色だってとにかくスゴイ。どうですか、この景色!絶景でしょう。周囲がぐるりと水平線なんて場所はなかなかいく機会がありません。
あの波打ち際はきっと素敵な鯛やイセエビがいるんでしょうねー。早く食べたいなー。
これが夕焼けの時間になるとまた表情が変わって美しい。
甑島と書いていますが、正式には列島になっていまして、大きな島は北側が上甑島。南側が下甑島で、今回私が缶ビール片手に観光しているのは下甑島。この間は九州本土とを結ぶフェリーがつないでいます。現在は架橋工事が進められていて、いずれは繋がるのだそう。
地層マニア必見!いったい何億年前までが露出しているのかわかりませんが、この断崖はすごい。地層マニアのタモリさん、いずれここを訪れそうですね。
そんなところからの夕日が感動する美しさ。約900キロ先はちょうど上海があります。
このときばかりは飲むことも忘れ、夕日に見入る私。感動です。
太陽が沈んだ瞬間、あたりは真っ暗。
あ、、、
喉、乾いた。
お腹も空いた。
はやく夕飯にしましょう!!!
宿は何軒かあるそうですが、今宵のお宿は「ホテルこしきじま親和館」です。
荷物を置いて、めざせ宴会場。
はい、カンパーイ!
とにもかくにも、この喉の渇きをおさえなければといただきました、キリン一番搾り。
ふむ、離島にきてもやはり国産大手が落ち着きますなぁ、などとひとりごと。
435mlジョッキをいっきに飲み干して、さぁ、目的の地元の焼酎にチェーンジ!
蔵の神はこの界隈での定番焼酎。川内の山元酒造でつくります。鹿児島県民の味といったところ(by 鹿児島市内の人)だそうです。
まっていました!
島の料理たち。
きびなごはこのあたりの海では定番の魚。刺し身も良いのですが、素揚げが美味という土地の人。
鍋にもクエ(間違えていたらごめんなさい)、お刺身は地元の港で採れたてのイカ、まぐろも串木野が有名ですもんね。とにかく、鹿児島海の幸があふれるセット。ここに本格芋焼酎があるときたら、それは飲むでしょう。
今日は特別でーす。とでてきました、伊勢海老と鯛の舟盛り。
毎日酒場に入り浸る私、結構な頻度でお刺身を食べて入るのですが、こんな豪華なものは生まれてはじめてかもしれません。
とくに巨大なものをもってきたというイセエビは、頭だけでも握りこぶしより大きい!
まるで後ろの鯛が花鯛にみえてしまうのですが、鯛も瀬戸内に負けず劣らずの大きさ。どうや!という表情の宿の方に、とにかく拍手。九州らしい甘い醤油につけて食べれば、もう焼酎はとまりません。
きびなごってこんなに大きくなるのですね。ししゃもサイズ。
お湯割りにかえて、ごぶごぶ割りで、ぐいぐい飲んじゃう。今日はどうせここに泊まるのだから、たまにはリミッターなしでいこうじゃありませんか。
チェイサーには当然ビール。生はキリンで瓶はアサヒ…っと手帳にメモっていたら、地元の甑島観光協会のお兄さんとガイドのお父さんが「ほぅ、さすが酒のライターですね」と。
そして次に出た言葉が「負けませんよー、東京の方には」
この瞬間、しずかに飲酒大会がスタートしたのでした。よく飲みますねーと笑っていたお二人もだんだん真剣に。さらに地元の路線バス会社の方も加わり、本格的な乾杯大会へと。
それにしてもおつまみは美味しいなぁ。お酒がますます進みますね!!
ボタンエビなのかなぁ。かなり巨大で、ぷりっぷり。伊勢海老にボタンエビ。海老が大好物の私はもう人生最高の瞬間です。
最高!といえば、目の前には紙パックがドン!と置かれて、お酒も最高の瞬間に。伊佐錦は水俣と吉松の間にある焼酎メーカー。紙パックなんてだしているんだ、きっと地元の流通用なのでしょうね。
そういえば、地元の人が飲んでいるお酒は東京ではどれも珍しいと崇められているものばかり。
旅の魅力は景色も食もそうですが、やはり「酒」こそご当地らしさが現れるなぁと改めて感じます。
そして、飲みます。
飲みます。
二次会はスナックに行きます。
飲みます。
飲みます。
同行されている方が次々と沈黙していきました。。。
そして翌朝―
おはようございますー!
朝食はなにがでるのかなぁ。
昨晩のイセエビがお味噌汁になっていました。
出汁がしーっかりでていて、これだけで日本酒は四合はいけますね!なんて冗談を言いながら。
ホテルのロビーにはこんな雑誌が。グルメ雑誌「Dancyu」の本格焼酎の特集で、愛され焼酎として甑州が紹介されていました。
そういえば東京でこの紙面、舐めるように読んでいたことを思いだしました。
そうそう、甑州、ほんとうに良い焼酎ですよね。
一升以上は飲んでいるのに、五時間睡眠ですっきり抜けているのは、やはり上質の証。
さて、これからこの甑州を作っている酒造さんへ見学に行くのですが、昨晩一緒に飲んだメンバーがどうなっているのか、気になりますねー。
このお話はもう少し続きます。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見なゆ)
ホテルこしきしま親和館
09969-6-2008
鹿児島県薩摩川内市下甑町長浜1233−3
下甑島観光案内所
09969-5-1800
鹿児島県薩摩川内市下甑町瀬々野浦
鹿児島県
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かごしま遊楽館
https://www.pref.kagoshima.jp/yurakukan/
JR九州東京支社
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