薩摩川内「大統領」 大統領は気前がいい!焼酎飲み放題324円。絶品鶏刺しを肴に

薩摩川内「大統領」 大統領は気前がいい!焼酎飲み放題324円。絶品鶏刺しを肴に

2019年8月26日

漢字は違えど、東北最大の都市「仙台」と同じ名前の、薩摩にある「川内」。こちらの「せんだい」も新幹線が停車します。芋焼酎の里として知られる甑島(こしきしま)の玄関口で、川内港から高速旅客船が結んでいます。

人口は約9万人。鹿児島県第4の人口規模で、駅前には歴史ある商店街や、地元の人々で賑わう飲食店街が広がっています。そんな川内で「気前のいいお店」といえば、焼鳥をメインにした居酒屋「大統領」です。

JR川内駅から徒歩7分ほど。ふらりと歩いていける繁華街・東向田にあります。

なんとこのお店、焼酎が飲み放題で324円なんです。しかも時間制ではなく、好きなだけ飲めてしまうのだからびっくりです。名物の鶏刺しとともに、焼酎をとことん(適正飲酒の範囲内で)楽しみましょう。

外観はコンパクトにまとまっていますが、店内は奥に広く、焼き台に向いたカウンターでは今宵も地元の主が酒盛り中。

さらに奥には座敷があって、こちらも相席する勢いであっという間に埋まっていきました。

焼酎の飲み放題が際立つものの、実はタイムサービスで20時までは樽生(キリン淡麗)が200円とこっちもお得。瓶でビールのキリン一番搾り(540円)がありますが、お値打ちと聞けば一杯目は淡麗樽生で決まりです。

それでは乾杯!

お通しは酢醤油キャベツ。九州の焼鳥屋ではおなじみです。

酎ハイ類は480円。対する本格焼酎はいくら飲んでも324円。もともと本格焼酎が好まれているこの地ですから、皆さんの前には一人1本の勢いで焼酎瓶が並びます。

焼鳥は80円台から。久留米焼鳥同様に巻き串などのバラエティ豊かな内容です。

一品メニューは鹿児島らしい顔ぶれが並びます。キビナゴ天やさつま揚げ、地鶏のもも焼きなど魅力的な品書きです。

ニコニコしながらお客さんをトークで楽しませつつ、常に神経は炭火に向いている素敵な大将。九州の焼鳥は、関東などで使われている焼鳥台を使用せずに、炭をたける炉を組んで、その上に金網を乗せて焼いていきます。

玉ねぎが肉汁を吸って旨味を増した豚バラ。野趣あふれる味が焼酎を誘います。

こちらはレバー。かなり粘度がある濃い口のタレをまとった逸品。常連さんもレバーのファン多し。気持ち唐辛子を多めに振って頬張りたい。

ところで、そんな300円台で制限なしに飲める焼酎は…と、気になりませんか。使っているものは、しっかり本格焼酎。地元の「蔵の神」(山元酒造株式会社)で、お土産だけでなく地元消費が多い土地のお酒。さつま芋(鹿児島県産)・米麹(国産米)を使っていて、マイルドで旨口な味わい。

蔵付き酵母のことを「蔵の神」と呼ぶことが由来だそうですが、神様を心ゆくまで飲めるとは、なんと幸せなことでしょう。※翌朝バチが当たらないようほどほどに。適正飲酒。

鹿児島は鶏刺しを食べる文化が昔からあります。産地で食べる地鶏の刺身(756円)は、驚くほどフレッシュ。歯ごたえがあり、噛むうちにじんわり旨味が滲み出てくるよう。

薬味をつけてちびちび食べて、余韻にすかさず焼酎を。焼酎の甘さと鶏の旨味が非常にマッチするのは、やはり土地の味同士の無理のない組み合わせだからでしょう。

甘く濃厚な玉子焼き(432円)は常連さんにファンが多い、行きつけの人が好む一皿。ボリュームがあって二人以上でシェアしたくなるサイズです。この甘くこってりした味が焼酎の水割りにぴったり。

地元の鉄道マンや旅行業の人にも人気の店で、街を支える人々の憩いの場となっています。地元の方とカウンターで楽しい交流ができるかもしれません。土地の雰囲気もお酒の肴。ぜひ川内で滞在される際には訪ねてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

居酒屋大統領
0996-27-1911
鹿児島県薩摩川内市東向田町14-19
18:00~深夜
予算2,300円