飲み屋のパーソナル化、低価格化が進む上野。かつては赤羽がセンベロの聖地と呼ばれていましたが、現在は上野のほうがお店の数は多いのではないでしょうか。
JR上野駅から徒歩2分、上野東京ラインの高架下に天ぷらで飲む店「かっちゃん」が登場。新たなセンベロの選択肢として注目を集めています。入りやすい雰囲気なので、立ち飲み入門にもぴったり。
高架下の店舗ですが、二階席もあるつくり。一階は立ち飲みで、ちょいと一杯引っ掛けたくなる雰囲気。開け広げた扉からは街の夜風が爽やかに吹き込みます。
天ぷらを看板に掲げた酒場。しかも立ち飲み。これまでになかった選択肢に、界隈で長く飲んでいるベテランのノンベエさんたちもすっかり気に入っているようです。
黒板メニューは、牛すじ煮込み(350円・以下税込)、ポテトマカロニサラダ(200円)、海老しんじょう天などの文字。ずらりと並ぶ宝酒造のレモン酎ハイ専用焼酎がインパクト大!
お昼は定食や天丼、そして夜はせんべろセットが看板料理です。開店は11時30分と早く、場所柄もあって通し営業(15時30分から17時まで中休みの日あり)をされているので、昼から飲むことももちろんOKです。
それにしても、ここのせんべろセットの内容は驚くものがあります。なんと、酎ハイなどを選べば4杯もお酒がついてきて、さらにおまかせ天ぷら(もしくは本日の一品)がやってくるのです。天ぷらといえば、クイックな料理とは言えやはり贅沢品。それに酎ハイ4杯がつくなんて、素晴らしい安さです。
せんべろセットを升にはいった4つのサイコロがでてきます。サイコロひとつでサワー・酎ハイ1杯分。2つ使えば生ビールやホッピーセットも選べます。
サイコロ2つつかっても、まだ残り2杯が待っている。ならば一杯目は贅沢に生ビールから始めましょう!ビールは間違いなくサッポロ黒ラベル、状態も良好です。それでは乾杯!
手際よく職人さんが揚げた天ぷらがやってきました。バットで軽く油を落とし、サクっとした状態でやってきました、天ぷら盛り合わせ。海老、ピーマン、かぼちゃにタコさんウインナーと、軽く飲むのにはちょうどいい内容です。
天つゆは甘め。ひょいひょいと浸して、いただきます。揚げたてサクサク、熱々の天ぷらは間違いなくお酒を進ませます。
立ち飲みの天ぷら店らしい、かわいいタコさんウインナー。塩でも良さそうです。
最初、4つあったサイコロは生ビールで2つ交換し、残り2つ。まだ2杯も飲むことができます。おつまみとお酒のバランスがよく、せんべろセットで程よく完結できるのもポイントです。二杯目は玉露ハイ。サッポロ飲料の業務用玉露緑茶はお茶割りのロングセラー。この黄緑色と独特な甘みが好きで、自宅でも愛用しています。
せっかくなので、もう少しおかわり。ナス天(100円)と、漬物のガリ大根(100円)。天ぷら単品の種類は穴子や大根たいたんなど本格的でバラエティ豊かです。セットで済まして帰りたくなくなる内容に後ろ髪を引かれます。
最後のサイコロで生レモンサワーをいただいて、今宵は1,200円でしあがりました。
軽く飲んで帰りたい夜もある。そんな日にちょうどいいお店ではないでしょうか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
かっちゃん
03-3831-0317
東京都台東区上野6-12-13
11:30~22:00(無休)
予算1,200円