蔵前『カクウチカフェ・フタバ』祝・角打ち10周年!酒との出会いを楽しむ店。

蔵前『カクウチカフェ・フタバ』祝・角打ち10周年!酒との出会いを楽しむ店。

2022年6月24日

蔵前の『カクウチカフェ・フタバ』が、前身の「酒のフタバ」時代からあわせて、角打ち営業10周年を迎えました。「角打ちなのに店内飲酒向けの販売ができない」などの苦境を乗り越え、より磨きがかかり魅力を増したお店の様子を、山形 銀嶺月山(ぎんれいがっさん)を飲みながらご紹介します。

(タイアップ:月山酒造株式会社)本記事は、蔵元である月山酒造と共同制作です。

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酒蔵さんと話すなかで、次第に増してきた「伝える場」への想い

(リニューアルにより、テラス席も誕生した店頭)

浅草にほど近い台東区蔵前は新堀通り沿いに店を構える『カクウチカフェ・フタバ』(双葉食品)。1944年(昭和19年)に創業し、80年近い歴史を持ちます。その歴史の中で、清涼飲料水の製造やコンビニ運営などに乗り出してきましたが、角打ちをはじめたのは意外にも最近で、10年前の2012年(平成24年)頃からのこと。

角打ちスペース開設当初から取材していますが、以前は壁面に向いたごく僅かなスペースのみでした。キリンビールのサーバーがあり、取引先の飲食店さんに店員さんがビールサーバーの洗浄方法のレクチャーをしていたことをよく覚えています。

あれから10年…。

(角打ちスペースは拡大し、イスも用意されました。小売スペースとは床の色の違いで別けられています。)

もともと大きな店舗だったこともあり、角打ちスペースは拡大していきます。トレンドとなった「せんべろ」を取り入れ、角打ちならではの、ビールを含む4杯がセットになって1,000円(+税)という、破格のサービスも誕生。現在も同店の目玉商品です。

低価格でお酒を販売する小型スーパーや大手酒販売店が台頭するなか、フタバは角打ち主体に舵を切ります。当初は定休日だった日曜日も営業をはじめると、近隣に暮らすお酒好きがお昼からたくさん来店してくれるようになったそうです。多い日は、来客は4~5回転するほどになったと言います。もともと本業であった飲食店向け配達と角打ちの売上構成比は逆転し、角打ちが『フタバ』の主力となりました。

角打ちへ方向転換する理由について、先代の頃からフタバで働きこの道23年になる、代表の関 明泰さんはこう話します。

「酒蔵の人から話を聞くなかで、お酒の魅力を伝える場所をつくりたいという想いが強くなっていきました」

「酒蔵はお酒をつくる場所。酒屋はお酒を伝える場所。」というのが関さんの考え方です。

2020年以降、2年半に渡る酒類提供の規制の中で、コーヒーやランチを提供する「カフェ」も取り入れ、地元の皆さんの支えで乗り越えてきました。いまは戻ってきたお客さんの笑顔が嬉しいのだと、物腰やわらかに明るい表情で答えてくれました。

ここは酒文化の発信基地。王道の銘酒から飲んで楽しいお酒まで。

冷蔵庫にずらりと並ぶ日本酒。全国区の大手銘柄から、それぞれ地域に根ざし、親しまれてきた地酒まで、その数100種類以上。「ジャケ買い」のようにラベルで選ぶもよし、地域や名称で選ぶもよし。

今回いただくお酒は、カクウチカフェ・フタバで、長年取り扱いのある日本酒「銀嶺月山」。3種類のお酒が揃えられており、ポピュラーな銀嶺月山 純米酒だけでなく、個性的なふたつのお酒もあるので、この3品を飲み比べたいと思います。

銀嶺月山を代表銘柄に、山形県寒河江(さがえ)で酒造りを行う月山酒造のお酒です。

銀嶺月山 枝豆に合う純米吟醸

なにより気になるお酒は、そのまま枝豆がラベルにデザインされたこちら。商品名はズバリ「銀嶺月山 枝豆に合う純米吟醸」。

山形の名産品であるだだちゃ豆(枝豆)。月山酒造は山形県の酒蔵というつながりから、日本でおそらく唯一の「枝豆」にフォーカスしたこの一本。

枝豆といえばビールですが、月山酒造の提案は、ビールを飲んだ2杯目から飲んでほしいというもの。気になるお酒です。フタバのおつまみメニューに枝豆がありますので、試してみましょう。

まずはお酒をひとくち。とてもフレッシュです。みずみずしさと飲みごたえの両立。そして枝豆を…。!これはたしかに「枝豆に合う」というだけあります。飲み込むと余韻がすっとキレイに溶けていきます。枝豆の青っぽさと競り合わないのが不思議です。

銀嶺月山 純米吟醸 月山の雪

フランス KuraMaster 2018プラチナメダル受賞

出羽燦々とは、山形で開発し、山形の田んぼで育った酒造好適米です。これを50%まで酒蔵内で精米した、純米吟醸酒。誰もが「美味しい!」と言える、クセや雑味を感じない上品なお酒です。それでいて、深い旨味とわずかに残る米の甘さの余韻に、美味しさの「厚み」が感じられます。

あわせるおつまみは、お刺身などがよく合いそう。ペアリングを考えてくれたのは、フタバの関さん。一口味見して、これは〆鯖だと持ってきてくれました。相性の良さは言うまでもありません。

銀嶺月山 純米

フランス フェミナリーズ世界ワインコンクール2022金賞受賞

月山酒造の定番商品である銀嶺月山 純米。スタンダードとはいえ、コンクールで何度も金賞を受賞してきたお酒。整った味ながら、しっかり主張のある美味しさ。

あわせるおつまみは、やはり濃い味の料理ですね。揚げ物などとも相性が良さそう。フタバの関さんは、煮込みがオススメとのこと。寒河江は山形の内陸部に位置し、焼きとりや煮込みを出す居酒屋が非常に多い土地。この組み合わせを頂くと、寒河江へ旅に出たい気持ちも高まります。

若手社長のカクウチならではの提案。

新感覚な日本酒

ほかにも、おもしろいお酒がたくさんあります。東京都酒造組合青年部の会長も務める関さん。酒屋さんの新しい魅力創出に向け、様々な挑戦をされています。そのひとつが、駄菓子と日本酒のコラボ。卸会社や酒蔵とともに企画に協力し、店頭にはコラボ元になった駄菓子も揃えて販売中。

酸味をあえて抑えたお酒に、酸っぱいイカの駄菓子「よっちゃん」をあわせると、あら不思議。想像以上に美味しくなります。

こちらは、もっと奇抜なチロルチョコに合うお酒。酸味のあるにごり酒とミルクチョコの組み合わせは…!

駄菓子とのコラボのお酒は、4合瓶を購入するのは覚悟がいるはず。だからこそ、一杯売りをするカクウチの役割がここで役に立つわけですね。

月山酒造の「枝豆にあうお酒」など、不思議なペアリングが気になった方は、カクウチカフェ・フタバへ。正統派のお酒も豊富に揃っていますので、日本酒好きの方もきっと唸るはず。毎日(不定休あり)、お昼から夜まで通しで営業しています。

月山酒造公式サイト

ご協力頂いた月山酒造もぜひチェックを!

山形県の代表する月山の麓にある雪と緑と名水の酒蔵。銀嶺月山(ぎんれいがっさん)、槽前酒(ふなまえざけ)、萬年雪(まんねんゆき)を代表とする日本酒の老舗です。月山…
gassan-sake.co.jp

(取材・文・撮影/塩見 なゆ タイアップ/月山酒造株式会社)

店名カクウチカフェ フタバ (Kakuuchi FUTABA)
住所東京都台東区蔵前4-37-4
営業時間11:30〜21:00(土日祝は13:00~)
開業年1944年