西日暮里『小鳥』創業42年。家族経営の静かな老舗焼鳥店で飲む幸せ

西日暮里『小鳥』創業42年。家族経営の静かな老舗焼鳥店で飲む幸せ

2022年6月25日

創業から40余年。西日暮里の京成線高架脇にある『小鳥』は、地元に愛されてき焼鳥店です。ベテランのご夫婦が二人三脚で切り盛りしています。丁寧な仕事を感じる焼鳥をはじめ、その日用意される刺身も常連さんに人気です。

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住宅と雑居ビルが入り交じる西日暮里駅前

地下鉄千代田線開通から一年半後の1971年4月に開業したJR西日暮里駅は、山手線の駅としては二番目に新しい駅です。新しかった駅前の飲食店街は半世紀の年月を経て、いぶし銀の雰囲気を漂わせるようになりました。

ただし、横丁的なものは存在せず、飲食店は雑居ビルや住宅に囲まれながら点在していることが、この街の酒場の特徴といえます。今回ご紹介する『小鳥』も、駅から徒歩1分の場所にありながら、生活道路の中にぽつりと灯る赤ちょうちんです。

外観

カーブを描いた古い高架線路をギシギシときしませながら走る京成線が過ぎ去ると、いっときの静寂が訪れます。そんな路地を歩いてやってきました。創業は1980年頃。創業時からの雰囲気を色濃く残した店構えは、どこか懐かしさを感じます。

開け広げた扉と暖簾に吸い込まれるようにして店内へ。店を切り盛りするご夫婦が静かに「いらっしゃい」と迎えてくれます。調理場に面したカウンターが数席と、奥に定員4人ほどの小上がりを配した、コンパクトな酒場です。

40年以上使用しているとは思えないほど、調理器具や冷蔵ケースはピカピカです。

カウンターは普段着にサンダル姿の常連さんが数名。ボトルキープの焼酎をホッピーや炭酸で割って飲んでいます。馴染みの会社員グループがあとからやってきて、店の奥で小さな宴会を始めました。

カウンター中央はそうした店内の様子を見渡せる、一人飲みの特等席です。

品書き

お酒

樽生ビールはアサヒスーパードライ、瓶ビールはサッポロラガー(赤星)大瓶:650円。

清酒(大関)2合:750円、ワイン:900円、焼酎ハイボール:420円、焼酎ホッピー:450円、レモンサワー:430円、ウーロンハイ:430円。

定番メニュー

焼きとりは、ヒナ:160円、鳥皮:160円、鳥レバー:160円、スナギモ:160円、つくね:180円、手羽先:280円。

そのほか、鳥から揚げ:520円、鳥レバー刺し:500円、鳥刺し:500円、鳥わさ:500円。

日替わりメニュー

まぐろ切り落とし刺し:520円、すずき刺し:520円、タコぶつ:520円、ホヤ酢:470円、ちくわ天ぷら:470円、厚焼き玉子:450円、せせり串焼き:160円、にこごり:440円など。常連さんに人気のいか塩辛:420円は、ご夫婦の自家製です。

美味しい鶏料理とよく冷えたラガービール。

サッポロラガービール大瓶(650円)

軽く両隣に会釈して、それでははじめましょう。店頭に赤いP箱(ビールケース)が置いてあるとおり、瓶ビールはサッポロラガーです。※P箱はメーカーごとに色が異なり、サッポロは赤。

よく冷えた赤星は、いまの季節とても嬉しいです。トクトクとビヤタンを満たして、それでは乾杯!

鳥煮込み(450円)

ホワイトボードから、鳥煮込みを選びました。日替わりの枠にある煮込みですが、ほぼ定番メニューのようです。

豚や牛の煮込みではなく、鳥専門の焼鳥店らしく、鳥ハツや鳥皮、スナギモなどがはいった鳥モツミックスです。根菜にも鳥の旨味が染みており、総じてバランスのよう一品。脂はほとんど浮いてなく、具だくさん味噌汁のよう。

焼鳥・スナギモ・鳥皮・ヒナ(各160円)

焼鳥は1本単位で注文できます。また、味はそれぞれ指定できますが、おまかせにするとオススメの味付けで仕上げてくれます。

小ぶりではあるものの、身が詰まっており、噛むと弾ける食感が心地よく、それから肉汁がじんわりと広がってきます。甘めに仕立てたタレは、まろやかでビールや酎ハイを進ませます。

ヒナはネギ間になっています。開店直後に訪ねたからか、まだ打ち立てのようです。鳥の旨味が染み込んだネギはどうしてこんなに美味しいのでしょう。

焼酎ハイボール(420円)

炭酸はウイルキンソン。レモンサワーにすれば、それがハイサワーレモンになります。今回は、ピュアな味の焼酎ハイボールを選びました。

ラジオと京成線の音と、常連さん同士の会話をBGMに、心休まるひとときを過ごしました。小さな酒場のカウンターで静かに飲む…。こういう時間って、大切だと思います。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名やきとり 小鳥
住所東京都荒川区西日暮里5-31-5
営業時間17:00~25:00(不定休)
開業年1980年