水戸『山大 佳鱗亭』明治32年創業の魚屋二階。お昼から中休みなく営業

水戸『山大 佳鱗亭』明治32年創業の魚屋二階。お昼から中休みなく営業

2022年6月27日

水戸・黄門さん通り沿いで120年続く鮮魚店「山大」直営の食事処『佳鱗亭(かりんてい)』は、界隈の魚好きが集まる店です。ランチタイムから夜まで通し営業されており、お昼からのんびり飲むにもぴったり!カツオやヒラメ、鮟鱇などの近海物を肴に、茨城の地酒「一品」で乾杯しませんか。

スポンサーリンク

明治32年から続く魚屋「山大」の二階へ

水戸の繁華街は、JR水戸駅からかつて花街であった大工町まで、約2kmにわたって直線上に広がっています。その中心を貫く通りが「黄門さん通り(国道50号)」です。美術館・博物館、企業の支社、多くのビジネスホテルや京成百貨店など主要な施設もこのエリアにあります。

水戸藩35万石が治めてきた歴史ある街ですから、街並みには奥行きや厚みが感じられます。駅から多少離れた場所へも、のんびり街並みを眺めながら散策するのは楽しいものです。

歴史ある店が多いのも、水戸の特徴です。今回訪ねる『佳鱗亭』を営む鮮魚店『山大』も、創業は1899年(明治32年)と、一世紀以上の歴史を持つ老舗です。

中心街の目抜き通りに構える老舗鮮魚店というのは、日本各地の城下町にありますが、やはりいいものです。堂々とした店構えに、魚をつまみに飲みたい気持ちが高まります。

外観

一階は本業の鮮魚店となっています。鮮魚店の店頭に並ぶ丸魚を選び、それを調理してもらうことも可能だそうです。冬季になれば茨城のごちそう「鮟鱇(あんこう)」も登場します。

塩辛や明太子など、ちょっとした惣菜類も並んでいて、お惣菜を買っていく地元の人で賑わいます。

山大の二階が「佳鱗亭」

山大の横にある階段を登ると、二階は大きな食事処になっています。店名の『佳鱗亭』の「佳鱗」は、良い魚という意味を込めたもの。魚を鱗と表す、素敵な店名です。

品書き

お酒

樽生ビールアサヒスーパードライ):650円、アサヒスーパードライ中瓶:650円。日本酒は茨城の地酒が豊富で、一品 辛口:500円、一品 生酒:900円、郷乃譽 300ml:1,300円、菊盛 300ml:1,200円、武勇 300ml:1,200円など。樽詰めサワー樽ハイ倶楽部):500円、樽詰めハイボールブラックニッカ): 500円など。

ランチセット

具だくさんけんちん汁と日替わり定食:1,250円、つり金目鯛煮魚定食:1,800円、特大メバル煮魚定食:1,300円、初かつお刺身定食:1,200円、生鮪中トロ定食:1,800円、中トロ平目刺身定食:1,800円、日替わり定食:950円、刺身と日替わり二品付定食:1,400円など。

定番の定食は、盛り合わせ刺身定食:950円、三色丼:2,000円、うなぎ丼:1,800円など。

日替わり単品

生本まぐろ赤身:1,500円、活たい:2,000円、赤貝:800円、あまだい塩焼:2,500円、金目煮魚/塩焼:2,500円、たち魚塩焼:1,500円、メバル煮魚塩焼:1,500円、目光からあげ:800円など。

定番メニュー

イワシ刺身:1,000円、あじなめろう:1,000円、穴子白焼き:1,300円、いさき塩焼き:1,000円、穴子煮:1,300円、カレイ煮:1,000円、天ぷら盛り合わせ:2,000円など。

宴会

宴会は一人前3,000円~。飲み放題:2時間2,000円。

魚屋さんの直営料理屋ならでは“豪快さ”が魅力

アサヒスーパードライ中瓶(650円)

時刻は13時。この店は中休みなくお昼から夜まで営業しており、なおかつ店も広いのでゆったりと過ごすことができます。まだ時間も早いので、一杯目はビールから。茨城県は守谷で製造された、県内産アサヒスーパードライで乾杯!

先付(300円)

一口目で季節を感じさせるお通しが嬉しいです。取材時は春でしたのでホタルイカの甘煮がやってきました。二品目は日本酒が進みそうなつぶ貝。ビールを飲み終える前に日本酒を注文したくなります。

刺身と日替わり2品付き定食(1,400円)

佳鱗亭の単品メニューはボリュームがあり、その分お値段も張りますが、セットものは一人前サイズでお手頃価格です。しかも、ランチは開店から16時までと長く、16時をすぎればそのまま夜営業に切り替わります。早くからお酒を楽しむ人は、お得なランチをおつまみ代わりにしています。

夜も晩酌セットが1,800円と、ランチ同様に一人前のおつまみコースが用意されています。

今回はランチから、1,400円の刺身と日替わりの主菜を選べるセットを選びました。運ばれてきて、思わす驚く盛りの良さ。お昼からとっても豪勢です。

刺身盛り合わせ、選べる主菜(取材では鯛かぶと焼)たけのこ煮、つけもの、お椀、ごはんという内容です。

刺身5点

山大では茨城の近海物以外は、北海道の鮮魚やマグロなど豊洲(東京都中央卸売市場)から仕入れているそうです。今日の刺盛りは活〆の鯵、生本鮪、ぶり、ホタテ、たこ。

鮮度の良さを感じる刺身たち。一般的な切り身よりもかなり厚めに包丁が入っており、一口の満足感が違います。

鯛かぶと焼

老舗らしい立派な大皿に映える素晴らしい真鯛のかぶと焼きです。かなり大きく身もたっぷり。

迫力ある盛り合わせに大満足。ビールのつぎは、水戸駅に近い場所にある酒蔵・吉久保酒造のお酒「一品」をもらって、ちびりちびりと。そして刺身や鯛かぶと焼きをひとくち。

ハキハキとしていて気遣い上手の女将さんの人柄もあって、美味しい料理に時間の経過を忘れてしまいます。水戸のお昼酒。魚屋さんの二階という選択はいかがですか。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名山大 佳鱗亭
住所茨城県水戸市南町3-3-32
営業時間11:00~21:00(日祝定休)
開業年1899年(明治32年)