サッポロビールは、10月5日から全国のサッポロラガービール取り扱いの対象飲食店で「赤星縁日」を開催中。A賞は、日本人がはじめてつくったビールである「サッポロビール(現在のサッポロラガービール)」の初代復刻ラベルがあたります。
特別なデザインの瓶ビールをキャンペーン向けだけにつくるという同社初の取り組みです。小ロットで比較的印刷が簡単な缶ではなく、あえて瓶でつくるというところに同社らしいこだわりを感じます。
2020年最大の業務用(外食)向けのキャンペーンに、サッポロ黒ラベルやヱビスといった看板商品を使わず、あえて寝かせ続けていた赤星を前面に出した取り組みを、関わった同社の各部門の皆さんと赤星で乾杯しながら取材しました。
待ち合わせは、赤星縁日には100店舗以上の協力が得られているという新橋。日本有数の飲み屋街である新橋もオフィス近接型の繁華街ということで、リモートワークが増えた影響は大きいです。
一軒目は、長年サッポロビールを取り扱い続けている昭和51年創業の「野焼」。乾杯はもちろん赤星ことサッポロラガービール。
ビヤタンを満たして、それでは乾杯!
新潟出身の中川清兵衛がベルリンビール醸造会社で醸造技術を学び、1887年に札幌でつくられたビール「赤星」。柔らかい印象の赤星は、老舗酒場の落ち着いた雰囲気によく似合います。
赤星といっしょに手渡されたスクラッチカード。赤星1本注文するごとに1枚チャレンジすることができます。結果は…C賞でした。
QRコードから読み取って画像を保存。
B賞はステッカー。スマートフォンに貼れば、さりげなくサッポロ党をアピールできちゃうかも?
現行のラベルも1992年にデザインされたものなので、ラベルデザインの変更頻度が高いビール業界では、驚くほどの長寿命ラベルです。
A賞が狙いの復刻初代ラベルの赤星大瓶1本。1店舗あたり5本が用意されています。
1店舗に割り当てられているスクラッチカードは300枚。初代ラベルを狙うには…※お酒は適量で。
野焼は品書きにも手書きの赤星ラベルが。中瓶600円、生樽は黒ラベル。飲みすぎ注意の梅割りなども人気です。ベースの焼酎はトライアングルの系譜にあるサッポロ焼酎。
赤星のあうおつまみはなんでしょう。サッポロビールの皆さんによく尋ねる質問です。
逆に聞き返されたら、私も答えられないです。お肉にも魚にも、居酒屋メニューならばどれも相性ぴったりですから。
煮込み(豆腐いり420円)と赤星。うん、よくあいます。
タレ味のもつ焼きにも、やっぱり赤星。よく下処理されたペラペラのシロをぎゅっと串打ちし、しっかり甘いタレを潜らせた野焼のシロ焼きはとくに美味。
続いてこちらは、昭和46年築・ニュー新橋ビルの地階にある「ニューニコニコ」。カタカナがつづくふわっとた可愛い名前ですが、創業は1947年(昭和22年)と古く、新橋駅前のヤミ市の中でのれんを掲げていた酒場です。
ニュー新橋ビルの完成によって移転、ニコニコという店名も独特ですが、さらに「ニュー」がついたことで、個性的な店名となったそうです。
常連さんが集うテーブル席。こちらも長年赤星を扱い続けてきた酒場で、何十年と通う常連さんが、ニューニコニコの定番料理を肴に赤星を傾けています。
ここで一旦、生ビールタイム。これまで乾杯させてもらった多くのサッポロビールの皆さんは、一杯目はサッポロ黒ラベル。そして二杯目に「ヱビス」か「赤星」か、はたまた「SORACHI1984」や「エーデルピルス」などにシフトされているイメージ。
続いては赤星。モデルは東京中央支社の新橋担当の上野さん。
外食営業本部の外食統括部が企画し、本社マーケティング本部のブランド担当がラベルのデザインや製造とのやり取りなどを行い、広域外食(チェーン店担当)部門、全国の地域密着の業務用(飲食店・酒販店担当)チームの皆さんが一軒一軒に協力をお願いして、こうして全国でスタートした赤星縁日です。
北は道北から南は九州・沖縄まで、津々浦々で同時開催中。開始時期は店舗により異なり、チェーン店はこれから開催する店舗も予定されています。
お店のイチオシであり、赤星と相性がよいと常連さんも太鼓判を押す「上まぐろ中落ち」(680円)。築地が近いこともあって、新橋は老舗ほどまぐろの中落ちや刺身などを看板にしているお店が多いです。
肉豆腐(580円)と赤星。フレームの中は茶色一色ですが、飴色の大衆酒場にはこれ以上ないくらいにフィットします。
これからの季節、赤星とカキフライ(680円)も間違いのない組み合わせです。
コロナ禍における外食向けキャンペーンとして同社最大となる赤星縁日。サッポロの芯は日本人による”初”のビールを広げてきたカイタク精神であり、未曾有の状況からの立ち上がりにも、芯である「赤星」を軸にしたいという考えではじまったこの企画。
手元の資料には
“困難な時だからこそ、原点に返ってみる。ビールと酒場で生まれる縁。あらためて大切にしたい。(中略) これからも酒場とともに、はじまりの1本と、またはじめよう。”
とメッセージがあります。縁日の”縁”は、人と人の「ご縁」ですね。
瓶で新しいラベルをつくるには、製造事業所も大変だったそうです。製品として発売する商品にかける労力と同等のものを、この1店舗あたり5本というキャンペーンのプレゼントのためにかけた熱意は相当なもの。サッポログループは自社商品に対する「愛情」が猛烈に強い社員が非常に多い会社です。今回の赤星縁日も、そうしてサッポロ社内にいるサッポロビールファンの皆さんの情熱で実現されているように思います。
美味しいビール、今日も酒場で冷えています。今夜は赤星で乾杯しましょうか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)
取材店舗(どちらもお昼から通し営業)
野焼
03-3591-2967
東京都港区新橋2-8-16 石田ビル 1F
12:00~23:45(基本無休)
ニューニコニコ
03-3501-6667
東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル B1F
11:30~22:00(日祝定休・土曜は当面の間休み)
赤星縁日