本サイト「Syupo」において、度々鉄道の話がでてきますが、お酒と鉄道は好相性なんです。
そもそも、毎日飲みっぱなしの私が車の運転などできるわけもなく、とくに旅行となれば旅先の地酒を片っ端から飲むもんですから、レンタカーなんてもってのほかです。
となれば、旅はすべて鉄道などの公共交通となるわけで、私は鉄道ファンのジャンルで言う「飲み鉄」になるタイプです(笑)
JR九州肥薩線は熊本県の八代から鹿児島県の隼人までを結ぶローカル線で、その途中にはループ線路やスイッチバックがあることから鉄道ファンならず多くの人が、鉄道に乗ることを目的として乗る路線となっています。
そんな風光明媚な肥薩線の吉松駅と鹿児島中央駅を結ぶ観光特急は、鹿児島への新幹線開通に合わせて新設された列車です。途中停車駅となる嘉例川駅は明治36年にできた駅舎が現存していることで有名で、さらにここへは鹿児島の玄関口、鹿児島空港からもタクシーで行ける距離にあり、アクセス・観光ともにいいです。
肥薩線はJR九州でも2番目に利用客の少ない路線と聞いていたので一日3本?なんて思っていましたが、毎時1本はあるようです。
特急はやとの風号が走ると鹿児島市街まで一本だから、なかなか便利なのでは?
駅前はちょっとしたお土産物店しかありませんが、土日になるとお弁当屋さんが売りに来るそうで、今回のおつまみはこれになりました。
単線の駅は、思ったよりもホームが長いです。はやとの風号ですら3両編成なのですから、どうしてかな。
調べてみたら、川内や水俣を通る現在の鹿児島本線よりも先にこちらが開業したのだそう。昔は鹿児島へつなぐ幹線だったんですね。
そんなことを缶ビール片手に考えていたら、そういえばお弁当をまだ用意していなかったことに気づき慌てて受け取りに。
霧島市にある「森の弁当やまだ屋」がつくる『百年の旅物語かれい川』は、JR九州主催の九州の駅弁ランキングで1位だそう。ガネと呼ばれるさつまいものかき揚げは、単品でも売られているのでこれをビールのおつまみにするのも良さそうです。
列車がはいってきました。真っ黒いボディなんですね。
歴史ある路線に似合うデザインではないでしょうか。
発車まで少し時間がありましたので、ホームと列車を記念に。
車掌さんがかっこいいー。乗らないの?という視線に気づき、そそくさと乗車しました。(笑)
なお、駅やその周辺ではビール類を購入する設備やキヨスクはありません。空港から鹿児島駅で私のように飲みながら向かう方は、事前に空港調達をお忘れなく。
斜体外装はとてもクラシカルでしたが、車内は非常に柔らかい雰囲気。
照明や手すり、窓枠に至るまで、とても計算されている空間は非常に居心地がよいです。
観光列車ですからねー、みんな座ってスマトーフォンをいじることなく、車内をいったりきたり。
JR九州さんの制帽は記念撮影用。お子さんはこれ喜びそうです。あ、お父さんもこういうの好きかも。
ディーゼルカーということで、発車時は力強いエンジンの音。加速が終わると、コトンコトンと素敵なリズムを刻みます。山から鹿児島湾に向けてひたすら下る路線なので、列車はとても軽快に進んでいきます。
さぁ、お弁当(1,080円)を。おおー、なかなかみっちり入っていますね。これは食べごたえがありそう。
さて、私は持参した鹿児島の芋焼酎を手元のお水で割って…
え、そこまでして飲むんですか?(笑)という視線からはそっと目を背けて。
足りなくなったら車内販売がありますので、客室乗務員さんが通りがかった際に購入しましょ。
日豊本線と合流する隼人駅からは、列車はずっと鹿児島湾に沿って市街を目指します。
幹線に入ったことで、列車も性能いっぱいまで加速。
東京の列車に乗っていると忘れてしまう、あの「ガタンゴトン」という音と振動が旅情いっぱい。その音と揺れと車窓をつまみに飲んでいるのですから、私も鉄子ですねー(笑)
桜島が見えてきました。なかなかダイナミックな車窓ですねー。
この海にいるお魚は、きっと火山灰によってもたらされる豊富な栄養で育っているのでしょう。あとで食べるおつまみも楽しみです。
約50分の旅はあっという間で、気がついたら鹿児島市街へと列車は入り、鹿児島駅、そして鹿児島中央駅にと到着しました。鹿児島駅と中央駅は違う駅なので、初めての人は戸惑いそう。飲み屋さんが多いのは中央側です(笑)
昔、まだ西鹿児島駅と呼ばれていた頃にここにきたことがありましたが、新幹線ができてだいぶ変わっていることにびっくり。観覧車まであるなんて、さすがパワーがありますね!
さて、ここから九州新幹線にちょっと乗る予定なのですがまだ時間があります。さっき食べたお弁当の分を消化するためにもアーケード街を酒場目指してお散歩しましょうか。
鹿児島空港から鹿児島の中心部までは、時間が合えばぜひ「はやとの風」号で乗って飲んで欲しいです。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見なゆ)
特急はやとの風号
車内では地ビール(サツマゴールド・正確には発泡酒)も販売
(取材協力/九州旅客鉄道株式会社・鹿児島県)