「千代田区界隈で上海蟹を食べるなら『新世界菜館』だ」と言われる上海料理の名店。創業は昭和21年となかなかの歴史があります。いわゆるハレの日の店ですが、ランチタイムは手頃な価格で麺飯類が提供されています。お酒、点心もあり、お昼飲みも楽しめます。
今日は宴会ではなく、手軽な中華飲み。
夜はお酒を飲むならば1万円くらいは予算を見ておきたい、特別な日の中国料理店『新世界菜館』。上海蟹が看板料理です。いつか出版物で”イイコト”があれば、上海蟹に長期貯蔵の紹興酒で宴会と行きたいところですが、その気配は筆者にはまったくございません。近隣には出版社が多いので、皆さん宴会に使っていらっしゃるのでしょうか。
それでも、蟹とまではいかなくても何度か頂いていますが、老舗の中国料理店らしい安定感ある、いい意味で「日本式」の高級中華だと思います。
さて、同店はランチタイムも営業しており、お昼は手頃な価格で老舗の味が楽しめます。本記事でご紹介したいのは、上海蟹の宴会コースではなくて、ランチタイムの「中華飲み」のほうです。
品書き
お酒
樽生ビールはアサヒスーパードライ:550円~、瓶ビールはアサヒスーパードライ、キリンクラッシックラガー、サッポロ黒ラベルなど:770円~。
日本酒は金婚生酒330ml:990円、紹興酒(生酒)は、グラス880円~。
点心
焼売5個:825円、春巻:440円、小籠包:660円、餃子5個:825円、えび蒸し餃子:660円など。
食事
中華風カレーライス:990円、豚角煮カレー:1,320円、パイコー丼:1,320円、チャーハン(チャーシュー・えび・カニ・高菜):1,100円、やきそば:1,100円、海鮮上海やきそば:1,320円など。
飲むなら、カレーより五目やきそば。
サッポロヱビスビール
なにはともあれ、ビールから。アサヒ、キリン、サッポロ、そして青島ビールから選べます。お昼とはいえ、久しぶりのテーブルクロスを敷いた本格中国料理店なので、ちょっと贅沢をしてヱビスビールを選びました。
それでは乾杯!
五目やきそば(1,100円)
カレーの街としても知名度のある神保町にあるため、同店も『中華屋のカレー』のハイグレード版とも言える料理があり、排骨カレーや角煮カレーなどが用意されています。メディアで紹介されるとそちら目当てのお客さんが集まりますが、昼飲みがてらやってきた私は迷うことなく「五目やきそば」です。
上海料理店だから海鮮上海やきそば(あんかけではない)にすれば良いのでは?と思われるかもしれません。ですが、飲むなら断然、具の多い五目やきそばに限るのです。
肉厚なきくらげ、豚肉、イカ、貝柱、海老、白菜、青梗菜、たけのこ、フクロタケ、半熟たまごなど。町の大衆中華とはまた違った調味料の使い方が、さすが街を代表する中国料理店といったところ。
麺は中華鍋の底に油ともに貼り付けてパリパリにする手法のようで、モサモサ感とパリパリとした食感のコントラストが素晴らしいです。縮れているので餡がよく絡み、麺そのものもビールのお供になっています。塩分ではなく、海鮮系のコク・ウマミで食べさせる味付けなのもいいですね!ビールが進み、中瓶1本だけでは足りなくなるかもしれません。
中華料理の麺類・ご飯類で最もおつまみになるのは、チャーハンよりも五目焼きそばだと思えてきました。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 新世界菜館 |
住所 | 東京都千代田区神田神保町2丁目2 新世界ビル |
営業時間 | 営業時間 ランチ 11:00~15:00 (L.O 14:40) ディナー17:00~22:00 (L.O 21:20) 日曜営業 定休日 年末年始 |
公式サイト | http://www.sinsekai.com/ |