神田『宝山 いわし料理 大松』ゆったり過ごす座れる大松で、イワシの美味しさ再発見

神田『宝山 いわし料理 大松』ゆったり過ごす座れる大松で、イワシの美味しさ再発見

2020年8月8日

神田で大松といえば、いわしの専門店。昨今の立ち飲みブームなどもあり、駅前の「立ち飲み大松」のほうが知られるようになりましたが、本店は駅から徒歩3分の「大松」です。

長年、飲食の道を歩んできたご主人が2004年に新たに開いたお店です。神田にはいわし料理のお店が多いですが、大松のご主人はこの街にいわし料理店を根付かせたキーマンの一人。

今日は、ゆったり使えてのんびり楽しめる座れる「大松」をご紹介します。

地産地消応援の店を表す緑提灯4つ星の店。主に銚子から直送されてくるいわしが看板料理。いえ、むしろ、ほぼいわし料理のみと言うほうが正しいでしょうか。

都心では珍しい活いわしを筆頭に、なめろう、梅しそたたき、ぬた、煮付けなど20種類以上のいわし料理が用意されています。

しかも価格は手頃で単品は500円前後。一人飲みの方には、生ビール、お通し、生のり豆腐、活いわし、お好きないわし料理1品がついたお得セット(1,860円・以下税別)がおすすめ。センベロとまではいかないものの、大衆割烹でゆったり過ごせてこの価格はとても良心的です。

ホッピーセット(白のみ・500円)をもらって、まずは乾杯!

大松のビールは、樽生がサントリー ザ・プレミアムモルツ(500円)。瓶ビール(中ビン550円)はアサヒスーパードライ。酎ハイ類は380円からで、飲み物はとくに日本酒が充実しています。

ここに来れば、最初から最後までいわし尽くしが楽しめます。大衆魚のいわしですが、あと引く美味しさがありますよね。ぷっくり肥ったいわしの脂は日本酒とよく合います。

ホワイトボードメニューの左上は、大羽いわしの塩焼き(680円)。大羽はマイワシのサイズを表した呼び名で、大羽(200mm以上)、中羽(100mm以上)、ヒラゴ(100mm以下)としていると以前の取材で聞いたことがあります。

ということで、今日は立派なマイワシが入っているようなので期待が高まります。

サイドメニューも大衆割烹好きの心をくすぐるラインナップです。

10種類ほどから選べる日本酒。富山の「立山」、新潟の「八海山」、福井の「九頭龍」など楽しい顔ぶれです。頂いたお酒は高知は浦戸湾に面した地域でつくられる銘酒「酔鯨」(630円)。鯨が描かれたおしゃれラベルの特別純米酒です。

よき日本酒を飲むと、よき魚が欲しくなる。よき肴を食べるとよきお酒が飲みたくなる。

活いわしの刺身(480円~)は、新鮮そのもの。とくに7月のいわしは栄養をたっぷり蓄えた旬の味。青魚特有のクセは皆無、素直な旨味と脂の甘さが日本酒を誘います。

千葉の郷土料理、なめろう(680円)。ちびりとつまめば、お酒が2くちは進む酒の友。ボリュームがしっかりあります。

専門店のいわしフライは、攻めの美味しさ。揚げ具合が絶妙で、衣はサクサク、きれいなきつね色をしているのに、中はしっとりとして、いわしの汁がたぷたぷに詰まっています。ソースもよいですが、ここはあえて醤油という選択も。普通のいわしフライ(580円)のほかに、梅しそをいわしで包んで揚げたいわし梅しそフライ(680円)も人気です。

大羽いわしは、これぞ旬の素晴らしさ。まるまるとふとった鯵のようないわし。活いわしの包丁さばきもよいですが、焼き魚の火の入り具合もなかなか。

どっしり構え、広々と使ってお酒が飲めるいわし料理の大松。神田でゆったり飲んでみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名宝山 いわし料理 大松
住所東京都千代田区鍛冶町2-10-7 フェスタビル 1F
営業時間営業時間
11:30~13:30 16:30~23:00
定休日
日曜日、祝日
開業時期2004年