中国・黒龍江省という場所をご存知でしょうか。広大な中国の最北東部に位置し、北海道と同程度の北緯に位置しています。
中華料理とくくっても、北と南では大きな違いがあります。上海中華は食べる機会が多いですが、最北の料理はあまり経験ないのでは?
そんな黒竜江中華が楽しめるお店、結構近場にあるんです。
JR神田駅から線路沿いに秋葉原方向へ徒歩3分。JRのガード下に位置する「味坊」がそのお店。
みるからに「大衆酒場」の中華版という感じがしますね!
一杯目はやはりビールでしょう。
メニューに書かれた生ビールと瓶ビールはサントリーのプレミアムモルツですが、こっそり赤星も置かれています。
中華ともよく合うサッポロラガーで、はい乾杯!
黒竜江は羊が名産で料理にもたくさん使われています。名物のラム肉クミン風炒め(980円)をおつまみ一品目に。
独特な味付けが、やはり他の中華料理と違います。
そういえばジンギスカンで食べることはあっても、こうした炒めものでは珍しいです。脂は思ったほどきつくなく、絶妙なバランス。ビールを誘います。
落花生とセロリの冷菜。これも普段食べない味ですが、ビールに合わないはずがないでしょう。
ラム肉を使った餃子(600円)は、肉汁がじゅーっと広がり、それがいつもの豚や牛のそれと違って新鮮。
ビールのリピートはとまりません。
焼き具合やボリュームもちょうどよく、価格もリーズナブルなので、これを目指して軽く飲みに来るだけでもかなり楽しめそう。
中華と言ったらやはりこれも食べなくては。乾燥豆腐(800円)を麺状にした料理は定番ですね。
表面に凹凸には旨味が染み込んでいて、シャンツァイの香りが追いかけるように口に広がり、箸が止まりません。
たくさん並べて華やかなテーブル。茶色系バンザイ♪
ビールをさすがに飲み過ぎたようで、お腹がたぷたぷに。
ここで焼酎に切り替えましょう。
お店のお酒は特別中国のローカル色あるものはなく、日本のものが中心。それはそれでいいよね!
大好物なシャンツァイを山ほど食べられて、幸せいっぱい。
とにかく珍しい料理のオンパレード。定番だけでなく日替わりのオススメもあって、一度や二度通うだけでは到底このお店の味をコンプリートできそうにありません。
料理の多くに、「東北風」と書かれていますが、もちろん日本の東北地方ではなく、中国の東北。南国よりも辛さ控えめなのが特長かな。
水餃子(530円)は、もっちもちの皮がたまりません。羊の餃子ってあまり食べる機会がないけれど、これは癖になります。また通いたい、そう思わせる味坊の魅力(魔力)にとりつかれます。
途中から亀だし紹興酒に切り替えて、どっしり飲む体制にチェンジ。
えぐみのない素直な味で、これは何杯でも行けます。ロックにはせず常温かお燗が良さそう。
メニューは500円から900円程度がほとんどで、本格中華のお店なのに普段使いできるようになっているのが嬉しいです。中国東北料理、食べたことがない人は一度は経験してみて欲しいし、神田で飲み歩いている人の次の手札としても覚えてほしい、そんな一軒です。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見なゆ)
味坊
03-5296-3386
」東京都千代田区鍛冶町2-11-20 1F・2F
17:00~23:00
予算3,000円