仙台『東洋軒本店』昭和5年開業、三代目が守る正統派五目ヤキソバ

仙台『東洋軒本店』昭和5年開業、三代目が守る正統派五目ヤキソバ

2021年3月11日

仙台・国分町にある90年以上続く老舗中華「東洋軒本店」。日中から夜明け前まで営業を続ける、深夜型の人にも嬉しい〆中華です。人気の一品、昔ながらの五目ヤキソバなどをご紹介します。

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明け方までやっている町中華

仙台は冷やし中華発祥の地(諸説あります)。戦前から続くような歴史ある中華店が数多く残っていて、仙台は知る人ぞ知る町中華博物館です。

飲み歩いたあとの〆は、ラーメン店ではなく中華店で飲み直すというノンベエさんの姿は非常に多いです。そのため、歓楽街に接する店は真夜中に近づくほど、お酒を飲み交わすグループが増えていきます。

外観

国分町で1930年に創業した東洋軒本店。現在は三代目が老舗の暖簾を守っています。

営業時間は昼食時前の11時から、閉店はなんと翌日午前4時ごろ。真夜中にも関わらず、普通にスーツ姿のグループがお酒を囲み、夜の仕事を終えた飲食関係者がビールや日本酒を楽しんでいました。

内観

お店の人も明朗な接客で、とても終電の時間とは思えない雰囲気。それでも、老舗中華ならではのどっしりとした重厚感のある内装が、深夜らしい不思議な時の流れにコントラストをつけています。

アルコールとおつまみ豊富な品揃え

飲み物メニュー

樽生ビール(550円)はキリン一番搾り。瓶ビール(中びん各600円)はアサヒスーパードライキリン一番搾りサッポロ黒ラベルの3種類から選べます。中華店のお酒の定番紹興酒(古越龍山・永昌源)だけでなく、清酒酎ハイ、本格焼酎と豊富で、ウイスキーはなんとバランタインです。

まさに、お酒の席のための中華店。

ずっと昔から冷やし中華はじめました

「冷やし中華はじめました」の張り紙がだいぶ黄色くなっています。

実は、東洋軒本店は一年を通して冷やし中華が食べられます。何十年も昔に“はじまった”のだと思えば、たしかに「はじめました」に違和感はありません。海老、蟹など海鮮系の具材が多い、前菜のような冷やし中華がでてきます。

ですが、今夜の目的は五目ヤキソバ。品書きにも★マークで冷やし中華と並びオススメと書かれています。

品書きはご覧の通り、700円前後の大衆的な価格設定でおなじみの中華料理が並んでいます。一品料理の種類が多いこと、海鮮料理の充実がポイントです。

深夜中華の料理

サッポロ黒ラベル中瓶

店内にいるお客さん全員がビールを用意しています。もちろん、筆者も一本。名取でつくられたサッポロ黒ラベルをトクトクと注いで、それでは乾杯。

ギョーザ(5ケ・480円)

ちょっと摘むのにはちょうどいい大きさです。皮は分厚くぷりっとしており、具はみずみずしく肉汁がビールを誘います。

五目ヤキソバ(880円)

麺の量を減らしてもらい、餡掛けをおつまみのように頂きます。味はお酒の〆に向いている気持ち濃いめで、しっかりとした味。海老、貝柱、イカがごろごろと入っています。

細めの麺は軽く揚がっている部分のパリッとした歯ごたえと、餡が絡んだ縮れた部分が混じります。お酒を飲みながらつまめるおつまみ系の五目焼きそばです。

仙台でちょっとお腹に余裕があるとき、飲み足りないので深夜にもう一杯なんてときに行けるお店です。深夜の老舗中華へ、ふらっと立ち寄られてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)※値段は取材時の表記です。

店名東洋軒本店
住所宮城県仙台市青葉区国分町2-3-19
営業時間営業時間
[月~土]
11:30~16:00
[日・祝日]
11:30~21:45
日曜営業
定休日
無休
開業年1930年