二代目が守る創業半世紀になる海鮮酒場「三ぶちゃん」。脳天などのマグロの希少部位を看板料理に、東京の魚河岸で仕入れた魚介料理でもてなしてくれるお店です。
地下鉄東西線の浦安駅すぐ、1969年の地下鉄東西線開業とともに発展してきた浦安。当時は真新しいベッドタウンの商店街だった駅周辺も、いまでは味のある雰囲気です。
そんな駅前で1973年に創業した「三ぶちゃん」。15歳から魚を扱ってきた鮮魚店出身の三郎さんが始めたお店です。(浦安料飲組合より)
現在は二代目が店を受け継ぎ、まもなく創業50年を迎えます。店構えの渋さに惹かれますが、店内も同様に小上がりとカウンターを配した昭和の酒場のムードがそのまま残されています。
浦安駅開業の頃にタイムスリップ
ビールは樽生(500円・以下税別)がキリン一番搾り。瓶(中びん500円)はキリンクラシックラガーとサッポロラガー、ふたつの熱処理ビールが揃います。電球に照らされた飴色の空間で、レトロなデザインの瓶ビール。トクトクとビールグラスを満たしたら、昭和にタイムスリップです。
それでは乾杯。
日本酒は菊正宗(450円)、酎ハイ類(400円)は一通り。結構濃い目です。ホッピーセットもあります。
店の魅力は黒板とホワイトボードに詰まっています。黒板のタイトルは「本日のマグロ」と、マグロ料理が揃い踏み。脳天、ホホ肉、カマトロなどを刺身や炒めもので。ニンニク味で炒めた、ホホ肉炒めは本格焼酎と相性が良さそうです。
ホワイトボードは魚介類。赤貝ヒモ(550円)、タコ刺(550円)、生さんま焼(500円)、白子ポン酢(600円)、ホッキ貝焼(550円)、あじ刺(550円)など。定番料理は短冊で、イワシフライなど、概ね500円前後です。
マグロ希少部位二点盛り
本日のマグロ二点盛り(1,000円)は、ホホ刺しとカマトロ刺し。
カマトロはエラ部分の肉で脂がのっていてハリもあります。まぐろの脂というばトロのイメージが強いですが、よく動かす部分の硬めの脂もまた美味しいです。
小肌の酢〆は東京湾の名産品のひとつ。
マグロ刺しや小肌が揃えば、欲しくなるのは日本酒です。菊正宗のお燗酒をもらって、きゅっと一口。広がる米の香りがマグロの脂をながしていきます。
創業時からの人気メニュー・魚屋のもつ煮込み
魚メインのお店ですが、創業時から続く人気メニューのひとつが、もつ煮込み(450円)。
モツ特有のクセがでる脂はほとんど洗われて、生姜、薬味のネギの効果もあってすっきりとした味になっています。味噌とモツのコクがぐんと響く美味しさです。
さんま焼(500円)。
取材時はまだ生さんまが入る時期でした。ホッキ貝など季節の魚介類の焼き物も楽しみの一つです。
近所のお酒好きの皆さんが集う憩いの場。常連さんが多いですが、お一人でもカウンターに座ればきっと馴染めると思います。
ごちそうさま。
近くの酒場
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 三ぶちゃん |
住所 | 千葉県浦安市北栄1-15-10 |
営業時間 | 営業時間 18:30~23:00 定休日 日曜・祝日 |
開業年 | 1973年 |