新松戸で飲むといえば、その名もずばりな「おでん新松戸」は外せない存在です。
駅前の屋台からはじまったお店。現在は駅南側の線路に近い場所で営業。駅から少し離れ、飲食店が並ぶ商店街を抜けた先にあります。
少し暗い場所に灯るひとつの赤ちょうちん。そんな立地でも、屋台時代から通う常連さんや、噂を聞きつけふらりと立ち寄る方で、満席に近い賑わいです。
JR新松戸駅は、常磐線各駅停車と武蔵野線の接続駅。駅構内は乗り換えで忙しく行き交う人でいっぱい。皆さん、ふらっと途中下車して飲みに行きませんか。
フレンドリーな皆さんが笑顔で迎えてくれる「新松戸」。家族経営らしいあったかい空間です。温かいのはおでん鍋から立ち上る湯気のせいかもしれませんが、不思議と「あー、いいなー」って呟きそうな雰囲気です。
おでん鍋を前にしたカウンターは常連さんでいっぱい。隅っこに入れてもらいスタートです。
ムードだって酒の肴。お隣の方と軽く会釈をしたら、さあ乾杯。
樽生ビールはアサヒスーパードライ。キンキンに凍らせたジョッキで飲むエクストラ的なコールドです。瓶はアサヒスーパードライに加え、キリンラガーも選べます。
松戸には宝酒造松戸工場がある関係か宝を置くお店が多く、こちらも甲類(宝焼酎25)や本格焼酎(知心剣)をおいています。日本酒は出羽桜、大七など。
店内ですが、どことなく屋台の名残を感じるおでん鍋やケースたち。
透き通った出汁には、きつね色に染まったおでんダネが溢れんばかりに浮かびます。さつま揚げ、つみれ、すじといった定番から、フランクフルトや餃子なんて具もあり楽しいです。
クタクタになったちくわぶ、浅づかりのはんぺん、ジューシーな大根。縛らずに麺状のままの白滝をチョイス。
濃い口でお酒が進む味わい。寒い時期に、流山の風に吹かれたあとに食べるおでんは格別です。
気持ち濃いめの酎ハイ類。ロックアイスのレモンサワーや、おでん鍋の横でちろりで燗をつける日本酒も雰囲気にあっていて楽しめます。
四季を通じて提供されるおでん。それとは別に豚もつ煮込みや、マカロニサラダといった定番酒場メニューも豊富です。
お近くに立ち寄られた際、大きなターミナル駅に向かうのも良いですが、たまには出先のこんな一軒の暖簾をくぐってみるのはいかがでしょう。きっと町がより身近に感じられます。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
味の店 おでん新松戸
千葉県松戸市新松戸2-31-4
17:00~26:00(土曜日は始発頃まで・日定休)
予算2,700円