東武伊勢崎線の梅島駅から歩いて10分ほどの住宅街に暖簾を掲げる『こんちゃん』は、1966年の創業から半世紀以上愛され続ける老舗酒場。もとはモツ料理を中心とした下町の大衆酒場でしたが、代替わりを経て本格的な海鮮料理も加わり、今や予約推奨の人気店へと進化を遂げました。今回は、地元の人々が三世代にわたって通い詰める名酒場の魅力をご紹介します。
目次
60周年おめでとう!進化を続ける家族経営の老舗居酒屋

北千住から電車で数分の梅島は、足立区役所の最寄り駅ではあるものの、普通列車しか止まらない小さな駅。下町ののどかな雰囲気が色濃く残る街並みが広がります。
そんな梅島駅から少し歩いた先にある『こんちゃん』は、1966年に初代が青果店での経験と屋台での下積みを活かして創業した酒場。

当初は下町(広い意味での)によくある典型的なモツ焼き酒場としてスタートしましたが、現在厨房に立つ二代目店主の代になり、千住の市場で自ら買い付ける魚介類や多彩な創作料理を取り入れ、目覚ましい進化を遂げました。
毎日手書きされるメニュー表には、産地まで明記された旬の食材がずらりと並ぶ。
素材の選定から仕込みまで一切妥協しない二代目の真摯な姿勢と、先代から受け継がれた下町らしい温かな接客がほどよくブレンドしていることが、私が『こんちゃん』に通った理由です。

店内はカウンター席と小上がりが用意され、開店直後から近所の常連客や遠方から訪れる食通たちで瞬く間に満席になります。
小さなお子様連れの家族から年配の方まで、三世代にわたって日常の延長としてくつろげる、地域密着、みんなの集会場のようなムードが実に心地いい。駅から10分も歩くのに満席になることも多いため、事前にお電話されたほうが安心です。
割烹クラスの海鮮と伝統のモツ料理を味わい尽くす

まずはサッポロラガービールをもらって、喉を潤します。

料理の種類が膨大ですが、お酒も選択肢が多い。なんたって、生ビールだけでも、3種類。アサヒ生ビール(マルエフ)とサッポロ生ビール黒ラベルのほか、非常にレアなサッポロのホワイトビール「白穂乃香」もラインナップされています。
職人技が光る「今日の一人盛」

一杯目の肴として選んだのは、一人客でも少しずつ旬の味覚を楽しめるよう考案された「今日の一人盛(950円)」です。

この日の内容は、島根県産のどんちっち鯵、福島県産の天然鮃の昆布締め、岩手県産のあいなめの昆布締め、島根県産の白イカといった豪華な顔ぶれ。

昆布締めや丁寧な包丁さばきなど、随所に仕事が感じられる逸品。それぞれの魚が持つ旨味が最大限に引き出されています。

醤油は控えめにして、昆布締めのねっとりとした食感や、鯵の脂の甘みをじっくりと味わいたい一皿。割烹料理店にも引けを取らないクオリティに、思わずお酒が進みます。
下町酒場の定番・氷なし焼酎ハイボール

美味しい魚を味わった後は、下町酒場でお馴染みのドリンクに切り替えます。琥珀色に輝く氷なしの焼酎ハイボールを注文。

強炭酸の刺激とすっきりとした飲み口が心地よく、次に控える濃厚な肉料理への期待が高まります。
先代から受け継ぐ「噂のホルモン鍋」

二代目の洗練された料理に感嘆した後は、初代が考案した看板メニュー「噂のホルモン鍋(中・770円)」で、この店の歴史を追体験!

不動の1番人気を誇るこの鍋は、細切りにされた豚のシロをピリ辛ダレで味付けしたもの。

丸鍋かと思うほどカンカンに熱せられた土鍋で提供され、調理中から店内に漂うニンニクの香りが食欲を刺激します。

中央に乗せられた生卵を崩して絡めれば、シロの旨味とコク深いスープが渾然一体となり、グラスを空けるペースが自然と早まる絶品料理に仕上がっています。
時代に合わせて進化し続ける名酒場


二代目が切り拓いた本格的な海鮮料理と、初代から守り続ける下町のモツ料理。この両極端とも言える魅力がひとつの空間で高い次元で融合している店舗です。鮮魚からもつ焼き、洋食まで品数の多さに圧倒されつつも、どの料理を頼んでも間違いのない確かな技術が裏打ちされています。
足立区の酒場のポテンシャルの高さを感じる楽しいひとときでした。オススメです。
店舗詳細






| 店名 | 居酒屋こんちゃん |
| 住所 | 東京都足立区梅田6丁目32−4 |
| 営業時間 | 17時00分~23時00分 |
| 創業 | 1966年 |
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