綾瀬『味安』素晴らしき食堂飲み。朝9時開店、休日も通しで営業

大箱なのにランチタイムは満席になる、綾瀬で知らない人は居ないほどの人気店『味安』。綾瀬駅から徒歩10分ほど離れているにもわらず、お昼過ぎは「食堂飲み」を楽しむ人で賑わいます。濃いめの酎ハイと焼鮭を並べ、お昼からフルパワーで楽しみませんか。

1978年開業、街に愛される大衆食堂

味安は、綾瀬でラーメン店やお好み焼き店など6軒展開するご当地企業「PANDAグループ 株式会社ザアート」の1業態。その食堂部門が味安で、開店は1978年です。日本で初めてのパンダが上野動物園にパンダがやってきて、下町・墨東エリアは空前のパンダブームが到来。グループの名前は、そんなパンダにあやかったものだそう。

外観

「味安」を一言で表すと、”地域に猛烈に根付いた食堂”です。レトロな外観で、23区内の店舗とは思えない昭和のドライブイン風の店構えが特徴的。事実、30台以上を停められる駐車場があり、昼食時は営業車を停めて腹ごしらえに訪れる働く人でいっぱいになります。※ストップ！飲酒運転。

店先に大きくかげられたお弁当の看板。昨今の状況下ではじめた弁当ではなく、昔から味安の弁当は大人気。とくに唐揚げが名物で、ピークタイムを過ぎた14時頃になっても、注文は後をたちません。

内観

外観同様に店内も懐かしい食堂の雰囲気に満ちています。畳敷きの小上がりは、今の時代と比較し一回り小さなテーブルと座布団がかわいらしく並んでいます。「両親はビール、子供はカレーライスを頬張る」、という家族連れの姿も。

対する厨房側は、ランチのピークを過ぎたにも関わらず大忙しの様子。唐揚げは山盛りになるまで揚げられていますし、隣の蒸し器からは大量のじゃがいもが蒸しあがり、これからポテトサラダをつくるようです。

そんな光景を正面に眺めつつ、こちらはとっても平和なカウンター席でビールを注文。楽しいお昼酒タイムのはじまりです。

乾杯は大樽の「キリンラガー」で！

まずは状態が抜群にいい大樽のキリン一番搾り生ビールで！午後の日差しに照らされ金色に輝くジョッキをもって、では乾杯。

品書き

お酒

生ビール（キリンラガー）中：620円・小：440円。酎ハイ：390円、レモンサワー：430円、ウーロンハイ：430円、生レモンハイ：490円、梅ハイ：470円、緑茶ハイ：440円。日本酒（大関）大：630円・小：360円。

このほか、地酒で越乃寒梅：780円、八海山：780円、久保田：830円。

黒板メニュー

日替わりの黒板メニューは、かんぱちかま焼：650円、生たらこ：430円、もつ煮込み：430円、はまちとたこのカルパッチョ：490円、ポテトサラダ：330円、かつお刺身：600円ほど。

お造り

本まぐろ刺身：980円、本まぐろぶつ刺身：700円、いか刺身：550円、たこぶつ：550円、刺身盛り（2人前）：1,480円。

一品料理・焼き魚

とり唐揚（2個）：360円、自家製コロッケ：460円、メンチカツ（2個）：580円、生アジフライ：530円、サバ焼き：520円など。

定食・炒め物

なす味噌炒め：550円、豚肉なす生姜炒め：570円、焼そば：600円、ハンバーグ定食：920円など。

食堂のおかずは、立派なおつまみ！お昼酒万歳

ポテトサラダ（330円）とブロッコリー（310円）

目の前でじゃがいもを蒸すことから始めているポテトサラダ。注文せずにはいられません。もっちりねっとり、プロの味。胡椒やソースをかけて味を変えつつ、ビールがぐんぐんと進みます。ブロッコリーも茹でたてでホクホクです。

ほうれん草（310円）とキリンラガー（630円）

食堂飲みと酒場飲みの違いについて考えてみました。こういうお店だと、だんだん境界は曖昧になものです。ひとつ挙げるなら、小皿の充実ぶりでしょうか。おひたしやナムルなど葉物のおつまみ好きにはたまりません。

カツオ刺身（600円ほど）

黒板メニューからかつお刺しを。生姜だけでなくおろしニンニクもついて、薬味たっぷりで登場しました。ねっとり濃厚、今季はかつおの当たり年でしたね。

紅鮭（480円）

みてください、この厚み。スーパーの鮮魚売り場では、このサイズはなかなか見かけません。漂う塩鮭の香りは、それだけでお酒が進みます。絶妙なやけ具合で中はしっとり。皮まで食べたい、味安でおすすの一皿です。

鮭かま焼き（410円）

こちらは黒板メニューから、鮭かま焼き。紅鮭よりもお手頃です。丸く盛られた大根おろしをたっぷりと和えて頬張ります。

お弁当と定食をあわせて、一日何尾の鮭を焼いているのでしょうか。常にグリラーは焼魚のためにフル稼働しています。

緑茶ハイ（440円）

酎ハイ系で悩んだら、お店でいれたお茶をつかった緑茶割りはいかがでしょう。甘味と旨味、甲類の濃さから、注文率の高さも納得です。

酎ハイ（390円）

嬉しいのは、味安は昔ながらのたっぷり入るジョッキを使っているということ。マルチサーバーから注がれたガス圧高めの酎ハイは、1杯でも心地よくほろ酔いになります。

一人飲みならば定食という選択も！

本まぐろ刺身と豚角大根煮定食（1,070円）

定食はハムエッグ定食の610円からあり、豊富な小鉢がついてくるのが魅力的。まぐろ刺身をメインにした定食は日替わりで、この日は豚角煮がついた豪華な内容でした。単品で頼むより一皿ごとの量はすくないですが、一人飲みならばむしろ大歓迎。ごはんを断って、昼飲み贅沢セットにしてしまうのも「あり」ではないでしょうか。

味安の本まぐろは、超トロと真っ赤な赤身の組み合わせ。ねっとりとして実に美味です。

豚角大根煮は、東京らしいしっかり甘い味付け。トロトロになった豚バラと、豚の旨味が染み込んだ大根は、ともにおつまみとして秀逸です。

途切れずお客さんで賑わう綾瀬の人気食堂。基本的に無休ですから、日曜日や祝日にお昼から飲みたくなったら間違いのない選択肢のひとつだと思います。明るくてちょっぴり懐かしくて、なにより居心地がいいです。

ごちそうさま。

（取材・文・撮影／塩見 なゆ）