鹿児島で朝から魚を楽しむなら『市場食堂 城南店』。鹿児島中央卸売市場魚類市場内にあり、70年以上の歴史を持つ老舗の職域食堂です。錦江湾をはじめとした鹿児島の海から水揚げされたばかりの新鮮な魚介類を手頃な価格で味わえます。
鹿児島の海の幸が集まる場所
桜島の大噴火によって形成されたカルデラ湾「錦江湾」は、栄養豊富で天然の養殖池と言われています。鹿児島市の中心部は、桜島が作り出す自然環境とともに歩んできました。
鹿児島市の中央卸売市場魚類市場は、錦江湾に突き出た埋立地にあります。1935年に開設されたこの市場は、中央卸売市場としては全国7番目、九州では福岡の市場より早く、九州初の中央卸売市場です。
市場は鹿児島港と一体的に整備されており、市場周辺には漁船や遊漁船、フェリーなどが多数停泊しています。
現在の市場棟は2018年に建て替えられたもの。豊洲と同じように閉鎖型の施設となっています。外観は物流センターのような印象です。
しかし、豊洲とは異なり、荷受け口の正面は水揚げ場となっており、船から下ろした魚介類はフォークリフトで直接市場に運び込まれます。
市場棟の改築に合わせて、飲食店や職域売店が入る関連棟も新しく建てられました。以前は、無骨な古い電話局や小学校のような建物でしたが、新施設は少し洗練された印象を受けます。とはいえ、どこかしら行政機関のような雰囲気はありますね。
今回ご紹介する「市場食堂」も新装開店となりました。
外観
市場食堂は、70年以上の歴史を誇る市場内でも特に歴史のあるお店の一つで、長年にわたり市場で働く人々の胃袋を支えてきました。移転後もその評判は変わらず、魚が安くて新鮮と評判を呼び、一般客も増えました。今でも朝は関係者でいっぱいになります。
なお、市場敷地内にありますが、食堂・売店は一般の人も利用可能です。※車両は入れない時間はありますが、徒歩なら早朝から入れます。
品書き
- 瓶ビール(アサヒスーパードライ・キリン一番搾り)
- 刺身定食:1,600円
- 寿司定食:1,300円
- 海鮮ちらし:1,400円
- 首折れサバ定食:1,300円
- ハガツオ定食:1,200円
- カンパチ定食:1,200円
- 〆さば定食:1,000円
- カキフライ定食:1,000円
- カレーライス:600円
- ちゃんぽん:700円
- ギョーザ定食:750円
- あじフライ定食:900円
とれたての地魚はプリップリ!
キリン一番搾り瓶ビール
テーブル、小上がり、カウンター合わせて35席ほどある比較的広い店内ですが、まだ午前中だというのに、店内は市場関係者でいっぱいです。空席だったカウンター席に案内され、ほっと一安心。落ち着いたらのどが渇いてきました。
市場は貴重な朝酒スポットです。キリン一番搾りをもらって、それでは乾杯!
活アジ刺し(定食では1,200円)
鹿児島はキビナゴやヘダイ、ミナミマグロ、養殖ブリ・カンパチなどが漁獲量・生産量が多く有名ですが、アジも日常の魚として親しまれています。とれたてのアジは、さっと刺身にするだけで絶品です。市場の食堂らしいラフな盛り付けですが、鮮度抜群でぷりぷりです。
海鮮ちらし(1,400円)
市場酒(市場めし)の定番といえば、やはりチラシや海鮮丼ですね!
ブリ、ハガツオ、真アジにキビナゴ、エビやカニの身まで、重なるように豪快に盛られています。酢飯よりも魚介類の方が多いため、ビール1本では当然のように足りませんでした。
非常に新鮮なキビナゴの食感は、プリプリを通り越してコリコリです。優しい甘さが広がり、思わず焼酎を飲みたくなりましたが、残念ながら酒類はビールだけです。
市場食堂は30年ほど前に天文館に系列店を出しており、しっかり飲みたい場合はそちらを選ぶことにしましょう。
麦味噌でつくる味噌汁の甘さにほっと一息。
ごちそうさま
朝5時から営業しています。鹿児島で朝から飲むなら、魚類市場の食堂は要チェックです。
ランチのピークは行列することもあるため、早い時間帯に行くことをお勧めします!
鹿児島の魚と、魚河岸酒一覧
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 市場食堂 城南店 |
住所 | 鹿児島県鹿児島市城南町37 鹿児島市魚類市場内 |
営業時間 | 営業時間 5:00~15:00 定休日 日曜・祝日鹿児島市中央卸売市場魚類市場の休市日は休み 市場カレンダー(鹿児島市WEBサイト ) |
開業時期 | 1950年頃 |