今回は比較的安心して利用できる、オープンエアな環境を備えた居酒屋・立ち飲みをご紹介します。気候がよい今のうちに、美味しい外食ならではのお酒と食事を、開放感に浸りながら楽しみませんか。
目次
1.吉祥寺「いせや総本店」
おなじみ、吉祥寺のやきとり店「いせや」。本店の立ち飲みスペースは、現在の建物に建て変わる以前から吉祥寺通りに面しています。焼台前の立ち飲みは常連さんが多めの特等席です。二人で利用しやすい一階の着席スペースも、店の奥ではあるものの、側面の開口部が大きく風がよく吹き込みます。
風向き次第では煙を浴びることもありますが、あの頃の懐かしい酒場の開放感に浸れること間違いなし。おすすめは、やきとりとシュウマイ。
2.西荻窪「戎南口店」
今年の9月で48年目を迎えた西荻窪の人気酒場「戎」。本店的な位置づけの南口店は、小さな横丁の焼鳥店からはじまり、その後、横丁沿いの店舗も戎に姿を変えていったため、この一帯は戎の屋台村状態。横丁に向いて開口部を広くとった飲食スペースは、風通しの良さは抜群。昔は寒いと感じていましたが、いまはむしろ大歓迎。
名物はいわしコロッケ。おすすめはとり皮ピーマン。飲み物はスペインから戎が直輸入するワインや、400円台なのにドカンとでてくるメガサイズのトリスハイボール、水冷式の冷蔵庫で寝かされたキリンやサッポロのラガービールです。
3.赤羽「いこい」
赤羽で朝からやっている酒販店系の立ち飲み「いこい」。開口部が広く、半分屋台のような空間にコの字カウンターが配置されています。混雑時は別の店舗を選びたい所ですが、開け広げた入り口から吹き付ける風と、協力な換気扇パワーで店内(入り口付近の立ち飲みスペースは特に)の風通しは常に良好です。
おすすめは、宝ゴールデンと瓶ビール、おつまみではチャーシューは外せません。
4.成城学園前「さんたろう」
成城学園前の「さんたろう」は、いま勢いのある低価格居酒屋「ほていちゃん」を運営するフォートップス社の新業態。店名の由来は「桃太郎」「浦島太郎」「金太郎」からとって「さんたろう」。海、里、山の食材を揃えているという意味。第一号店は成城学園前駅すぐの場所にオープン。
駐輪場に抜ける小路に面した4卓あるテーブル席は完全に屋外(私有地内)で、風を感じてお酒が楽しめます。飲み物はワインハイボールを前面にだし、料理も通常の煮込みではなくチリコンカン(319円)、鶏とセロリのトマト煮(396円)、ラムグリーンカレー(506円)と、ひねりを利かせたネオ大衆的内容です。
5.月島「げんき」
もんじゃ焼きの香り漂う月島の路地裏で、1996年に自宅を改装して開業した小さな牛串煮込み専門店。裏路地に丸椅子を並べただけの空間ですので、東京湾の風を感じて酒場時間が楽しめます。
看板料理の和牛のもつを使った煮込みはコッテリしているようで、驚くほど上品な仕上がり。お酒は缶(ビールやRTD)のみ2本まで持込可能。有名店ですが、常連さんが中心のとっておきの空間です。
6.浜松町「秋田屋」
浜松町のランドマークといえば、増上寺と東京タワーと、そして酒場好きならば「秋田屋」。1929年の創業とかなりの歴史があります。
店先の立ち飲みスペースは、焼台前でちゃちゃっと飲んでいく会社帰りのオフィスワーカーでいつも賑わいます。見上げれば東京タワーという港区らしい景色の中、昭和の酒場で煙を浴びて立ち飲みするというコントラストも醍醐味。風通しが良すぎて冬は寒いのですが、そんな中で煮込みを頬張るのもまた楽しいです。
7.神田「吉池チェーン 味の笛」
御徒町の鮮魚が強い老舗スーパー「吉池」の直営の立ち飲み店「味の笛」。神田と御徒町に店があり、神田店は店先の私有地内にテーブルがあり、そこでも飲食が可能です。創業者が新潟・頸城(くびき)出身ということで、いまも新潟の食材に力を入れています。北海道にある自社の水産加工場から直送の干物などもあり、これらをスーパーのお惣菜価格で楽しませてくれます。
定番のお酒は越の白鳥、ビールはプラカップでスーパードライ。頭上を行き交う新幹線の音をBGMに、仕事帰りのちょい呑みを楽しまれてみては。
8.浅草橋「西口やきとん」
1963年に創業、JR浅草橋駅の西口目の前にあったことからその名もずばり「西口やきとん」。焼台に近いカウンターや道路側の立ち飲みスペースは半屋外といえる空間。やきとん店ですので換気も力強いです。
いまの時代でも100円を維持しているやきとんはもちろん頼みたいのですが、名物はクタクタになるまで煮込まれた皿ナンコツ(200円)。これが食べたくて浅草橋まで足を伸ばす人も多数!
飲み物は西口やきとん他数軒でしか飲めない、SSレモンハイボールがおすすめです。
9.新宿「カブト」
ここは思い出横丁の中心部。本記事のトリは昭和23年から続く思い出横丁を代表する酒場のひとつ「カブト」です。戦後すぐの頃、比較的入手しやすかった鰻のアラをつかった鰻串を肴にして甲類焼酎を飲むという、戦後復興の食文化をいまに伝える一軒。人口密集度の高い横丁内ですが、カブトは全席背中側は屋外というつくりで空気はとどまりません。
鰻のキモやヒレなどの部位を一通りと、キリンビールにキンミヤ焼酎で、飲み屋の夜明け気分に浸るのも良さそうです。